XenCenter

リソースプールの要件

注:

XenCenter 2023.xxは現在プレビュー段階にあり、実稼働環境でのサポートはされていません。これ以降に記載する実稼働環境でのサポートは、XenCenter 2023.xxおよびXenServer 8がプレビューステータスから一般提供に移行したときに初めて適用されることに注意してください。

XenServer 8およびCitrix Hypervisor 8.2 CU1の非実稼働環境は、XenCenter 2023.xxを使用して管理できます。これに対し、Citrix Hypervisor 8.2 CU1実稼働環境を管理する場合は、XenCenter 8.2.7を使用できます。詳しくは、XenCenter 8.2.7 documentationを参照してください。

XenCenter 8.2.7とXenCenter 2023.xxは同じシステムにインストールできます。XenCenter 2023.xxをインストールしても、XenCenter 8.2.7のインストールは上書きされません。

リソースプールは、同種または異種混在型のサーバーの集合で、最大サーバー数は64です。新しいリソースプールを作成したり、既存のリソースプールにサーバーを追加したりする前に、プール内のすべてのサーバーが以下の要件を満たしていることを確認してください。

ハードウェア要件

XenServerのリソースプール内のすべてのサーバーが、以下の互換性のあるCPUを搭載している必要があります:

  • CPUベンダー(IntelまたはAMD)が、すべてのサーバーのすべてのCPUで同じである。
  • すべてのCPUで仮想化が有効になっている。

そのほかの要件

上記のハードウェア要件に加えて、リソースプールに追加するサーバーは以下の前提条件を満たしている必要があります:

  • 一貫したIPアドレス(サーバー上の静的IPアドレスまたは静的DHCPリース)を保持している。この要件は、共有NFSまたはiSCSIストレージを提供するサーバーにも当てはまります。
  • システムの時計がプールコーディネーターの時計と同期している(ネットワークタイムプロトコルを使用している場合など)。
  • 既存のほかのリソースプールに属していない。
  • プールに追加するサーバー上に実行中または一時停止状態の仮想マシンがない。また、処理中の操作がない。サーバーをプールに追加する前に、すべての仮想マシンをシャットダウンする必要があります。
  • 共有ストレージが構成されていない。
  • 管理インターフェイスのボンディングが設定されていない。プールに追加するには、追加するサーバーの管理インターフェイスを再設定して物理NIC上に戻します。サーバーをプールに追加した後で、ボンディングを再設定できます。詳しくは、「IPアドレスの構成」を参照してください。
  • 実行するXenServerソフトウェアのバージョンおよびパッチレベルが、プールの既存のサーバーと同じである。
  • プール内の既存のサーバーと同じサプリメンタルパックがインストールされている。サプリメンタルパックは、dom0(XenServerのコントロールドメイン)にアドオンソフトウェアをインストールするときに使用されます。プールでのユーザーエクスペリエンスを一貫させるため、すべてのサーバーに同じサプリメンタルパックの同じリビジョンをインストールしてください。
  • プール内の既存のサーバーと同じXenServerライセンスがある必要があります。たとえば、XenServer Premium Editionを持つサーバーが含まれている既存のリソースプールには、XenServer Standard Editionライセンスを持つサーバーを追加できません。プールに追加した任意のサーバーのライセンスを変更することができます。ただし、そのプールで一番低いレベルのライセンスにより、すべてのプールメンバーで使用できる機能が決定されます。ライセンスについて詳しくは、「XenServerのライセンスについて」を参照してください。

同種型プール

同種型リソースプールは同一CPUのサーバーの集合です。上述の要件に加えて、同種型リソースプールに追加するサーバー上のCPUは、プールの既存のCPUと同じである必要があります。CPUは、ベンダー、モデル、および機能が同じであれば同じとみなされます。

異種混在型プール

XenServerでは、種類の異なるハードウェアを使って異種混在型のリソースプールを作成できるため、新しいハードウェアによる環境の拡張が行えます。異種混在型のリソースプールを作成するには、マスキングまたはレベリングと呼ばれる技術をサポートするIntel社(FlexMigration)またはAMD社(Extended Migration)のCPUが必要です。これらの機能では、CPUを実際とは異なる製造元、モデル、および機能のものとして見せかけることができます。これにより、異なる種類のCPUを搭載したホストでプールを構成しても、ライブマイグレーションがサポートされます。異種混在型プールに追加するサーバーは以下の要件を満たしている必要があります:

  • プールに追加するホストのCPUが、プール内の既存のホストと同一ベンダー(AMDまたはIntel)のものである必要があります。ただし、CPU(ファミリー、モデル、およびステッピング数)などは異なっていても構いません。
  • プールに追加するホストのCPUが、Intel FlexMigrationまたはAMD Enhanced Migrationをサポートしている必要があります。

XenServerでは、異種混在型プールのサポートが簡素化されました。サーバーは、CPUが同じベンダーファミリからのものである限り、基になるCPUの種類に関係なく既存のリソースプールに追加できるようになりました。プールの機能セットは、以下が行われるたびに動的に計算されます:

  • 新しいサーバーをプールに追加した場合
  • プールメンバーをプールから除外した場合
  • プールメンバーが再起動の後に再接続した場合

プールの機能セットにおける変更は、プールで実行中の仮想マシンには影響しません。実行中の仮想マシンは、開始時に適用された機能セットを引き続き使用します。この機能セットは起動時に固定され、移行、サスペンド、および再開操作中も継続されます。機能の劣るサーバーがプールに追加されてプールのレベルが低下する場合、実行中の仮想マシンはプール内の新しく追加されたサーバーを除く任意のサーバーに移行できます。仮想マシンをプール内またはプール間で別のサーバーに移動または移行しようとすると、XenServerで移行先サーバーの機能セットに対して仮想マシンの機能セットが比較されます。機能セットに互換性があることが分かった場合は、仮想マシンの移行が許可されます。この機能によって、仮想マシンで使用しているCPU機能に関係なく、仮想マシンをプール間で自由に移動できるようになります。ワークロードバランスを使用して、仮想マシンを移行するのに最適な移行先サーバーを選択すると、互換性のない機能セットが使用されているサーバーは、移行先サーバーとして推奨されません。

注:

プールの新しい機能セットを使用して実行中の仮想マシンを更新するには、仮想マシンの電源をオフにしてから再び開始する必要があります。XenCenterで[再起動]をクリックするなどして仮想マシンを再起動しても、仮想マシンの機能セットは更新されません。

共有プールストレージ

リソースプールには、1つ以上の共有ストレージリポジトリを設定します。これはリソースプールにおける厳格な技術的要件ではありませんが、そのメリットを生かすためには必須です。メリットには、仮想マシンの実行サーバーを動的に選択できたり、サーバー間で仮想マシンを動的に移行できたりすることが含まれます。

共有リポジトリを設定するまで、リソースプールを作成しないことをお勧めします。共有ストレージを追加したら、ローカルストレージ上にディスクを持つ仮想マシンを共有ストレージに移動できます。

共有ストレージリポジトリを持つサーバーがプールコーディネーターとして動作する場合、そのリポジトリがプールの共有ストレージリポジトリになります。プールコーディネーターに共有ストレージリポジトリがない場合は、そのリソースプールで使用される共有ストレージリポジトリを作成する必要があります。詳しくは、「新しいストレージリポジトリの作成」を参照してください。

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