RTSP プロトコルのアプリケーション層ゲートウェイ
リアルタイムストリーミングプロトコル (RTSP) は、リアルタイムメディアデータを転送するためのアプリケーションレベルのプロトコルです。RTSP は、エンドポイント間のメディアセッションを確立および制御するために使用され、メディアクライアントとメディアサーバ間のコントロールチャネルプロトコルです。一般的な通信は、クライアントとストリーミングメディアサーバーの間です。
プライベートネットワークからパブリックネットワークにメディアをストリーミングするには、ネットワーク上で IP アドレスとポート番号を変換する必要があります。Citrix ADCの機能には、RTSP用のアプリケーションレイヤーゲートウェイ(ALG)が含まれています。ALG(大規模NAT)とともに使用すると、メディアストリームを解析し、プロトコルがネットワーク上で動作し続けるように必要な変更を行うことができます。
IP アドレス変換の実行方法は、メッセージのタイプと方向、およびクライアント/サーバ展開でサポートされるメディアのタイプによって異なります。メッセージは次のように翻訳されます。
- 送信要求:Citrix ADCが所有するパブリックIPアドレスへのプライベートIPアドレス(LSN IPアドレスと呼ばれます)。
- 着信応答:プライベート IP アドレスへの LSN IP アドレス。
- インバウンド要求:変換なし。
- 発信応答:LSN プール IP アドレスへのプライベート IP アドレス。
注
RTSP ALGは、Citrix ADCスタンドアロンアプライアンス、Citrix ADC高可用性セットアップ、およびCitrix ADCクラスタセットアップでサポートされています。
RTSP ALG の制限事項
RTSP ALG は、次の機能をサポートしていません。
- マルチキャスト RTSP セッション
- UDP を介した RTSP セッション
- 管理パーティション
- RTSP 認証
- HTTP トンネリング
RTSP ALG の設定
RTSP ALG を LSN 設定の一部として設定します。LSN の設定手順については、 DS-Lite の設定を参照してください。LSN の設定時には、次のことを確認してください。
- LSN アプリケーションプロファイルを追加するときに、次のパラメータを設定します。
- IP プーリング = PAIRED
- アドレスとポートのマッピング = エンドポイント独在
- フィルタリング = エンドポイントインデペンデント
- LSN グループで RTSP ALG を有効にします。
- RTSP ALG プロファイルを作成し、RTSP ALG プロファイルを LSN グループにバインドします。
CLI を使用して LSN 設定の RTSP ALG を有効にするには
コマンドプロンプトで入力します。
add lsn group <groupname> -clientname <string> [-rtspalg ( ENABLED | DISABLED )]
show lsn group <groupname>
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CLI を使用して LSN 設定の RTSP ALG を有効にするには
コマンドプロンプトで入力します。
add lsn rtspalgprofile <rtspalgprofilename> [-rtspIdleTimeout <positive_integer>] -rtspportrange <port[-port]> [-rtspTransportProtocol (TCP|UDP)]
show lsn rtspalgprofile <rtspalgprofilename>
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RTSP ALG 設定の例
次の DS-Lite 設定例では、ネットワーク 2001: DB8:: 4:0 /96 内の B4 デバイスからの TCP トラフィックに対して RTSP ALG が有効になっています。
RTSP ALG 設定の例:
add lsn client LSN-DSLITE-CLIENT-5
Done
bind lsn client LSN-DSLITE-CLIENT-5 -network6 2001:DB8::4:0/96
Done
add lsn pool LSN-DSLITE-POOL-5
Done
bind lsn pool LSN-DSLITE-POOL-5 203.0.113.61 - 203.0.113.70
Done
add lsn ip6profile LSN-DSLITE-PROFILE-5 -type DS-Lite -network6 2001:DB8::5:6
Done
add lsn appsprofile LSN-DSLITE-APPS-PROFILE-5 TCP -ippooling PAIRED –mapping ENDPOINT-INDEPENDENT -filtering ENDPOINT-INDEPENDENT
Done
add lsn rtspalgprofile RTSPALGPROFILE-5 -rtspIdleTimeout 1000 -rtspportrange 554
Done
add lsn group LSN-DSLITE-GROUP-5 -clientname LSN-DSLITE-CLIENT-5 -portblocksize 1024 -ip6profile LSN-DSLITE-PROFILE-5 -rtspalg ENABLED
Done
bind lsn group LSN-DSLITE-GROUP-5 -poolname LSN-DSLITE-POOL-5
Done
bind lsn group LSN-DSLITE-GROUP-5 -appsprofilename LSN-DSLITE-APPS-PROFILE-5
Done
bind lsn group LSN-DSLITE-GROUP-5 -rtspalgprofilename RTSPALGPROFILE-5
Done
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