XenCenter

ネットワークの設定

注:

XenCenter 2023.xxは現在プレビュー段階にあり、実稼働環境でのサポートはされていません。これ以降に記載する実稼働環境でのサポートは、XenCenter 2023.xxおよびXenServer 8がプレビューステータスから一般提供に移行したときに初めて適用されることに注意してください。

XenServer 8およびCitrix Hypervisor 8.2 CU1の非実稼働環境は、XenCenter 2023.xxを使用して管理できます。これに対し、Citrix Hypervisor 8.2 CU1実稼働環境を管理する場合は、XenCenter 8.2.7を使用できます。詳しくは、XenCenter 8.2.7 documentationを参照してください。

XenCenter 8.2.7とXenCenter 2023.xxは同じシステムにインストールできます。XenCenter 2023.xxをインストールしても、XenCenter 8.2.7のインストールは上書きされません。

管理対象のサーバーには、1つ以上のネットワークが設定されます。XenServerのネットワークは、外部インターフェイスに接続したり、特定のサーバーやリソースプールに完全に仮想的かつ内部的に接続したりする仮想イーサネットスイッチです。外部インターフェイスは、VLANタグを付けることも付けないこともできます。

XenServer製品を物理サーバーにインストールすると、そのサーバーの物理NICごとにネットワークが作成されます。このネットワークは、仮想マシン上の仮想ネットワークインターフェイス(VIF)と、サーバー上のNICに関連付けられた物理ネットワークインターフェイス(PIF)との間のブリッジとして機能します。

管理対象サーバーをプールに移動すると、これらのデフォルトネットワークがマージされ、同じデバイス名を持つすべての物理NICが同じネットワークに接続されます。通常、次の場合にネットワークを追加します:

  • 内部ネットワークを作成する
  • 既存のNICを使用して新しいVLANをセットアップする
  • NICボンディングを作成する

各サーバーでは、最大16のネットワーク(または最大8組のボンディングしたネットワークインターフェイス)を設定できます。

ジャンボフレームは、ストレージネットワークおよび仮想マシンネットワーク上のトラフィックのパフォーマンスを最適化するために使用される機能です。新規ネットワークウィザードや既存のネットワークの[プロパティ]ダイアログボックスで、MTU(Maximum Transmission Unit:最大転送単位)を設定できます。設定可能なMTU値は、1500~9216です。

ネットワークの種類

XenCenterでネットワークを作成する場合、3種類の物理ネットワークから選択できます。

単一サーバーのプライベートネットワーク

物理ネットワークインターフェイスに関連付けられない内部ネットワークです。この種類のネットワークでは、そのサーバー上の仮想マシン間の接続のみが提供され、外部には接続できません。

外部ネットワーク

物理ネットワークインターフェイスに関連付けられ、仮想マシンと外部ネットワークとのブリッジとして機能するネットワークです。このブリッジにより、仮想マシンはサーバーの物理NICを介して外部リソースに接続できます。

ボンディングしたネットワーク

複数のネットワークインターフェイスカードを「束ね」て単一の高性能チャネルを形成するネットワークで、仮想マシンと外部ネットワーク間の接続が提供されます。以下の3つのボンディングモードがサポートされています。

  • アクティブ/アクティブ

    このモードでは、ボンディングされたNIC間でトラフィックが分散されます。ボンディング内の一方のNICに障害が発生した場合、ホストサーバーのネットワークトラフィックは自動的に他方のNIC経由で転送されます。このモードにより、ボンディングされた物理NICによる仮想マシントラフィックの負荷分散が提供されます。

  • アクティブ-パッシブ

    ボンディングされたNICのうち一方のみがアクティブになります。非アクティブなNICが使用されるのは、アクティブなNICに障害が発生した場合のみです。このモードにより、ホットスタンバイによる冗長化が提供されます。

  • LACP(Link Aggregation Control Protocol)ボンディング

    このモードでは、ボンディングされたNIC間でトラフィックが分散されるアクティブ/アクティブボンディングが提供されます。Linuxブリッジ環境でのアクティブ/アクティブボンディングとは異なり、LACPボンディングではすべての種類のトラフィック負荷が分散されます。このモードには、2つのオプションがあります:

    • 送信元のMACアドレスによる負荷分散を使用するLACP

      このモードでは、送信元の仮想マシンのMACアドレスに基づいてトラフィックの送信NICが選択されます。同一ホスト上でいくつかの仮想マシンが動作する環境では、このオプションによるトラフィック分散を使用します。VIFの数がNICよりも少ない場合、このハッシュアルゴリズムは適していません。トラフィックを複数のNICに分散できないため、適切な負荷分散は提供されません。

    • 送信元および送信先のポートとIPによる負荷分散を使用するLACP

      このモードでは、送信元のIPアドレスとポート番号、および送信先のIPアドレスとポート番号に基づいてトラフィックがNIC間で分散されます。このオプションは、VIFの数がNICよりも少ない環境で仮想マシンからのトラフィック負荷を分散させる場合に適しています。たとえば、3つのNICによるボンディングを単一の仮想マシンだけで使用する場合はこのオプションを使用します。

メモ

  • XenCenterでLACPボンディングのオプションを表示したりLACPボンディングを作成したりするには、ネットワークスタックとしてvSwitchを設定します。また、IEEE 802.3ad標準をサポートするスイッチを使用する必要があります。
  • アクティブ/アクティブモードおよびアクティブ/パッシブモードのボンディングは、vSwitchおよびLinuxブリッジの両方で使用できます。
  • ネットワークスタックとしてvSwitchを使用する場合は、最大で4つのNICを使用してボンディングを作成できます。ただし、Linuxブリッジがネットワークスタックの場合、ボンディングを構成できるNICは2つまでです。

XenServerにおけるNICボンディングのサポートについて詳しくは、「ネットワーク」を参照してください。

ネットワークの設定

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