ワークロードバランス仮想アプライアンスの管理
この記事では、次の内容について説明します:
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ワークロードバランスを使って仮想マシンを最適なホスト上で起動する
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ワークロードバランスによる推奨項目を適用して仮想マシンを別のホストに移動する
注:
ワークロードバランス機能は、 Citrix Hypervisor Premium Editionユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops権限によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorのライセンスをアップグレードまたは購入するには、シトリックスWebサイトにアクセスしてください。
ワークロードバランスの基本タスク
ワークロードバランスは高機能なCitrix Hypervisorコンポーネントであり、使用中の環境内のワークロードを最適化できるさまざまな機能を備えています。以下のタッチ操作が含まれます。
- ホストの電源管理
- 最適化モードのスケジュール化
- レポート生成
管理者は、各リソース負荷の測定基準を微調整して、適切な最適化推奨項目が生成されるようにワークロードバランス機能を設定できます。
ただし、ワークロードバランスが有効なリソースプールでは、管理者は日常的に以下の2つの基本タスクを実行することになります:
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仮想マシンの起動に最適なサーバーを決定する
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ワークロードバランスにより提示された推奨項目を適用する
もう1つの一般的なタスクであるワークロードレポートの生成については、ワークロードレポートの生成を参照してください。
仮想マシンの起動に最適なサーバーを決定する
仮想マシンの再配置機能を使用すると、どのホストで仮想マシンを起動するかを指定できます。この機能により、電源がオフになっている仮想マシンを再起動したり、別のホストへ仮想マシンを移行したりすることができます。この機能は「配置推奨項目」と呼ばれ、Citrix Virtual Desktops環境でも有用です。
ワークロードバランスの推奨項目を適用する
ワークロードバランスをしばらく使用すると、環境を最適化するための推奨項目が生成されるようになります。たとえば、プール内で必要最小限のホストを稼働させるために、仮想マシンを特定のホスト上に集約するように提案する推奨項目が生成されます。自動モードを有効にしていない場合、これらの推奨項目を適用するかどうかを管理者が選択できます。
XenCenterのこれらの基本タスクについては、以下のセクションで詳しく説明します。
重要:
ワークロードバランスをしばらく使用しても意図したとおりに配置推奨項目が生成されない場合は、パフォーマンスしきい値の設定を再評価してください。この評価については、「推奨項目を生成するしくみ」で説明されています。運用環境に合ったしきい値を設定することで、より適切な最適化推奨項目が作成されるようになります。
仮想マシンに最適なホストを選択する
ワークロードバランスを有効化してオフラインの仮想マシンを再起動すると、XenCenterにより、仮想マシンの起動に最適なプールメンバーが提案されます。推奨起動サーバーは、星の数で示されます。
推奨起動ホストとは、ワークロードのホストとして最適な物理サーバーを指します。ワークロードバランスは、以下の点を考慮して推奨起動ホストを決定します:
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プール内の各ホストで使用可能なリソースの量。最適化モードとしてパフォーマンスの最大化が選択されている場合、すべての仮想マシンが良好なパフォーマンスで動作するように、各ホスト上にバランスよく仮想マシンを配置しようとします。密度の最大化が選択されている場合は、仮想マシンのリソースを維持したまま、ホスト上により多くの仮想マシンを配置しようとします。
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プールで選択されている最適化モード([パフォーマンスの最大化]または[密度の最大化])。パフォーマンスの最大化が選択されている場合、その仮想マシンが必要とするリソースの負荷が最も低いホストにその仮想マシンが配置されます。密度の最大化が選択されている場合、別の仮想マシンが既に実行されているホストに仮想マシンが配置されます。このアプローチにより、仮想マシンは可能な限り少ないホストで実行されます。
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仮想マシンで必要とされるリソースの量とタイプ。ワークロードバランスは仮想マシンのメトリックを利用し、仮想マシンが必要とするリソースの種類に応じて推奨起動ホストを決定します。たとえば、ワークロードバランスでは、仮想マシンが必要とする場合、使用可能なCPUは少ないが使用可能なメモリが多いホストを選択する場合があります。
ワークロードバランスを有効化すると、XenCenterにより、仮想マシンの起動に最適なホストが評価されます。この評価は、以下の場合にも提供されます:
- 電源オフの仮想マシンを起動するとき
- 一時中止中の仮想マシンを起動するとき
- 別のホストに仮想マシンを移行するとき(移行およびメンテナンスモード)
この機能では、推奨ホストの評価が星の数で示されます。ホスト名の横に白抜きの星(☆)が5つ表示される場合は、仮想マシンのホストとして最も不適切であることを意味します。ホストで仮想マシンを起動、またはホストへ仮想マシンを移行できない場合、[起動サーバー]メニューコマンドで該当するホスト名が灰色で表示されます。ホスト名の横に、ホストで仮想マシンを使用できない理由が表示されます。
通常、ワークロードバランスで推奨されたホスト上で仮想マシンを起動すると、より効率的に推奨項目が生成され、不要な推奨項目が生成されなくなります。ホストの推奨項目に従う場合は、[起動サーバー]メニューから横に表示される星の数が1番多いホストを選択します。
最適なサーバーで仮想マシンを起動するには
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XenCenterの[リソース]ペインで、起動する仮想マシンを選択します。
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[VM] メニューから [サーバーで起動] を選択し、次のいずれかを選択します:
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最適なサーバー。選択した仮想マシンで要求されるリソースを持つ、ホストとして最も適したサーバーです。ワークロードバランスでは、パフォーマンス測定値の履歴レコードと選択されている最適化モードに基づいて最適なサーバーが決定されます。最適なサーバーの名前には、最も多くの星が表示されます。
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[最適なサーバー] コマンドの下で星による評価が付けられているサーバーの1つ。5つの星が表示されるサーバーは最も推奨されるサーバー(最適なサーバー)を示し、5つの白抜きの星が表示されるサーバーは推奨されないサーバーを示します。
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ヒント:
[リソース]ペインで仮想マシンを右クリックして[起動サーバー]を選択することもできます。
最適なサーバーで仮想マシンを再開するには
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XenCenterの[リソース]ペインで、再開する仮想マシンを選択します。
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[VM] メニューから [サーバー上の再開] を選択し、次のいずれかを選択します:
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最適なサーバー。選択した仮想マシンで要求されるリソースを持つ、ホストとして最も適したサーバーです。ワークロードバランスでは、パフォーマンス測定値の履歴レコードと選択されている最適化モードに基づいて最適なサーバーが決定されます。最適なサーバーの名前には、最も多くの星が表示されます。
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[最適なサーバー] コマンドの下で星による評価が付けられているサーバーの1つ。5つの星が表示されるサーバーは最も推奨されるサーバー(最適なサーバー)を示し、5つの白抜きの星が表示されるサーバーは推奨されないサーバーを示します。
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ヒント:
[リソース]ペインで仮想マシンを右クリックして[再開サーバー]を選択することもできます。
最適化推奨項目の適用
ワークロードバランスでは、リソースプールを最適化するために仮想マシンをどのように再配置(移行)すべきであるかというアドバイスが推奨項目として生成されます。最適化推奨項目は、XenCenterの[WLB最適化]タブに表示されます。
ワークロードバランスでは、以下の条件に基づいて推奨項目が生成されます:
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管理者が設定した最適化モード。
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物理ホスト上のCPU、メモリ、ネットワーク、およびディスクについて収集されたパフォーマンス測定値。
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リソースプール内でのホストの役割。プールマスター上に仮想マシンを配置する推奨項目は、ほかのホスト上への配置が不可能な場合のみ生成されます。同様に、最適化モードとして密度の最大化が選択されているプールでは、仮想マシンの移行先としてプールマスターが選択されるのは最後になります。
[最適化の推奨項目]には以下の情報が表示されます:
- ワークロードバランスで再配置が推奨される仮想マシンの名前
- 仮想マシンが現在存在するホスト
- 新しい配置先としてワークロードバランスが推奨するホスト
また、仮想マシンの再配置が推奨される理由も示されます。たとえば、推奨理由がCPU使用率の場合は「CPU」と表示されます。ワークロードバランスの電源管理が有効な場合は、電源を投入または切断すべきホストも示されます。この推奨項目は、特に集約化に関するものです。
[すべて実行]をクリックすると、Citrix Hypervisorは[最適化の推奨項目]の一覧に表示されたすべての処理を実行します。
ヒント:
プールの最適化モードを確認するには、XenCenterで目的のプールを選択します。[WLB]タブの[構成]セクションに、この情報が表示されます。
最適化推奨項目を適用するには
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XenCenterの[リソース]ペインで、推奨項目を確認するリソースプールを選択します。
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[WLB]タブをクリックします。選択したリソースプールの最適化が必要な場合は、[WLB]タブの[最適化の推奨項目]に内容が表示されます。
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推奨項目を適用するためには、[すべて実行]をクリックします。Citrix Hypervisorにより、[最適化の推奨項目]の[操作]列のすべての処理が実行されます。
[すべて実行]をクリックすると、XenCenterは自動的に[ログ]タブを表示し、仮想マシンの移行状況を確認できます。
高可用性環境でのワークロードバランス
ワークロードバランス機能とCitrix Hypervisorの高可用性機能が有効なリソースプールでは、これらの2つの機能が相互にどのように影響するかを理解する必要があります。ワークロードバランスは、高可用性機能と競合しないように設計されています。ワークロードバランスで生成される推奨項目と高可用性設定が競合する場合は、常に高可用性機能の設定が優先されます。つまり、以下のようになります:
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仮想マシンの移行先として高可用性プランで許可されないホストは、ワークロードバランスでは推奨起動ホストとして表示されません。
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[高可用性の構成] ダイアログボックスの[許可する障害数]ボックスの値を超える数のホストは、ワークロードバランスにより自動的に電源が切断されることはありません。
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ただし、電源を切断することが推奨項目として提示される場合があります(たとえば、高可用性で許可する障害数として1が設定されている場合に、ワークロードバランスにより2台のホストのシャットダウンが推奨されることがあります)。この推奨項目を適用しようとすると、XenCenterに「高可用性が保証されなくなる」という内容のエラーメッセージが表示されます。
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自動モードでワークロードバランスが動作する場合は、電源管理を有効にしても、高可用性で許可される障害数を超える数の推奨項目は無視されます。この場合、ワークロードバランスのログファイルに「高可用性が有効なため電源管理推奨項目を適用できない」という内容のメッセージが記録されます。
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ワークロードレポートの生成
このセクションでは、ワークロードバランスを使用して環境(ホストや仮想マシンなど)に関するレポートを生成する方法について説明します。以下の内容について説明します:
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レポートの生成方法
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ワークロードレポートの種類
注:
ワークロードバランス機能は、 Citrix Hypervisor Premium Editionユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops権限によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorのライセンスをアップグレードまたは購入するには、シトリックスWebサイトにアクセスしてください。
ワークロードレポートの概要
ワークロードバランスレポートを使用すると、リソースプールの能力を評価したり、仮想マシンのヘルス状態を確認したり、設定したパフォーマンスしきい値の有効性を評価したりできます。
ワークロードバランスでは、物理ホスト、リソースプール、および仮想マシンに関するレポートを生成できます。以下の2種類のレポートが作成されます:
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日別データを表示する履歴レポート
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特定の項目に関する概要情報を表示するロールアップスタイルのレポート
ワークロードバランスでは、仮想マシンの移行回数などを記録した監査用のレポートも作成できます。
プールヘルスレポートを使用して、設定したしきい値の有効性を評価できます。ワークロードバランスでは各パフォーマンスしきい値にデフォルト値が設定されますが、環境によっては調整が必要な場合があります。これを行わないと、ワークロードバランスで適切な推奨項目が生成されません。
ワークロードバランスレポートを生成するには、ワークロードバランス仮想アプライアンスをインポートして、リソースプールをその仮想アプライアンスに接続しておく必要があります。さらに、有用なレポートを作成するには、ワークロードバランスによるデータ収集が十分な期間行われている必要があります。
ワークロードバランスレポートの生成
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XenCenterで、[プール]メニューの[ワークロードレポートを表示]を選択します。
ヒント:
[WLB]タブの[レポート]をクリックすることでも、[ワークロードレポート]ダイアログボックスを開くことができます。
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[ワークロードレポート]ダイアログボックスの[レポート]ペインの一覧で、生成するレポートの種類を選択します。
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レポート期間の [開始日] と [終了日] を選択します。選択したレポートの種類によっては、[ホスト]ボックスの一覧でレポート対象のホストを選択します。
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[レポートの実行] をクリックします。レポートウィンドウにレポートが表示されます。各レポートの使用方法については、ワークロードバランスレポートの種類についてを参照してください。
ワークロードバランスレポートの使用
レポートを生成したら、ツールバーのボタンを使用してさまざまなタスクを実行できます。ツールバーのボタンの名前は、マウスポインタをそのボタンに合わせると表示されます。
ツールバーのボタン | 説明 |
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[ドキュメントマップ] ボタンをクリックすると、サイズの大きなレポートを表示するときに便利なドキュメントマップが開きます。 |
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[ページ操作] ボタンを使用して、レポートの次のページや前のページ、または特定のページを表示できます。 |
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[元のレポートに戻る] ボタンをクリックすると、ドリルスルーレポートから元のレポートに戻ります。注: このボタンは、プールヘルスレポートなどのドリルスルーレポートでのみ使用可能です。 |
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[生成停止] ボタンは、レポートの生成処理をキャンセルします。 |
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[印刷] ボタンでは、一般的な印刷オプションを指定してレポートを印刷できます。これらのオプションには次が含まれます:プリンター、ページ数、およびコピー数。 |
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[印刷レイアウト] ボタンをクリックすると、レポートの印刷プレビューを確認できます。印刷レイアウトを終了するには、もう一度[印刷レイアウト]ボタンをクリックします。 |
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[ページ設定] では、用紙サイズ、印刷の向き、余白などの印刷オプションを指定できます。 |
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[エクスポート] をクリックすると、Acrobat(PDF)形式またはExcel(XLS)形式のファイルとしてレポートをエクスポートできます。 |
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[検索] をクリックすると、仮想マシンの名前など、レポート内の特定の文字列を検索できます。 |
ワークロードバランスレポートの印刷
レポートを印刷するには、まずそのレポートを実行します。
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(オプション)[印刷レイアウト]ボタン(下図)をクリックして、印刷プレビューを確認します:
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(オプション)[ページ設定]ボタン(下図)をクリックして、用紙サイズ、印刷の向き、余白などの印刷オプションを指定します:
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[印刷]ボタン(下図)をクリックします:
ワークロードバランスレポートのエクスポート
ワークロードバランスレポートは、Acrobat(PDF)形式またはExcel(XLS)形式のファイルとしてエクスポートできます。
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レポートを生成したら、[エクスポート]をクリックします。
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[エクスポート]ボタンのメニューから、以下のいずれかを選択します。
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Excel
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Acrobat(PDF)ファイル
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注:
レポートをエクスポートする場合のデータ量は、エクスポート形式により異なります。Excelにエクスポートしたレポートには、「ドリルダウン」データを含め、レポートで利用可能なすべてのデータが含まれます。PDFにエクスポートしたレポート、およびXenCenterで表示するレポートに含まれるデータは、レポートの生成時に選択したもののみです。
ワークロードバランスレポートの種類について
ここでは、ワークロードバランスの各レポートについて説明します。
チャージバック使用解析
このレポート(「チャージバックレポート」)では、組織内の特定の部署で使用されたリソースの量を確認できます。具体的には、リソースプール内のすべての仮想マシンのアベイラビリティやリソース使用などの情報が含まれます。このレポートには仮想マシンのアップタイムが含まれるため、SLA(Service Level Agreement:サービス品質保証契約)に役立てることができます。
このレポートを使用して、課金用のシンプルなチャージバックソリューションを実装できます。特定のリソースについて顧客に課金するには、レポートを生成してExcelデータとして保存し、そのスプレッドシートを編集したり、組織の課金システムにインポートしたりできます。
組織内の部署または外部の顧客に仮想マシンの使用料を請求する場合は、仮想マシンの名前に部署や顧客の名前を含めることを検討します。これにより、チャージバックレポートが読みやすくなります。
このレポートのリソース関連のデータは、個々の仮想マシンへの物理リソースの割り当てにより異なる場合があります。
レポートのメモリの平均データは、そのときに仮想マシンに割り当てられていたメモリ量により異なります。Citrix Hypervisorでは、メモリ割り当てを固定したり、動的メモリ制御(DMC:Dynamic Memory Control)機能で自動化したりできます。
チャージバック使用解析レポートには、以下のデータ列が含まれます。
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仮想マシン名:仮想マシンの名前です。
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VMアップタイム:仮想マシンの実行時間(XenCenterで緑色のアイコンで表示される時間)を分単位で示したものです。
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vCPU割り当て:その仮想マシンに割り当てられている仮想CPUの数です。各仮想CPUには、そのホストの物理CPUから均等に割り当てられます。たとえば、物理CPUを2つ搭載した1台のホストに、仮想CPUを8個設定しているとします。[vCPU割り当て] 列の数値が「1」の場合、この値はホストの総処理能力の16分の2に相当します。
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最小CPU使用率(%):レポート期間内に記録された仮想CPU使用率の最小値です。仮想マシンの仮想CPU能力に対するパーセンテージとして示されます。この能力は、仮想マシンに割り当てられている仮想CPUの数に基づきます。たとえば、仮想マシンに仮想CPUを1つ割り当てている場合、[最小CPU使用率]には、記録された中で最も低い仮想CPUの使用率が表示されます。仮想マシンに2つの仮想CPUを割り当てている場合は、それらの合計能力に対する最小使用率が示されます。
この最小CPU使用率は、仮想CPUが処理した最小ワークロードを示します。たとえば、仮想マシンに仮想CPUを1つ割り当てており、ホストの物理CPUは2.4GHzである場合、仮想マシンには0.3GHzが割り当てられます。ここで [最小CPU使用率] が20%であった場合、この仮想マシンでの物理ホストCPUの最小使用量が60MHzであったことを示します。
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最大CPU使用率(%):レポート期間内に記録された仮想CPU使用率の最大値です。この値はその仮想マシンの仮想CPUの能力に対するパーセンテージで示され、仮想CPUの能力はその仮想マシンに割り当てられている仮想CPUの数に基づきます。たとえば、仮想マシンに1つの仮想CPUを割り当てた場合、その仮想CPU使用率の最大値がXenServerにより記録され、最大CPU使用率として示されます。仮想マシンに2つの仮想CPUを割り当てた場合は、それらの合計能力に対する最大使用率が示されます。
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平均CPU使用率(%):レポート期間内に記録された仮想CPU使用率の平均値です。この値はその仮想マシンの仮想CPUの能力に対するパーセンテージで示され、仮想CPUの能力はその仮想マシンに割り当てられている仮想CPUの数に基づきます。仮想マシンに2つの仮想CPUを割り当てた場合は、それらの合計能力に対する最大使用率が示されます。
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ストレージ割り当て合計(GB):レポート期間内にその仮想マシンに割り当てられていたディスク容量です。通常、この値は仮想マシンの作成時に割り当てたディスクのサイズを示します(作成後に変更していない場合)。
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仮想NIC割り当て:仮想マシンに割り当てられている仮想インターフェイス(VIF)の数です。
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現在の最小動的メモリ(MB):
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固定メモリ割り当て:仮想マシンに特定のメモリ量(1,024MBなど)を割り当てた場合、次の列には同じ値が表示されます:[現在の最小動的メモリ(MB)]、[現在の最大動的メモリ(MB)]、[現在のメモリ割り当て(MB)]、および[平均メモリ割り当て(MB)]。
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動的メモリ割り当て:動的メモリ制御を有効にした場合、Citrix Hypervisorは設定範囲内の最小メモリ量をこの列に表示します。範囲で設定している最小メモリが1,024MB、最大メモリが2,048 MBである場合、[現在の最小動的メモリ(MB)]列には「1,024MB」と表示されます。
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現在の最大動的メモリ(MB):
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動的メモリ割り当て:Citrix Hypervisorで範囲に基づいて仮想マシンのメモリが自動調整されている場合は、その範囲の最大メモリ量がこの列に表示されます。たとえば、範囲内の最小メモリ値が1,024MB、最大メモリ値が2,048MBである場合、[現在の最大動的メモリ(MB)]には「2,048MB」と表示されます。
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固定メモリ割り当て:仮想マシンに特定のメモリ量(1,024MBなど)を割り当てた場合、次の列には同じ値が表示されます:[現在の最小動的メモリ(MB)]、[現在の最大動的メモリ(MB)]、[現在のメモリ割り当て(MB)]、および[平均メモリ割り当て(MB)]。
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現在のメモリ割り当て(MB):
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動的メモリ割り当て:動的メモリ制御を有効にした場合、レポート対象期間内にCitrix Hypervisorが仮想マシンに割り当てたメモリ量が表示されます。
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固定メモリ割り当て:仮想マシンに特定のメモリ量(1,024MBなど)を割り当てた場合、次の列には同じ値が表示されます:[現在の最小動的メモリ(MB)]、[現在の最大動的メモリ(MB)]、[現在のメモリ割り当て(MB)]、および[平均メモリ割り当て(MB)]。
注:
仮想マシンのメモリ割り当てを変更した直後にこのレポートを実行した場合、この列には変更後の値が表示されます。
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平均メモリ割り当て(MB):
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動的メモリ割り当て:動的メモリ制御を有効にした場合、レポート期間内にCitrix Hypervisorが仮想マシンに割り当てたメモリ量の平均値が表示されます。
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固定メモリ割り当て:仮想マシンに特定のメモリ量(1,024MBなど)を割り当てた場合、次の列には同じ値が表示されます:[現在の最小動的メモリ(MB)]、[現在の最大動的メモリ(MB)]、[現在のメモリ割り当て(MB)]、および[平均メモリ割り当て(MB)]。
注:
仮想マシンのメモリ割り当てを変更した直後にこのレポートを実行した場合、この列の値に変更内容が反映されない場合があります。この列には、指定した期間での平均値が表示されます。
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平均ネットワーク読み取り(bps):レポート期間内に仮想マシンが受信したデータ量(1秒あたりのビット数)の平均値です。
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平均ネットワーク書き込み(bps):レポート期間内に仮想マシンが受信したデータ量(1秒あたりのビット数)の平均値です。
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平均ネットワーク使用(bps):平均ネットワーク読み取りと平均ネットワーク書き込みの合計データ量(1秒あたりのビット数)です。レポート期間における仮想マシンの平均送信速度が1,027bps、平均受信速度が23,831bpsである場合、[平均ネットワーク使用]にはこれらの値を合計した次の値が表示されます:24,858bps。
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ネットワーク使用合計(bps):レポート期間内に行われたネットワーク読み取りおよび書き込みトランザクションの合計値です。
ホストヘルス履歴
このレポートでは、特定のホスト上のリソース(CPU、メモリ、ネットワーク読み取り、およびネットワーク書き込み)のしきい値に対するパフォーマンスが示されます。
各しきい値は、色つきの線(赤、緑、黄色)で示されます。このレポートとプールヘルスレポートを使用して、特定ホストのパフォーマンスがリソースプールのパフォーマンスにどう影響しているかを評価できます。パフォーマンスしきい値を変更する場合は、このレポートでホストのパフォーマンスを確認します。
リソース使用のデータは、日別または時間別の平均値として表示できます。時間別の平均値では、その日のピーク時刻を確認できます。
時間別のデータを表示するには、[ホストヘルス履歴]の下の [クリックして特定期間内の時間別レポートデータを表示します]をクリックします。
このレポートには、指定した期間の時間別平均値が表示されます。つまり、データポイントは、指定期間のすべての日の特定時刻の平均使用量に基づいています。たとえば、2009年5月1日から2009年5月15日までのレポートの場合、[平均CPU使用率]のデータポイントはこの15日間の午後12時のすべてのリソース使用量を示します。値は平均値となります。5月1日の午後12時のCPU使用率が82%、5月2日の午後12時が88%、残りの日の午後12時がすべて75%だった場合、午後12時の平均値として76.3%が表示されます。
注:
ワークロードバランスでは、パフォーマンス測定値に急激な増加があっても平滑化されます。
プール最適化パフォーマンス履歴
このレポートでは、最適化イベントがリソースプールの平均リソース使用に対して示されます。最適化イベントとは、管理者がリソースプールを最適化したときのことを指します。このレポートに表示されるリソース使用は、CPU、メモリ、ネットワーク読み取り、およびネットワーク書き込みです。
点線は、指定した期間のプール内の平均リソース使用を示します。青いバーは、プールを最適化した日を示します。
このレポートを使用して、設定したワークロードバランスが意図したとおりに動作しているかどうかを評価できます。また、何が最適化イベントの原因になっているか(つまりワークロードバランスの推奨項目生成前のリソース使用)を確認できます。
このレポートに示されるのは、対象日の平均リソース使用量です。システムに高負荷がかかった場合などのピーク時のデータは表示されません。また、ワークロードバランスの推奨項目を適用しなかった場合のプールのパフォーマンスを確認することもできます。
通常、最適化イベントの後はリソース使用量は低下するか、または一定の値になります。最適化してもリソース使用が改善しない場合は、しきい値の調整を検討します。また、リソースプールに配置している仮想マシンが多すぎないかどうかや、指定期間内に仮想マシンの新規追加や削除を行っているかどうかを調べてください。
プール監査記録
このレポートには、Citrix Hypervisorの監査ログの内容が表示されます。監査ログはCitrix Hypervisorの一機能であり、承認されていないアクションの試みを記録し、承認するアクションを指定できます。こうしたアクションには以下のものがあります:
- インポートとエクスポート
- ホストとプールのバックアップ
- ゲストおよびサーバーからのコンソールへのアクセス
RBAC(Role Based Access Control:役割ベースのアクセス制御)機能での各Citrix Hypervisor管理者に役割を割り当てた環境では、このレポートでより詳しい情報を取得することができます。
重要:
監査ログレポートを実行するには、監査ログ機能を有効にする必要があります。デフォルトでは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの監査ログ機能が常に有効になっています。
プール監査記録レポートでは、監査ログレポートに収集されるデータの詳細度を指定できます。また、特定のユーザー、オブジェクト、および時間を指定して監査記録ログの内容を検索したりフィルタとして適用したりできます。[プール監査記録レポートのデータ量]は、デフォルトで [最小] に設定されています。この設定により、ユーザーおよびオブジェクトの種類についての限定された量のデータが収集されます。この設定は、レポートで必要な情報の詳細度に応じていつでも変更できます。[中] を設定すると、監査ログのユーザーフレンドリなレポートが生成されます。詳細レポートが必要な場合は、オプションを [最大] に設定します。
レポート項目
プール監査記録レポートに含まれる内容は以下のとおりです。
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時間:Citrix Hypervisorでのユーザーアクションの記録日時です。
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ユーザー名:そのアクションを実行したときのセッションを作成した管理者のユーザーアカウントです。ユーザーIDが表示される場合もあります。
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イベントオブジェクト:アクションの対象オブジェクト(仮想マシンなど)です。
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イベントアクション:アクションの内容です。詳しくは、「監査記録でのイベント名」を参照してください。
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アクセス:その管理者に当該アクションの実行が許可されていたかどうかが示されます。
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オブジェクト名:対象オブジェクトの名前(仮想マシン名など)です。
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オブジェクトUUID:対象オブジェクトのUUID(Universally Unique Identifier:汎用一意識別子)(仮想マシンのUUIDなど)です。
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成功:アクションの実行結果(成功したかどうか)を示します。
監査ログでのイベント名
監査ログレポートには、Citrix Hypervisorのイベントやイベントオブジェクトだけでなく、インポートやエクスポート、ホストやプールのバックアップ、仮想マシンやサーバーのコンソールへのアクセスなどの操作が記録されます。次の表は、Citrix Hypervisorの監査ログレポートおよびプール監査記録レポートに出力される主なイベントの一覧です。また、これらのイベントのその出力データの量も示しています。
プール監査記録レポートの[Event Action
]列には、プール、仮想マシン、またはサーバーに関するイベントが出力されます。何に関するイベントかを確認するには、[Event Object
]列と[Object Name
]列を参照してください。そのほかのイベントについては、Citrix Webサイトで公開されている『Citrix Hypervisor Management API』(英文)を参照してください。
プール監査記録でのデータ量 | イベントアクション | ユーザーアクション |
---|---|---|
最小 | pool.join |
新規プールへのホストの追加 |
最小 | pool.join_force |
プールへのホストの(強制)追加 |
中 | SR.destroy |
ストレージリポジトリの破棄 |
中 | SR.create |
ストレージリポジトリの作成 |
中 | VDI.snapshot |
VDIの読み取り専用スナップショットの作成(そのスナップショットへの参照を返す) |
中 | VDI.clone |
VDIの完全複製の作成(その新規ディスクへの参照を返す) |
中 | VIF.plug |
特定VIFのホットプラグ。実行中の仮想マシンに動的に接続 |
中 | VIF.unplug |
特定VIFのホットアンプラグ。実行中の仮想マシンから動的に接続解除 |
最大 | auth.get_subject_identifier |
人間が判読できるサブジェクト名からサブジェクト識別子を文字列として取得するための外部ディレクトリサービス照会 |
最大 | task.cancel |
タスクのキャンセルの要求 |
最大 | VBD.insert |
デバイスへの新規メディアの挿入 |
最大 | VIF.get_by_uuid |
指定UUIDによるVIFインスタンスへの参照取得 |
最大 | VDI.get_sharable |
指定VDIの共有可能フィールドの取得 |
最大 | SR.get_all |
システムで既知の全ストレージリポジトリ一覧の取得 |
最大 | pool.create_new_blob |
このリソースプールに関連付けられた名前付きバイナリBLOB用のプレースホルダー作成 |
最大 | host.send_debug_keys |
デバッグキーとしての指定文字列のXenへの送信 |
最大 | VM.get_boot_record |
仮想マシンの動的状態レコードの取得。仮想マシンの起動時に初期化され、実行時の構成内容の変更(CPUホットプラグなど)を反映して更新 |
プールヘルス
プールヘルスレポートには、リソースプールおよびそのホストでの時間およびリソースの使用率が表示されます。これらの情報は、限界しきい値、高しきい値、中しきい値、および低しきい値の平均パーセンテージで示されます。
このレポートの内容は以下のとおりです。
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[中しきい値の平均](青)は、最適化モードの設定にかかわらず、好ましいリソース使用を示します。同様に、円グラフの青い部分は、そのサーバーのリソース使用が良好だった期間を示します。
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[低しきい値の平均(%)](緑)は、必ずしも好ましいリソース使用を示すとは限りません。低しきい値のリソース使用が好ましいかどうかは、最適化モードの設定によって異なります。最適化モードとして[密度を最大化]を選択したリソースプールで、ほとんどの期間のリソース使用が緑で示される場合、ワークロードバランスでホストまたはプールの仮想マシンの密度が最大化されていないことが考えられます。この場合は、リソース使用の多くが[中しきい値の平均](青)で示されるようになるまで、パフォーマンスしきい値を調整します。
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[限界しきい値の平均(%)](赤)は、平均リソース使用が限界しきい値以上になった期間を示します。
サーバーのリソース使用の円グラフをダブルクリックすると、XenCenterでそのサーバーのリソースについてのホストヘルス履歴レポートが表示されます。プールヘルス履歴レポートに戻るには、ツールバーの [元のレポートに戻る] をクリックします。
このレポートで示される値の大半が[中しきい値の平均]の範囲に収まらない場合は、このリソースプールのパフォーマンスしきい値を調整します。ワークロードバランスでは各パフォーマンスしきい値にデフォルト値が設定されますが、環境によっては調整が必要な場合があります。これを行わないと、ワークロードバランスで適切な推奨項目が生成されません。詳しくは、「しきい値の変更」を参照してください。
プールヘルス履歴
このレポートでは、リソースプール内のすべての物理サーバーのリソース使用が線グラフで示されます。これにより、しきい値(限界、高、中、および低)に関して、リソースの使用傾向を確認できます。このレポートのデータポイントの傾向を監視することで、設定したパフォーマンスしきい値の効果を評価できます。
ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続時に管理者設定したしきい値(限界しきい値)に基づいて、高、中、および低しきい値の範囲が決定されます。プールヘルス履歴レポートはプールヘルスレポートに似ていますが、表示されるのは日別の平均リソース使用量です。各しきい値状態で動作した期間は示されません。
[平均空きメモリ]グラフを除き、データポイントの平均値が限界しきい値(赤線)以下に維持される必要があります。[平均空きメモリ]グラフの場合は、データポインタの平均値が限界しきい値(グラフの最下部)を下回ることはありません。これは、このグラフが空きメモリを示すためで、ほかのリソースのしきい値とは異なり、許容最小値を限界しきい値として設定するためです。
このレポートの内容は以下のとおりです。
-
平均使用量のグラフが[中しきい値の平均](青線)に近い場合、リソース使用量は適切です。この表示は、最適化モードの設定に依存しません。
- [低しきい値の平均](緑)に近い場合は、必ずしも好ましいリソース使用を示すとは限りません。低しきい値のリソース使用が好ましいかどうかは、最適化モードの設定によって異なります。以下のような場合があります:
- 最適化モードを[密度の最大化]に設定している。
- 平均使用量のグラフが多くの日で緑線以下である これらの場合、ワークロードバランスでプールの仮想マシンの密度が最大化されない可能性があります。この場合は、リソース使用の多くが[中しきい値の平均](青)で示されるようになるまで、プールの低しきい値を調整します。
- リソースの平均使用のグラフが[限界しきい値の平均(%)](赤)と交差する個所は、リソースの平均使用が限界しきい値以上になった日を示します。
グラフのデータポイントが[中しきい値の平均]範囲外に表示されているものの、プールで良好なパフォーマンスが得られる場合は、パフォーマンスしきい値の調整を検討します。詳しくは、しきい値を変更するを参照してください。
プールの最適化履歴
プールの最適化履歴レポートでは、ワークロードバランスによる最適化処理の内容が時系列で示されます。
最適化処理は、グラフおよび表で示されます。表の[日付]列の[+]をクリックすると、その日に実行された最適化処理の詳細が表示されます。
このレポートの内容は以下のとおりです。
-
仮想マシン名:ワークロードバランスにより最適化された仮想マシンの名前です。
-
理由:最適化の理由です。
-
方法:最適化処理が成功したかどうかを示します。
-
移行元:仮想マシンの移行元の物理サーバーです。
-
移動先:仮想マシンの移行先の物理サーバーです。
-
時間:最適化処理の実行時刻です。
ヒント:
プールの最適化履歴レポートは、[WLB]タブの[履歴を表示]をクリックすることでも生成できます。
仮想マシン移動履歴
この線グラフでは、リソースプールでの仮想マシンの移動(移行)数が示されます。仮想マシンの移行が推奨項目を適用した結果なのかどうか、および移行先のホストが表示されます。また、このレポートでは移行理由も示されます。このレポートを使用して、リソースプールの仮想マシンの移行を監査できます。
このレポートの内容は以下のとおりです。
-
グラフの左側の数値は可能な移行数を示します。この値は、リソースプール内の仮想マシンの数に基づいています。
-
レポートの[日付]列の[+]をクリックすると、その日に実行された移行処理の詳細が表示されます。
仮想マシンパフォーマンス履歴
このレポートでは、特定ホスト上の各仮想マシンのパフォーマンスデータが示されます。ワークロードバランスでは、仮想マシンに割り当てられた仮想リソースの量に基づいてパフォーマンスデータが評価されます。たとえば、仮想マシンの平均CPU使用率が67%の場合、対象期間に平均で仮想マシンの仮想CPUの67%が使用されたことになります。
このレポートの初期表示では、指定した期間でのリソース使用の平均値が示されます。
[+]をクリックすると、各リソースの線グラフが表示されます。これにより、特定期間でのリソースの使用傾向を確認できます。
このレポートには、CPU使用率、空きメモリ、ネットワーク読み取り/書き込み、およびディスク読み取り/書き込みのデータが表示されます。
ワークロードバランスの機能と設定の管理
このセクションでは、ワークロードバランスの設定を必要に応じて変更する方法について説明します。以下の操作が含まれます:
-
最適化モードを変更する
-
電源を自動的に最適化および管理する
-
しきい値を変更する
-
測定基準の重要度を変更する
-
特定のホストを推奨項目の対象から除外する
-
詳細な自動処理オプション、およびデータストレージを設定する。
-
プール監査記録レポートのデータ量設定を変更する。
このセクションの内容は、ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続が完了しているリソースプールを想定しています。ワークロードバランスを使用するために必要なワークロードバランス仮想アプライアンスの入手および設定について詳しくは、「導入」を参照してください。また、ワークロードバランス仮想アプライアンスにリソースプールを接続する方法については、ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続を参照してください。
ワークロードバランス設定の変更
ワークロードバランス仮想アプライアンスに接続したら、再配置や推奨項目を計算するための設定を変更できます。
変更可能な最適化設定および再配置設定には以下のものがあります:
- 最適化モードの設定の変更
- 自動最適化および電源管理の設定
- パフォーマンスしきい値および測定基準の重要度の変更
- ホストの除外
ワークロードバランスの設定は、リソースプールに属するすべてのホストおよび仮想マシンに適用されます。
ネットワークやディスクのパフォーマンスがその環境のハードウェアに適したものである場合は、まずデフォルトの設定でワークロードバランスを使用します。
ワークロードバランス機能をしばらく運用した後で、パフォーマンスのしきい値を評価して、変更の必要性について検討することをお勧めしています。たとえば、以下の場合に設定の変更を検討します:
-
推奨項目が必要以上に生成される。この場合、適切な推奨項目が生成されるようになるまでしきい値を調整します。
-
意図したとおりに推奨項目が生成されない。たとえば、ネットワーク帯域幅が十分でないにもかかわらず推奨項目が生成されない場合は、設定の変更が必要がどうかを検討します。この場合、適切な推奨項目が生成されるようになるまでネットワークのしきい値を下げます。
しきい値を変更する前に、リソースプール内の各物理ホストについてホストヘルスレポートを作成することをお勧めします。
ワークロードバランス設定を変更するには、XenCenterの[ワークロードバランス設定]ダイアログボックスを使用します。
Citrix Hypervisorとワークロードバランスサーバーとの通信で使用される資格情報を変更する方法については、ワークロードバランス設定ファイルの編集を参照してください。
XenCenterのインフラストラクチャペインで、[XenCenter]> your-pool
。
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
[WLB] タブの [設定] をクリックします。
最適化モードを変更する
ワークロードバランスでは、仮想マシンの実行によるワークロードを再配置(つまり最適化)するための推奨項目が生成されます。この推奨項目は、管理者が選択する再配置設定に基づいて計算されます。再配置設定は、最適化モードとも呼ばれます。
最適化モードには、以下の2つがあります。
-
パフォーマンスを最大化:(デフォルト)リソースプール内のすべての物理ホスト上に仮想マシンを均等に配置します。これにより、すべてのホストのCPU、メモリ、およびネットワーク負荷を最小化できます。この最適化モードでは、ホストが高しきい値に達すると最適化の推奨項目が生成されます。
-
密度を最大化:リソースプール内で稼働する物理ホストの数を最小化するために、1台の物理ホスト上に可能な限り多くの仮想マシンを配置します。
この最適化モードでは、[パフォーマンスを最大化]を選択した場合と同様のしきい値を使用できます。ただし、これらのしきい値は、1台のホストにどれだけ多くの仮想マシンを配置できるかを評価するために使用されます。この最適化モードでは、仮想マシンが低しきい値に達すると最適化の推奨項目が生成されます。
これらの最適化モードは、永続的に適用(固定)したり、特定のスケジュールに基づいて適用(スケジュール指定)したりできます。
-
最適化モードを固定すると、ワークロードバランスでは指定した最適化操作が常に行われます。この操作には、パフォーマンスの最大化か、密度の最大化を設定できます。
-
最適化モードのスケジュールを指定すると、指定したスケジュールに基づいてモードを切り替えることができます。たとえば、多くのエンドユーザーが作業する日中にはパフォーマンスを最大化するモードを適用します。使用電力を抑えるために、夜間は密度を最大化するモードを適用できます。
最適化モードのスケジュールを指定すると、その期間(曜日および時刻)に最適化モードが自動的に切り替わります。毎日、平日、週末、または特定の曜日を指定できます。また、特定の時刻を指定することもできます。
XenCenterの[リソース]ペインで、[XenCenter]> your-pool
。
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
[WLB]タブの[設定]をクリックします。
左側のペインで[最適化モード]をクリックします。
[最適化モード]ページの[固定]セクションで、いずれかの最適化モードを選択します。
-
パフォーマンスを最大化:(デフォルト)リソースプール内のすべての物理ホスト上に仮想マシンを均等に配置します。これにより、すべてのホストのCPU、メモリ、およびネットワーク負荷を最小化できます。
-
密度を最大化:1台の物理サーバー上に可能な限り多くの仮想マシンを配置します。これにより、リソースプール内で稼働する物理サーバーの数を最小化できます。ワークロードバランスでは、集約された仮想マシンのパフォーマンスも考慮され、ホストのリソースが限界しきい値に達すると、パフォーマンスを改善するための推奨項目が生成されます。
XenCenterのインフラストラクチャペインで、[XenCenter]> your-pool
。
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
[WLB]タブの[設定]をクリックします。
ダイアログボックス左側の[最適化モード]をクリックします。
[最適化モード]ページで、[スケジュール指定]をクリックします。これにより、[スケジュール指定]セクションが使用可能になります。
[新規追加]をクリックします。
[モード]ボックスで、いずれかの最適化モードを選択します。
-
パフォーマンスを最大化:リソースプール内のすべての物理ホスト上に仮想マシンを均等に配置します。これにより、すべてのホストのCPU、メモリ、およびネットワーク負荷を最小化できます。
-
密度を最大化:1台の物理サーバー上に可能な限り多くの仮想マシンを配置します。これにより、リソースプール内で稼働する物理サーバーの数を最小化できます。
選択した最適化モードに切り替える曜日および時刻を選択します。
モード変更スケジュール(「タスク」)を必要な数だけ作成します。追加したタスクが1つのみの場合、そのスケジュールに基づいて切り替わった最適化モードが元に戻らなくなります。
[OK] をクリックします。
前述の手順1.~4.を実行して、[最適化モード]ページを開きます。
[スケジュール指定]の一覧で、削除または無効にするタスクを選択します。
次のいずれかを行います:
-
タスクを削除する:[削除] ボタンをクリックします。
-
タスクの一時的な実行を停止する:タスクを右クリックして [無効化] をクリックします。
ヒント:
- タスクの有効化と無効化の切り替えは、タスクを選択して [編集] をクリックし、[最適化モードのスケジュール] ダイアログボックスの [タスクを有効にする] チェックボックスを選択することで行うこともできます。
- 無効にしたタスクを有効にするには、タスクを右クリックして [有効化] を選択します。**
次のいずれかを行います:
-
編集するタスクを選択します。
-
[編集]をクリックします。
[変更先] ボックスで、別のモードを選択するか、必要に応じて他の変更を行います。
注:
[ワークロードバランス設定]ダイアログボックスで行った変更内容は、このダイアログボックスの[OK]を押すまで保存されません。たとえば、最適化モードの変更スケジュールを変更した後、[ワークロードバランス設定]ダイアログボックスで[キャンセル]をクリックすると、変更前の状態に戻ります。
電源を自動的に最適化および管理する
ワークロードバランスによる推奨項目が自動的に適用されるように設定することができ(ワークロードバランスの自動処理機能)、また、ホストの電源を自動的に投入したり切断したりすることもできます。余剰ホストの電源が自動的に切断されるようにするには、ワークロードバランスの電源管理機能を有効にして、さらに推奨項目を自動的に適用するオプションを有効にする必要があります。電源管理および自動化については、以降のセクションで説明します。
最適化推奨項目を自動的に適用する
ワークロードバランスで生成された推奨項目を、管理者の介在なしに自動的に適用することができます。この最適推奨項目の自動適用機能を使用すると、生成される推奨項目に基づいて、自動的にパフォーマンスを最適化したりサーバーの電源を切断したりできます。ただし、仮想マシンの使用が減少したときにホストの電源を落として消費電力を抑えるには、自動処理のほか、電源管理と密度の最大化モードを設定する必要があります。
デフォルトでは、推奨項目は自動的には適用されません。生成された推奨項目が自動的に適用(実行)されるようにするには、自動処理機能を有効にします。この機能を有効にしない場合は、[すべて実行]をクリックして推奨項目を手動で適用する必要があります。
ワークロードバランスで生成された推奨項目が高可用性の設定と競合する場合、その推奨項目は自動的には適用されません。推奨項目の適用によりプールがオーバーコミット状態になる場合は、XenCenterにそれを適用するかどうかを確認するメッセージが表示されます。自動処理を有効にしても、高可用性で許可する障害数を超える数の電源管理推奨項目は無視され、自動的には適用されません。
自動処理機能が有効なワークロードバランスは、自動モードとも呼ばれます。
自動モードのワークロードバランスで推奨項目がどのように適用されるかを変更することができます。詳しくは、「推奨項目の自動適用の積極度」を参照してください。
ワークロードバランスによる電源管理の有効化
ワークロードバランスの電源管理機能は、リソースプールの全体的なワークロードに応じて物理ホストの電源を投入したり切断したりするための機能です。
ホスト上でワークロードバランスの電源管理を構成するには、以下の作業が必要です:
-
ホストのハードウェアがリモートからの電源投入/切断をサポートしている。
-
ホストの電源投入機能が設定されている。
-
ホストが電源管理の対象として明示的に選択されている。
また、ワークロードバランスでホストの電源を自動的に切断する場合は、以下の設定を行う必要があります:
-
最適化推奨項目を自動的に適用する
-
電源管理推奨項目を自動的に適用する
プール内で使用されていないリソースがワークロードバランスにより検出された場合、容量の超過が解消されるまでホストの電源を切断するよう求める推奨項目が作成されます。プール内のホスト容量が不足しておりホストの電源を切断できない場合は、プールのワークロードが十分に減少するまでホストを放置するように求められます。余剰ホストの電源を自動的に切断するように設定した場合は、電源を切るための推奨項目が自動的に適用されます。
電源管理の対象ホストを指定すると、そのホストの電源を投入したり切断したりするための推奨項目が生成されます。 [パフォーマンスを最大化]モードに設定している場合は次のようになります:
- ホストの電源を自動で切断するようにワークロードバランスを設定している場合は、ホストのリソース使用量が[高]のしきい値を超えるとホストの電源が切断されます。
- ワークロードバランスにより電源投入されたホストの電源は、リソースに余剰が生じても切断されません。
これらの電源管理推奨項目の自動処理を有効にする場合、リソースプール全体に適用されます。ただし、電源管理の対象ホストは個別に選択できます。
電源管理のしくみ
ワークロードバランスによりホストの電源が切断される前に、そのサーバー上の仮想マシンの移行先ホストが選択されます。移行先ホストは、以下の順序で決定されます:
-
プールマスターが最初の移行先ホストになります。これは、プールマスターの電源が切断されることがないためです。
-
次に、より多くの仮想マシンを実行しているホストが選択されます。
-
以降、実行している仮想マシンの数が多いホストから順番に選択されます。
ワークロードバランスでプールマスターに仮想マシンを移行する場合、意図的に低いしきい値が使用されます。これにより、プールマスターが過負荷状態になるのを防ぎます。
この順序で仮想マシンをホストに移行することで、密度が高くなります。
最適化モードとして密度の最大化が選択されているプールでパフォーマンスに関する問題が検出されると、ワークロードバランスは電源投入済みのホスト間での仮想マシンの移行を推奨して問題を解決しようとします。この方法で問題が解決されない場合、シャットダウン状態のホストの電源を投入します。このとき、最適化モードとして[パフォーマンスの最大化]が設定された場合と同じ条件に基づいて、電源投入するホストが決定されます。
このとき、最適化モードとしてパフォーマンスの最大化が選択された場合と同じ条件に基づいて、電源投入するホストが決定されます。
仮想マシンを移行しているときに、オンライン状態のホストを増やすことでプール全体のパフォーマンスが改善するとワークロードバランスが判断した場合、自動的にホストの電源を投入したり、電源投入の推奨項目を生成したりします。
重要:
ワークロードバランスでは、推奨項目により電源が切断されたホストに対してのみ、電源投入の推奨項目を生成します。
電源管理および仮想マシン集約のための環境設計
Citrix Hypervisorを実装して電源管理と仮想マシン集約を自動化する場合は、以下の点を考慮して環境を設計します。
-
異なる種類のワークロードを個別のプールに配置する。異なる種類のワークロードを実行する場合は、それらのワークロードに対応する仮想マシンを個別のプールに配置することを検討します。また、特定の種類のハードウェアでパフォーマンスが向上するタイプのアプリケーションをホストする仮想マシンを別のプールに分割することも検討してください。
電源管理機能および仮想マシンの集約はプールレベルで管理されるため、同じ比率で集約するワークロードが含まれるようにプールを設計します。この際には、「推奨項目の自動適用の制御」で説明されている点などを考慮に入れてください。
-
特定のホストをワークロードバランスから除外する。ホストの中には、常に電源をオンにしておく必要があるものもあります。詳しくは、特定のホストを推奨項目の対象から除外するを参照してください。
最適化推奨項目を自動的に適用するには
-
XenCenterのインフラストラクチャペインで、[XenCenter]>
your-pool
。 -
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
-
[WLB] タブの [設定] をクリックします。
-
ダイアログボックス左側の [自動処理] をクリックします。
-
以下のオプションを設定します。
-
最適化推奨項目を自動的に適用する:このチェックボックスをオンにすると、管理者の介在なしに最適化推奨項目を適用できます。ワークロードバランスにより自動的に最適化が行われ、仮想マシンが再配置されます。
-
電源管理推奨項目を自動的に適用する:このチェックボックスによる動作は、リソースプールの最適化モードにより異なります。
-
パフォーマンスの最大化モード:[電源管理推奨項目を自動的に適用する] チェックボックスをオンにすると、ホストのパフォーマンスを改善するためにオフラインホストの電源が自動的に投入されます。
-
密度の最大化モード:[電源管理推奨項目を自動的に適用する] チェックボックスをオンにすると、リソース使用量が[低]しきい値を下回ったホストの電源が自動的に切断されます。つまり、ホストは使用量が低い期間において、自動的に切断されることになります。
-
-
-
(オプション)[ワークロードバランス設定]ダイアログボックスの[詳細]jページで、以下のオプションを設定します:
-
最適化推奨項目が自動的に適用されるまでの作成回数を指定します。デフォルトでは、同じ推奨項目が3回生成された場合、3回目の推奨項目が自動的に適用されます。
-
自動的に適用する最適化推奨項目の最低重要度レベルを選択します。デフォルト値は[高]です。
-
最適化推奨項目をどれだけ積極的に自動適用するかを指定します。
また、移行したばかりの仮想マシンを最適化推奨項目に含めるまでの時間を分単位で指定できます。
これらのオプションについて詳しくは、推奨項目の自動適用の積極度を参照してください。
-
-
次のいずれかを行います:
-
電源管理機能を設定するには、[自動処理]ページを開き、電源管理用のホストを選択するにはの説明に従います。
-
電源管理を構成せずに自動化の構成が完了した場合は、[OK] をクリックします。
-
電源管理用のホストを選択するには
-
[自動処理]ページの[電源管理]セクションで、ワークロードバランスの電源管理推奨項目の対象となるホストを選択します。
注:
[電源管理推奨項目を自動的に適用する] チェックボックスをオフにしたままこの一覧でホストを選択した場合、電源管理の推奨項目の提案は行われますが、自動的には適用されません。
-
[OK] をクリックします。リソースプール内にリモートからの電源管理をサポートするホストがない場合、ワークロードバランスの電源管理機能は動作しません。
推奨項目を生成するしくみ
ワークロードバランスでは、リソースプール内の物理ホストや仮想マシンのリソース負荷の測定基準が、そのしきい値と照合され評価されます。これらのしきい値は事前に設定されており、この値を超えると最適化の推奨項目が生成されます。事前設定値は[最高]に設定されています。ワークロードバランスでは、以下のプロセスで推奨項目を生成します:
-
リソースの負荷がしきい値を超えたことを検出する。
-
最適化の推奨項目を生成するかどうかを評価する。
-
移行先として適切なホストを決定する。このホストには、1つまたは複数の仮想マシンの再配置先として推奨されるホストが選ばれます。
-
推奨項目を生成する。
ワークロードバランスは、最適化が必要であることを検出すると、推奨項目を作成する前にプール内のほかのホストを評価して、以下について決定します:
- 最適化を行う順番(対象ホスト、対象仮想マシン)
- 推奨項目の作成時に推奨する仮想マシンの移行先ホスト
これら2つのタスクを行うため、ワークロードバランスでは以下のしきい値および重要度が使用されます:
-
しきい値:ワークロードバランスでプール内のリソース負荷の測定基準と照合される境界値です。推奨項目を生成するかどうか、および仮想マシンの移行先ホストを決定するために使用されます。
-
重要度:リソース負荷の各測定基準を評価するときの優先度で、この優先度に従って評価されます。ワークロードバランスは、推奨事項を決定した後、リソースの重要度に従って以下を決定します:
- どのホストのパフォーマンスを優先するか
- どの仮想マシンの移行を優先するか
ワークロードバランスで収集される各リソース負荷には、4つのレベルのしきい値(限界、高、中、および低)があります。これらのしきい値により、推奨項目を生成するかどうかが評価されます。
-
最適化モードとしてパフォーマンスの最大化が選択されているリソースプールでは、ホストの高しきい値を超えるリソース負荷が検出されると、仮想マシンを分散する推奨項目の生成が評価されます。
-
最適化モードとして密度の最大化が選択されているリソースプールでは、リソース負荷がホストの低しきい値を下回ると、仮想マシンを集約する推奨項目の生成が評価されます。
-
最適化モードとして密度の最大化が選択されているリソースプールでは、ホストの限界しきい値を超えるリソース負荷が検出されると、仮想マシンを分散する推奨項目の生成が評価されます。
たとえば、パフォーマンスの最大化が選択されたリソースプールで高しきい値が80%の場合、ホストのCPU使用率が80.1%に達すると、仮想マシンを分散する推奨項目を生成するかどうかが評価されます。
推奨項目を生成するかどうかを評価するときに、そのリソース測定基準の履歴も考慮されます。これにより、一時的な高負荷時などに推奨項目が生成されることを防ぐことができます。このため、ワークロードバランスは以下のタイミングでデータを収集し、履歴平均値測定基準を作成します。
データが収集される期間 | 重要度 |
---|---|
しきい値を超えた直後(つまりリアルタイムのデータ) | 70% |
しきい値を超える30分前 | 25% |
しきい値を超える24時間前 | 5% |
午後12時2分にあるホストのCPU使用率がしきい値を超えた場合、当日の午前11時32分と前日の午後12時2分の使用率がチェックされます。たとえば、CPU使用率が以下のとおりである場合には、推奨項目は生成されません:
- 当日午後12時2分に80.1%
- 当日午前11時32分に50%
- 前日午後12時32分に78%
これは、履歴平均値が72.47%であり(高しきい値に達していない)、一時的なCPU負荷であると判断されたためです。ただし、午前11時32分の使用率が78%であった場合は、履歴平均値が80.1%になるため推奨項目が生成されます。
仮想マシンの分散および集約のプロセス
ワークロードバランスで推奨項目が生成されるときのプロセスは、最適化モード(パフォーマンスの最大化または密度の最大化)により異なります。ただし、以下の2つの段階で行われる点は同じです:
-
潜在的な最適化を決定する(そのホストから移行する仮想マシンの決定)。
-
再配置の推奨項目を決定する(仮想マシンの移行先ホストの決定)。
注:
ワークロードバランスは、移行先に十分なストレージ領域があるかどうかなど、Citrix Hypervisorでのライブマイグレーションの要件を満たす仮想マシンに対してのみ最適化を行います。同様に、移行先のホストには、プールに設定されている最適化モードに基づいたしきい値を超えない範囲で仮想マシンを実行できるだけのリソースが必要です。たとえば、パフォーマンスの最大化では高しきい値以下、密度の最大化では限界しきい値以下などです。
ワークロードバランスが自動モードで動作する場合は、推奨項目を自動適用するときの設定を調整します。詳しくは、推奨項目の自動適用の積極度を参照してください。
パフォーマンスの最大化が選択されている場合の推奨化項目の生成プロセス
パフォーマンスの最大化モードで実行すると、ワークロードバランスが以下のプロセスによって潜在的な最適化を決定します:
-
ワークロードバランスは、リソースプール内の各ホストのリソース使用を2分ごとに評価して、各ホストの各リソースに対する負荷が高しきい値を超えているかどうかをチェックします。高しきい値について詳しくは、しきい値を変更するを参照してください。
パフォーマンスの最大化が選択されているリソースプールでリソースの負荷が高しきい値を超えると、推奨項目を生成すべきかどうかの決定プロセスが開始されます。このときに、パフォーマンスの制約(高しきい値を超えたリソースの負荷など)が軽減されるかどうかを評価して、仮想マシンを分散させるための推奨項目を生成します。
たとえば、ホストAのCPUリソースが足りないために仮想マシンのパフォーマンスが低下している場合を考えます。CPU使用量の少ない別のホストがあった場合には、このホストへ仮想マシンを1つ以上移行するように求める推奨項目が生成されます。
- ホストのリソース負荷がしきい値を超えたときに、以下の値から平均値(履歴平均値)を算出します:
- そのときの測定値
- 30分前のデータ
- 24時間前のデータ この平均値がリソース負荷のしきい値を超えている場合に、最適化の推奨項目を生成します。
-
どのホストを先に最適化するかを決定するときに、測定基準の重要度が考慮されます。最も高い重要度を割り当てたリソースの負荷に基づいて、最適化の順番が決定されます。測定基準の重要度については、測定基準の重要度を変更するを参照してください。
-
移行する仮想マシンをサポートできるホストを決定します。
このときに、仮想マシンのさまざまな組み合わせをホスト上に配置した場合のリソースへの影響を計算します(順列と呼ばれる方法が使用されます)。
この目的のため、ワークロードバランスは、ホストに仮想マシンを移行した場合の影響を予測するための単一の測定基準(スコア)を作成します。このスコアにより、そのホストがより多くの仮想マシンの受け入れ先として適しているかどうかが示されます。
ホストのパフォーマンスの評価では、以下の測定基準が集計されます:
- ホストの現在の測定値
- 30分前のホストの測定値
- 24時間前のホストの測定値
- 仮想マシンの測定値
-
次に、さまざまな組み合わせで仮想マシンを実行した場合を想定して、ホストの仮想モデルを作成します。このモデルにより、仮想マシンの移行先として最適なホストが決定されます。
パフォーマンスの最大化が選択されているリソースプールでは、測定基準の重要度に基づいて最初に最適化するホストおよび最初に移行する仮想マシンを決定します。ワークロードバランスは、測定基準の重要度に関するモデルに基づいています。たとえば、CPU使用率に最も高い重要度が設定されている場合は、以下の基準でホストと仮想マシンの最適化の優先度が決定されます:
- CPU使用率の影響を最も強く受けるホスト(現在のCPU使用率がしきい値に最も近いホスト)
- CPU使用率が最も高い仮想マシン(現在のCPU使用率がしきい値に最も近い仮想マシン)
- ワークロードバランスは最適化の計算を続行します。ホストの予測リソース使用量が高しきい値を下回るまで、ホストを潜在的な最適化の対象とみなし、仮想マシンを移行の対象とします。予測リソース使用量とは、ワークロードバランスにより仮想マシンを追加または削除されたホストで測定されると想定されるリソース負荷を指します。
密度の最大化が選択されている場合の仮想マシンの集約プロセス
ワークロードバランスの推奨項目は、移行先のホストで限界しきい値を超えずに追加の仮想マシンを実行できるかどうかに基づいて生成されます。
-
リソース負荷が低しきい値を下回ると、ワークロードバランスは潜在的な集約シナリオの計算を開始します。
-
仮想マシンを集約できる方法を見つけたら、その集約先ホストが仮想マシンの実行に適しているかどうかを評価します。
-
パフォーマンスの最大化の場合と同様に、ホストのスコアを作成します。
WLBは、より少ないホストで仮想マシンを統合することを推奨する前に、仮想マシンがホストに再配置された後、それらのホストのリソース使用率が限界しきい値を下回っていることを確認します。
注:
測定基準の重要度は、仮想マシンを集約する推奨項目を生成するときには考慮されません。この重要度は、集約先ホストで十分なパフォーマンスを得るためだけに考慮されます。
-
次に、さまざまな組み合わせで仮想マシンを実行した場合を想定して、ホストの仮想モデルを作成します。このモデルにより、仮想マシンの移行先として最適なホストが決定されます。
-
ホストのリソース負荷が限界しきい値を超えると予測されるまで、そのホストに仮想マシンを追加した場合の影響について計算します。
-
集約の推奨項目では、プールマスターが最初の移行先ホストになります。これは、プールマスターの電源が切断されることがないためです。ただし、プールマスターが過負荷状態になるのを避けるため、いくらかの余裕を残して仮想マシンを移行します。
-
すべてのホストでリソース負荷が限界しきい値を超えるまで、推奨項目の生成を続行します。
しきい値を変更する
最適化の推奨項目の生成を制御するために、限界しきい値を変更できます。このセクションでは、以下に関するガイダンスを示します:
- プール内のホストで使用されるデフォルトの限界しきい値の変更方法
- 高しきい値、中しきい値、低しきい値に対する限界しきい値の影響
リソース負荷の履歴平均値がそのしきい値を超えると、ワークロードバランスで推奨項目が生成されます。パフォーマンスの最大化モードでは高しきい値、密度の最大化モードでは低しきい値または限界しきい値を超えたときに、ワークロードバランスの推奨項目が生成されます。詳しくは、仮想マシンの分散および集約のプロセスを参照してください。リソースの新しい限界しきい値を指定すると、ワークロードバランスはその新しい限界しきい値に応じてリソースのその他のしきい値をリセットします。(XenCenterで変更できるのは限界しきい値のみです)。
次の表は、各しきい値のデフォルト値を示しています。
測定基準 | 重大 | 高 | 中 | 低 |
---|---|---|---|---|
CPU使用率 | 90% | 76.5% | 45% | 22.5% |
空きメモリ | 51MB | 63.75MB | 510MB | 1020MB |
ネットワーク読み取り | 25MB/秒 | 21.25MB/秒 | 12.5MB/秒 | 6.25MB/秒 |
ネットワーク書き込み | 25MB/秒 | 21.25MB/秒 | 12.5MB/秒 | 6.25MB/秒 |
ディスク読み取り | 25MB/秒 | 21.25MB/秒 | 12.5MB/秒 | 6.25MB/秒 |
ディスク書き込み | 25MB/秒 | 21.25MB/秒 | 12.5MB/秒 | 6.25MB/秒 |
限界しきい値に以下の係数を乗じたものが、メモリを除くすべてのしきい値として設定されます:
-
高しきい値:0.85
-
中しきい値:0.50
-
低しきい値:0.25
たとえば、CPU使用率の限界しきい値を95%に変更した場合、高、中、および低のしきい値がそれぞれ80.75%、47.5%、および23.75%に変更されます。
空きメモリのしきい値は、限界しきい値に以下の係数を乗じたものが使用されます。
-
高しきい値:1.25
-
中しきい値:10.0
-
低しきい値:20.0
特定のしきい値についてこの計算を行うには、限界しきい値として指定した数値にこれらの数を乗じます。
高、中、または低しきい値=限界しきい値*しきい値
たとえば、[ネットワーク読み取り]のしきい値を40MB/秒に変更した場合、低しきい値は40×0.25=10MB/秒となります。中しきい値は40×0.50で計算できます。
多くの推奨項目は限界しきい値に基づいて生成されますが、ほかのしきい値により推奨項目が生成される場合もあります。
-
高しきい値。
-
パフォーマンスを最大化。高しきい値を超えたときに、仮想マシンをリソース負荷の低いホスト上に移行するための推奨項目が生成されます。
-
密度を最大化。追加の仮想マシンによりホストのいずれかのリソース使用量が高しきい値を超える場合、そのホスト上に仮想マシンを移行する推奨項目が生成されなくなります。
-
-
低しきい値。
-
パフォーマンスを最大化。推奨項目は生成されません。
-
密度を最大化。測定基準値が低しきい値を下回ると、仮想マシンをそのホスト上に集約するための推奨項目が生成されます。そのホストのいずれかのリソース負荷が高しきい値に達するまで、仮想マシンの集約先としてそのホストの推奨が続行されます。
ただし、仮想マシンの移行後に、新しいホストのリソース負荷が限界しきい値を超える場合があります。この場合は、パフォーマンスの最大化の場合と同様のロードバランスアルゴリズムにより、仮想マシンの新しい集約先が決定されます。リソースプール内のすべてのサーバーのリソース負荷が高しきい値を下回るまで、このアルゴリズムによる推奨項目の生成が続行されます。
-
しきい値を変更するには
-
XenCenterのインフラストラクチャペインで、[XenCenter]>
your-resource-pool
。 -
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
-
[WLB] タブの [設定] をクリックします。
-
左側のペインで、[しきい値]を選択します。これらの値は、現在設定されている限界しきい値を示します。
-
[しきい値]ページでは、リソース使用量の限界しきい値を1つまたは複数設定できます。新しい限界しきい値に基づいて、高、中、および低しきい値が算出されます。
ワークロードバランスでは、仮想マシンの推奨再配置先を計算するときに、これらの限界しきい値が使用されます。各サーバーのリソース使用がこれらのしきい値を超えないように、仮想マシンによるワークロードを分散できます。
測定基準の重要度を変更する
ワークロードバランスでは、次の最適化モードに基づいて、どのホストや仮想マシンを先に最適化するかを決定するときに、各リソース測定基準の重要度が考慮されます:パフォーマンスの最大化または密度の最大化。
ワークロードバランスが最適化推奨項目を生成するときに、ホストを最適化するための順番が算出されます。高い重要度が割り当てられている測定基準の値が比較され、ホストを最適化するための順番が決定されます。
通常、測定基準の重要度は、最適化モードとしてパフォーマンスの最大化が選択されているリソースプールで使用されます。ただし、密度の最大化が選択されている場合でも、限界しきい値を超えた測定基準では、その重要度が考慮されます。
パフォーマンスの最大化モード
[パフォーマンスの最大化] が選択されているリソースプールでは、ワークロードバランスで、測定基準の重要度により、どのホストのパフォーマンスを先に最適化するか、およびどの仮想マシンを先に移行するかが決定されます。
たとえば、[ネットワーク書き込み]を[重要度:高]に設定している場合、ネットワーク書き込み回数が最も多いホストが先に最適化の対象になります。[ネットワーク書き込み]を最重要として設定するには、[測定基準の重要度] スライダを右に設定し、ほかのスライダはすべて中央に設定します。
すべての測定基準の重要度が同じ場合、CPU使用率、空きメモリの順に考慮されます。これは、これらのリソースに対する制約がホストのパフォーマンスに大きく影響するためです。すべてのリソースの重要度を同じにするには、すべてのリソースの [測定基準の重要度] スライダーを同じ位置にします。
密度の最大化モード
密度の最大化が選択されているリソースプールでは、ホストが限界しきい値に達した場合にのみ測定基準の重要度が考慮されます。ホストが限界しきい値に達すると、すべてのホストが限界しきい値を下回るまで、パフォーマンスの最大化と同じアルゴリズムが使用されます。このアルゴリズムでは、測定基準の重要度に基づいて、ホストを最適化するための順番が決定されます。
つまり、複数のホストで限界しきい値を超えている場合、その重要度がチェックされ、先に最適化するホストが決定されます。この場合には、重要度に基づいて、最初に最適化するホストと最初に移行する仮想マシンが決定されます。
たとえば、ホストAとホストBで構成されるリソースプールを例に説明します:
-
ホストAではCPU使用率に最も高い重要度が設定されており([重要度:高])、CPU使用率が限界値を超えています。
-
ホストBではメモリ使用率の重要度が最も低く設定されており([重要度:低])、メモリ使用率が限界値を超えています。
この場合、高い重要度の測定基準が限界しきい値に達しているサーバーAが先に最適化の対象になります。次に、サーバーA上の仮想マシンのうち、CPU使用率の最も高いものを移行するための推奨項目が作成されます。CPU使用率の重要度が最も高いため、仮想マシンの移行はCPU率が一番高い仮想マシンから行われます。
ホストAに対する推奨項目を生成したら、ホストBが最適化の対象になります。ホストB上の仮想マシンに対しても、CPU使用率の最も高いものを移行するための推奨項目が作成されます。
リソースプールにほかのサーバーがある場合は、サーバーのCPU使用率が高いものから順に最適化が行われます。
デフォルトでは、すべての測定基準の重要度はスライダーの最も遠いポイント ([重要度:高]) に設定されます。
注:
測定基準の重要度は、相対的に処理されます。つまり、すべての測定基準の重要度が同じ場合、その重要度レベルは意味を持ちません。重要度の相対的な高低により、各測定基準の評価が決定されます。
測定基準の重要度を変更するには
-
停止します。
-
XenCenterのインフラストラクチャペインで、[XenCenter]>
your-resource-pool
。 -
[WLB]タブの[設定]をクリックします。
-
左側のペインで、[側的基準の重要度]を選択します。
-
[測定基準の重要度]ページでは、必要に応じて各リソースの重要度を調節できます。
スライダを[重要度:低]側にドラッグすると、そのリソースの負荷は仮想マシンの再配置先の決定には影響しなくなります。
推奨項目からのホストの除外
ワークロードバランスを構成する際、特定の物理ホストをワークロードバランスの最適化および配置推奨項目から除外するように指定できます。これには、[開始時の配置推奨項目]も含まれます。
以下の状況では、特定のホストを推奨項目の対象から除外することを検討してください:
-
プールの最適化モードとして[密度の最大化]を使用するが、特定のホストをこの最適化(仮想マシンの集約化とホストのシャットダウン)から除外する場合。
-
2つの仮想マシンワークロードを常に同じホスト上で実行する必要がある場合(仮想マシンどうしのアプリケーション、ワークロードが相補的な場合など)。
-
移行すべきでないワークロードがある場合(ドメインコントローラやデータベースサーバーなど)。
-
ホストの保守作業の間、そのホストをプールのネットワークに接続しておく必要がある場合。
-
ハードウェアのコストよりもワークロードのパフォーマンスの方が重要な場合。
-
特定のホスト上で優先度の高いワークロード(仮想マシン)を実行し、それらの仮想マシンに高可用性機能の優先度を設定したくない場合。
-
プール内のワークロードの実行に不適切なハードウェアを持つホストがある場合。
最適化モードのスケジュールを設定するかどうかに関係なく、最適化モードが変更されても除外サーバーは常に推奨項目の対象から除外されます。このため、ホストの電源が自動的に切断されるのを防ぐためだけの場合は、そのホストに対する電源管理機能を無効にすることを検討します。詳しくは、電源を自動的に最適化および管理するを参照してください。
ホストを推奨項目の対象から除外すると、そのホストがワークロードバランスの管理対象外になります。このように設定した場合、このホストに対する推奨項目は生成されなくなります。これに対し、特定のホストが電源管理の対象外であっても、そのホストに対する、電源管理以外の推奨項目が生成されます。
特定のホストをワークロードバランスから除外するには
ワークロードバランスによる電源管理、仮想マシンの配置、ホスト評価、およびプールの最適化に関する推奨項目から特定のホストを除外するには、以下の手順に従います。
-
XenCenterの[リソース]ペインで、[XenCenter]>
your-resource-pool
。 -
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
-
[WLB] タブの [設定] をクリックします。
-
左側のペインで、[除外ホスト]を選択します。
-
[除外ホスト] ページで、ワークロードバランスの推奨項目から除外するホストサーバーを選択します。
推奨項目の自動適用の制御
ワークロードバランスの推奨項目を自動的に適用する機能(自動処理機能)には、いくつかの詳細設定オプションが用意されています。これらのオプションは、[ワークロードバランス設定]ダイアログボックスの[詳細]ページに表示されます。
XenCenterの[リソース]ペインで、[XenCenter]> your-resource-pool
。
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
[WLB] タブの [設定] をクリックします。
左側のペインで、[詳細設定]を選択します。
推奨項目の自動適用の積極度
自動モードで実行する場合、最適化と集約化の推奨項目の頻度と、それらが自動的に適用されるまでの時間は、以下に示すような複数の要因に基づきます:
-
移行後の仮想マシンを次の推奨項目に含めるまでの時間
-
推奨項目を自動的に適用するまでの作成回数(VM移行間隔)
-
推奨項目を自動適用するときの最低重要度レベル(最適化の重要度)
-
推奨項目を自動適用するときの推奨項目の一貫性レベル(移動する仮想マシンや移動先サーバーとして同じものが推奨されるかどうか)
重要:
通常、上記要素の設定変更は以下の場合にのみ行うようにしてください:
- Citrixテクニカルサポートからの指示がある場合
- ワークロードバランスを有効化した状態でプールの挙動を詳細にテストする場合
これらの設定を誤って構成すると、ワークロードバランスが推奨項目を生成しないことがあります。
VM移行間隔
移行後の仮想マシンについて、ワークロードバランスの最適化推奨項目に含めるまでの時間を分単位で指定できます。
仮想マシンの移行間隔は、人為的な操作(一時的な高負荷時など)が原因で推奨項目が生成されるのを防ぐために設定します。
ワークロードバランスの自動処理機能を有効にした場合は、仮想マシンの移行間隔を特に慎重に決定する必要があります。継続的および反復的に負荷が増加する環境で頻度を増やす(小さい値を設定する)と、多くの推奨項目が生成され、仮想マシンの再配置が頻繁に発生します。
注:
この設定は、前回と同じホストを仮想マシンの起動または再開先ホスト、および保守モードの推奨項目に含むかどうかの決定には影響しません。
推奨項目の回数
ワークロードバランスでは、そのリソースプールで推奨項目の生成が必要かどうかが2分ごとにチェックされます。ワークロードバランスの自動処理機能では、推奨項目をいくつ生成したら自動的に適用するかを指定できます。これを行うには、[推奨項目の回数]を設定します。[推奨項目の回数]と[最適化の積極度] 設定を使用すると、環境内の推奨項目の自動適用を微調整できます。
上記の「推奨項目の自動適用の積極度」で説明したように、ワークロードバランスでは、推奨項目の類似性に基づいて以下のチェックを行います:
- 推奨項目が必要かどうか
- 仮想マシンの移行先ホストのパフォーマンスが長時間安定しているかどうか(移行先ホストが安定していないと仮想マシンの再移行が必要になるため)
[推奨項目の回数]では、推奨項目を自動適用するまでの作成回数を指定します。同じ推奨項目の生成がこの回数に達すると、その推奨項目が自動的に適用されます。
この設定は、以下のように使用されます:
-
推奨項目の回数は、[最適化の積極度]で指定した一貫性要件を満たす推奨項目が生成されるたびに増加します。一貫性要件を満たさない推奨項目が生成されると、(最適化の積極度で説明されている要因によっては)推奨項目の回数が0にリセットされます。
-
一貫性要件を満たす推奨項目の生成数(連続推奨数)が[推奨項目の回数]の値に達すると、その推奨項目が自動的に適用されます。
この設定を変更する場合は、その環境に最適な値を決定する必要があります。以下のシナリオを検討してください:
-
ホストの負荷およびアクティビティが極端に急増する環境では、[推奨項目の回数]の値を大きくします。推奨項目の生成が必要かどうかは、2分ごとにチェックされます。推奨化項目を適用するまでの作成回数として3を設定すると、6分後に推奨項目が自動適用されます。
-
ホストの負荷およびアクティビティが段階的に増加する環境では、[推奨項目の回数]の値を小さくします。
推奨項目を適用すると仮想マシンの再配置処理が発生し、システムリソースに負担がかかってパフォーマンスが影響を受けます。[推奨項目の回数]の値を大きくすると、推奨項目が自動適用されるまでに、同様の推奨項目が多く生成されることになります。つまり、より慎重で一貫した推奨項目だけが適用され、仮想マシンが不適切に移行される可能性が低くなります。デフォルトでは、このような値が設定されています。
この値の変更は運用環境への影響が大きいため、変更する場合は必ず細心の注意を払ってください。変更する場合は、ワークロードバランスの動作について詳細にテストするか、Citrixテクニカルサポート担当者からの指示に従ってください。
最適化の重要度
すべての最適化推奨項目には、推奨項目の重要度を示す重大度(重大、高、中、低)が含まれています。この重要度レベルは、以下の要素を組み合わせて決定されます:
- 設定されているオプション(パフォーマンスしきい値や重要度など)
- ワークロードで使用可能なリソース
- リソース使用履歴データ
推奨項目の重要度レベルは、[WLB]タブの[最適化の推奨項目]の一覧に表示されます。
ワークロードバランスの推奨項目が自動的に適用されるように設定した場合、指定した最低重要度レベルを満たす推奨項目だけが適用されます。
最適化の積極度
自動モードで動作するワークロードバランスでは、推奨項目の一貫性を判断するためのいくつかの基準が使用されます。これは、一時的または異常な負荷の増加により仮想マシンの移行が行われないようにするためのものです。自動モードでは、最初に生成された推奨項目は自動適用されません。ホストや仮想マシンでその動作が継続的に発生することが検出されるまで、自動適用は行われません。つまり、同じホストや仮想マシンが原因で推奨項目が生成される場合、その推奨項目は一貫していると判断されます。
ワークロードバランスでは、一貫性を判断するための条件と、同じ推奨項目をいくつ生成したかにより、その環境の動作の一貫性が決定されます。一貫性をどれだけ厳密に評価するかを制御するには、[最適化の積極度]を設定します。
この[最適化の積極度]設計は、主にデモ用として設計したものですが、このオプションにより運用環境の安定性を制御することができます。デフォルトでは、積極度が低く設定されています。積極度を高くすると、推奨項目の類似性を評価するときの厳密度が低くなり、運用環境の安定性が低下します。多くの場合、高い積極度は適切ではありません。このため、デフォルトでは[低]が設定されています。
ワークロードバランスは、最大で4つの条件を使用して推奨項目の一貫性を判断します。使用される条件の数は、[最適化の積極度] で設定されている積極度レベルにより異なります。積極度レベルが[低]または[中]の場合、推奨項目は積極的には自動適用されません。つまり、積極度レベルが低いと最適化条件が厳密に評価され、それらに合致しないと自動適用は行われません。
たとえば、積極度レベルとして[低]を設定すると、このレベルの条件に合致する推奨項目の数が[推奨項目の回数]の値に達するまで、その推奨項目は自動適用されません。
[推奨項目の回数]に「3」を設定した場合、低レベル用のすべての条件に合致する推奨項目が連続して3回生成されたときに、その推奨項目が自動適用されます。この設定により、長時間安定して動作している最適なホストに仮想マシンが移行されるようになり、移行先ホストのパフォーマンスの低下によりその仮想マシンが再移行されるという可能性が低くなります。デフォルトでは、積極度レベルとして[低]が設定されています。
[最適化の積極度]を高くしてホストの最適化頻度を上げることは推奨していません。サーバーの最適化がより高速または頻繁に行われるようにするには、パフォーマンスしきい値の調整を検討します。この調整では、プールヘルスレポートを参考にしてください。
各積極度レベルでは、以下の条件を評価して推奨項目の一貫性が判断されます。
低:
-
後続の推奨項目に含まれる仮想マシン(UUID)が、直前の推奨項目とすべて同じである。
-
後続の推奨項目で、移行先ホストがすべて同じである。
-
最初の推奨項目とその直後の推奨項目が同じである(異なる場合、連続推奨数が1にリセットされる)。
中:
-
後続の推奨項目に含まれるすべての仮想マシンが、直前の推奨項目と同じホスト上で動作している。ただし、最初の推奨項目と異なる仮想マシンであっても構わない。
-
後続の推奨項目で、移行先ホストがすべて同じである。
-
最初の推奨項目と後続の2つの推奨項目のいずれかが同じである(異なる場合、連続推奨数が1にリセットされる)。
高:
-
推奨項目に含まれるすべての仮想マシンが同じホスト上で動作している。ただし、各推奨項目の仮想マシンが互いに異なっていても構わない。
-
仮想マシンの移動元ホストが、各推奨項目で同じである。
-
最初の推奨項目の後続の2つの推奨項目が異なっていても、連続推奨数は1にリセットされない。
例
ここでは、[最適化の積極度]と[推奨項目の回数]の設定が、推奨項目の自動適用にどのように影響するかについて例を挙げて説明します。
次の表で、最初の列は推奨項目の生成順を示します。「推奨項目」の列は、ワークロードバランスにより生成される推奨項目の内容(移行する仮想マシンと移行先ホスト)です。各推奨項目で、ホストA上の3つの仮想マシンの移行が推奨されています。右側の3つの列では、[最適化の積極度]の設定(高、中、低)により、推奨項目の回数(連続推奨数)がどのように増分されるかを示しています。各行のグループには、「推奨項目#1」のように番号が付けられます。これらの列の番号は、その積極度レベルでの連続推奨数です。たとえば、「推奨項目#2」行「積極度:中」列の「1」は、推奨項目#1と推奨項目#2の一貫性が十分でないことを示しています。このため、連続推奨数が1にリセットされています。
この表から、[最適化の積極度]で[高]を設定した場合、推奨項目#1、#2、および#3の連続推奨数が増分されることがわかります。この増分は、各推奨項目の内容が異なっている(異なる仮想マシンやホストが推奨されている)場合にも行われます。この場合、推奨項目#3が生成されたときに、[推奨項目の回数]で設定されている連続推奨数「3」に達しています。つまり、ホストAについて一貫した推奨項目が連続して3回生成されたとみなされ、推奨項目#3が自動適用されます。
これに対し、[最適化の積極度]で[低]を設定した場合、最初の4つの推奨項目(#1~#4)で連続推奨数が増分されていません。これらの推奨項目に含まれている仮想マシンおよび移行先ホストが異なるため、連続推奨数は1にリセットされます。この積極度レベルでは、推奨項目#4とまったく同じ内容の推奨項目#5が生成されるまで連続推奨数が増分されません。さらに、まったく同じ内容の推奨項目#6で連続推奨数が「3」に達するため、この推奨項目が自動適用されます。
推奨項目#1:
- VM1をホストAからホストBに移動
- VM3をホストAからホストBに移動
- VM5をホストAからホストCに移動
積極度:高、推奨項目の回数:1
積極度:中、推奨項目の回数:1
積極度:低、推奨項目の回数:1
推奨項目#2:
- VM1をホストAからホストBに移動
- VM3をホストAからホストCに移動
- VM7をホストAからホストCに移動
積極度:高、推奨項目の回数:2
積極度:中、推奨項目の回数:1
積極度:低、推奨項目の回数:1
推奨項目#3:
- VM1をホストAからホストBに移動
- VM3をホストAからホストCに移動
- VM5をホストAからホストCに移動
積極度:高、推奨項目の回数:3(適用)
積極度:中、推奨項目の回数:1
積極度:低、推奨項目の回数:1
推奨項目#4:
- VM1をホストAからホストBに移動
- VM3をホストAからホストBに移動
- VM5をホストAからホストCに移動
積極度:高、推奨項目の回数:2
積極度:低、推奨項目の回数:1
推奨項目#5:
- VM1をホストAからホストBに移動
- VM3をホストAからホストBに移動
- VM5をホストAからホストCに移動
積極度:中、推奨項目の回数:3(適用)
積極度:低、推奨項目の回数:2
推奨項目#6:
- VM1をホストAからホストBに移動
- VM3をホストAからホストBに移動
- VM5をホストAからホストCに移動
積極度:低、推奨項目の回数:3(適用)
最適化推奨項目の間隔を設定するには
-
XenCenterの[リソース]ペインで、[XenCenter]>
your-pool
。 -
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
-
[WLB] タブの [設定] をクリックします。
-
ダイアログボックス左側の [詳細] をクリックします。
-
[VM最適化間隔]セクションで、以下の設定を行います:
-
[分]ボックスに、移行後の仮想マシンを最適化推奨項目に含めるまでの時間を分単位で指定します。
-
[回]ボックスに、最適化推奨項目が自動的に適用されるまでの作成回数を指定します。
-
[最適化の重要度]で、最適化推奨項目の最低重要度レベルを指定します。このレベルに達すると、推奨項目が自動的に適用されます。
-
[最適化の積極度]で、最適化推奨項目をどれだけ積極的に自動適用するかを指定します。自動適用の積極度を高くすると、自動適用される推奨項目の一貫性(対象の仮想マシンや再配置先ホストなどの一貫性)が低下します。最適化の積極度の設定により、推奨項目の回数(つまり[回]ボックス)が直接入力されます。
注:
[回]に「1」と入力した場合、[最適化の積極度]は無視されます。
-
プール監査記録レポートのデータ量設定を変更するには
以下の手順に従って、データ量設定を変更します。
-
[インフラストラクチャ]ビューでプールを選択して[WLB]タブをクリックし、[設定]をクリックします。
-
ダイアログボックス左側の [詳細] をクリックします。
-
[詳細]ページの [プール監査記録レポートのデータ量] の一覧から、データ量のオプションを選択します。
重要:
レポートで必要な情報の詳細度に適したオプションを選択してください。たとえば、[最小]に設定すると、特定のユーザーおよびオブジェクトの種類についての限定された量のデータのみが収集されます。[中] を設定すると、監査ログのユーザーフレンドリなレポートが生成されます。[最大] に設定すると、監査ログの詳細なレポートが生成されます。ただし、これによりワークロードバランスサーバーでより多くのディスク領域およびメモリが消費される点に注意してください。
-
[OK]をクリックして変更を適用します。
XenCenterのオブジェクトに基づいたプール監査記録レポートを表示するには
次の手順で、選択したオブジェクトに基づいたプール監査記録のレポートを実行して表示します。
-
[プール監査記録レポートのデータ量]設定を設定した後、[レポート]をクリックします。[ワークロードレポート]ページが開きます。
-
左側のペインで[プール監査記録]を選択します。
-
[オブジェクト] リストから特定のオブジェクトを選択して、対象オブジェクトに基づいたレポートを実行して表示します。たとえば、リストから [ホスト] を選択して、ホストのみのレポートを取得します。
ワークロードバランスの管理
このセクションでは、次の内容について説明します:
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスの変更
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスからの切断とワークロードバランスの一時停止
-
データベースのグルーミング
-
設定オプションの変更
注:
ワークロードバランス機能は、Citrix Hypervisor Premium Editionユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops権限によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorのライセンスをアップグレードまたは購入するには、シトリックスWebサイトにアクセスしてください。
ワークロードバランスの管理と保守
ワークロードバランス機能をしばらく実行すると、その効果を最適に保つための保守・管理タスクが必要になる場合があります。たとえば、環境に変更があった場合(IPアドレスや資格情報の変更など)、ハードウェアをアップグレードした場合、および日常的な保守作業の結果これらのタスクが必要になります。
ワークロードバランスでは、以下の管理タスクが必要になることもあります。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続または再接続
-
プールで使用するワークロードバランス仮想アプライアンスの変更
-
ワークロードバランスユーザーアカウントの変更
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスの切断
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスの削除
-
役割ベースのアクセス制御(RBAC)の実装
ワークロードバランスの一部の動作は、設定ファイルwlb.confを使用して変更できます。
以降のセクションでは、ワークロードバランスデータベースを管理する方法についても説明します。
ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続
ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定が完了したら、管理対象のリソースプールをワークロードバランス仮想アプライアンスに接続します。これを行うには、コマンドラインインターフェイス(Command Line Interface:CLI)またはXenCenterを使用します。同様に、ある時点で同じ仮想アプライアンスに再接続する必要がある場合があります。
XenCenterでワークロードバランス仮想アプライアンスに接続するには、以下の情報が必要です。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスのホスト名(またはIPアドレス)とポート番号。
-
リソースプールにアクセスするための資格情報。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンス上で作成したアカウントの情報。このアカウントはワークロードバランスユーザーアカウントとも呼ばれます。 Citrix Hypervisorはこのアカウントをワークロードバランスとの通信に使用します。(このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成します)。
ワークロードバランス仮想アプライアンスのホスト名を指定する場合は、事前に仮想アプライアンスのホスト名およびIPアドレスをDNSサーバーに追加しておきます。
証明機関から入手した証明書を使用する場合は、有効期限のないIPアドレスまたはFQDNを使用することをお勧めします。
ワークロードバランスに接続した直後では、デフォルトのしきい値および設定に基づいてワークロードが最適化されます。自動最適化モード、電源管理、および自動処理などの自動化機能は、デフォルトでは無効になっています。
注:
ワークロードバランス機能は、 Citrix Hypervisor Premium Editionユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops権限によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorのライセンスをアップグレードまたは購入するには、シトリックスWebサイトにアクセスしてください。
リソースプールをワークロードバランス仮想アプライアンスに接続するには
-
XenCenterの[リソース]ペインで、[XenCenter]>
your-resource-pool
。 -
[プロパティ] ペインの [WLB] タブをクリックします。
[WLB]タブに[接続]ボタンが表示されます。
-
[WLB]タブの[接続]をクリックします。
[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスが表示されます。
-
[サーバーのアドレス]セクションで、以下の情報を入力します:
-
[アドレス]ボックスに、ワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレスまたはFQDN(
your-WLB-appliance-computername.yourdomain.net
など)を入力します。ヒント:
詳しくは、ワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレスを取得するにはを参照してください。
-
[ポート]ボックスにポート番号を入力します。このポートを使用して、Citrix Hypervisorがワークロードバランスと通信します
デフォルトでは、Citrix Hypervisorはワークロードバランスサーバー(この場合はWeb Service Hostサービス)にポート8012で接続します。ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時にポートを変更した場合は、そのポート番号を入力します。
注:
ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時にポート番号を変更した場合のみ、ここでポート番号を変更してください。[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスで指定するポート番号は、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に指定したもの(およびファイアウォール規則で指定したもの)と一致する必要があります。
-
-
[WLBサーバーの資格情報]で、ユーザー名(
wlbuser
など)とパスワードを入力します。これらの情報は、リソースプールがワークロードバランス仮想アプライアンスに接続するときに使用されます。これらの資格情報は、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成したものである必要があります。デフォルトのユーザー名は、
wlbuser
です。 -
[Citrix Hypervisorの資格情報]セクションで、プールにアクセスするためのユーザー名とパスワードを入力します。ワークロードバランスは、この情報を使用してリソースプールのCitrix Hypervisorサーバーに接続します。
現在ログイン中のCitrix Hypervisorと同じ資格情報を使用するには、[現在のXenCenterの資格情報を使用する]チェックボックスをオンにします。役割ベースのアクセス制御(RBAC)で役割を割り当てたアカウントを使用する場合は、そのアカウントにワークロードバランス機能の管理許可が付与されていることを確認してください。詳しくは、役割ベースのアクセス制御とワークロードバランスを参照してください。
-
プールをワークロードバランス仮想アプライアンスに接続すると、デフォルトの最適化設定でプールの監視が開始されます。ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続直後に最適化設定やリソースの優先度を変更する場合は、60秒以上(XenCenterのログに検出の完了が示されます)待機する必要があります。詳しくは、ワークロードバランス設定の変更を参照してください。
ワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレスを取得するには
-
XenCenterの[リソース]ペインでワークロードバランス仮想アプライアンスを選択して、[コンソール]タブをクリックします。
-
仮想アプライアンスにログインします。これを行うには、仮想アプライアンスのインポート時に作成したアカウント(root)とパスワードを使用します。
-
次のコマンドを実行します。
ifconfig
役割ベースのアクセス制御とワークロードバランス
役割ベースのアクセス制御(RBAC)が環境内に実装されている場合、すべてのユーザー役割で[WLB]タブを表示できます。ただし、実行可能なタスクは、管理者の役割によって異なります。次の表は、ワークロードバランス機能の各タスクを実行するために最低必要な役割を示しています。
タスク | 必要な役割 |
---|---|
WLBの構成、初期化、有効化、および無効化 | プールオペレーター |
ワークロードバランス最適化推奨項目の適用([WLB]タブで) | プールオペレーター |
WLBレポートサブスクリプションの変更 | プールオペレーター |
ワークロードバランス配置推奨項目の承諾(「星」付きの推奨) | VMパワー管理者 |
ワークロードバランスレポート(プール監査記録レポートを含む)の生成 | 読み取り専用 |
WLB構成の表示 | 読み取り専用 |
アクセス権の定義
各アクセス権の内容は以下のとおりです。
権限 | 許可されるタスク |
---|---|
WLBの構成、初期化、有効化、および無効化 | WLBの構成 |
WLBの初期化とWLBサーバーの変更 | |
WLBの有効化 | |
WLBを無効にする | |
ワークロードバランス最適化推奨項目の適用([WLB]タブで) | [WLB] タブに表示される最適化推奨項目の適用 |
WLBレポートサブスクリプションの変更 | 生成するWLBレポートおよびその送信先の変更 |
ワークロードバランス配置推奨項目の承諾(「星」付きの推奨) | ワークロードの配置先として(「星」で)提示された推奨サーバーからの選択 |
ワークロードバランスレポート(プール監査記録レポートを含む)の生成 | プール監査記録レポートを含むWLBレポートの表示および実行 |
WLB構成の表示 | [WLB] タブに表示されるプールのワークロードバランス設定の表示 |
必要な役割レベルが付与されていない管理者がワークロードバランスタスクを実行しようとすると、昇格用のダイアログボックスが開きます。役割ベースのアクセス制御について詳しくは、「役割ベースのアクセス制御」を参照してください。
ワークロードバランス仮想アプライアンスの状態の確認
ワークロードバランス仮想アプライアンスの状態を確認するには、service workloadbalancing status
コマンドを使用します。詳しくは、ワークロードバランスコマンドを参照してください。
プールで使用するワークロードバランス仮想アプライアンスの変更
必要な場合は、リソースプールのワークロードバランス仮想アプライアンスを変更できます。
この場合、変更後も古いワークロードバランス仮想アプライアンスによりプールのデータが収集されるのを防ぐため、事前に古い仮想アプライアンスを切断しておく必要があります。
プールで古いワークロードバランス仮想アプライアンスを切断したら、新しいワークロードバランス仮想アプライアンスの名前を指定して接続します。これを行うには、以下の手順に従います。
使用するワークロードバランス仮想アプライアンスを変更するには:
-
[プール]メニューの[ワークロードバランスサーバーの切断]を選択し、確認メッセージが表示されたら[切断]をクリックします。
-
[WLB]タブの[接続]をクリックします。[WLBサーバーへの接続] ダイアログボックスが表示されます。
-
[アドレス]ボックスに、新しいワークロードバランスサーバーのIPアドレスまたはFQDNを入力します。
-
[WLBサーバーの資格情報]セクションで、Citrix Hypervisorのリソースプール(プールマスター)がワークロードバランス仮想アプライアンスに接続するときに使用するユーザー名およびパスワードを入力します。
これらの資格情報は、このワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成したものである必要があります。デフォルトのユーザー名は、
wlbuser
です。 -
[Citrix Hypervisorの資格情報]セクションで、リソースプールにアクセスするためのユーザー名とパスワード(通常はプールマスターのパスワード)を入力します。これらの情報は、ワークロードバランス仮想アプライアンスがプールの各ホストに接続するときに使用されます。
現在ログイン中のCitrix Hypervisorと同じ資格情報を使用するには、[現在のXenCenterの資格情報を使用する]チェックボックスをオンにします。役割ベースのアクセス制御(Roll Based Access Control:RBAC)で役割を割り当てたアカウントを使用する場合は、そのアカウントにワークロードバランス機能の管理許可が付与されていることを確認してください。詳しくは、役割ベースのアクセス制御とワークロードバランスを参照してください。
ワークロードバランスの資格情報の変更
Citrix Hypervisorとワークロードバランス仮想アプライアンス間の通信で使用される資格情報を変更するには、以下のプロセスを実行します:
-
[WLB]タブで[一時停止]をクリックして、ワークロードバランス機能を一時停止します。
-
wlbconfig
コマンドを使用して、ワークロードバランスの資格情報を変更します。詳しくは、ワークロードバランスコマンドを参照してください。 -
ワークロードバランスを再有効化して、新しい資格情報を指定します。
-
進行状況バーが完了したら、[接続]をクリックします。
[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスが表示されます。
-
[資格情報を変更する]をクリックします。
-
[サーバーアドレス]セクションで、必要に応じて次の内容を変更します。
-
[アドレス] ボックスに、ワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレスまたはFQDNを入力します。
-
(オプション)ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時にポートを変更した場合は、そのポート番号を入力します。このポートにより、Citrix Hypervisorとワークロードバランスが通信します。
Citrix Hypervisorのデフォルトでは、ポート8012が指定されています。
注:
この値を変更するのは、ワークロードバランスの設定ウィザードで別のポート番号を指定した場合のみとしてください。[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスで指定するポート番号は、ワークロードバランスのインストールウィザードで指定したポート番号と同じである必要があります。
-
-
[WLBサーバーの資格情報]で、でワークロードバランスサーバーに接続するときにCitrix Hypervisorで使用するユーザー名(
wlbuser
など)およびパスワードを入力します。 -
[Citrix Hypervisorの資格情報]セクションで、リソースプールにアクセスするためのユーザー名とパスワード(通常はプールマスターのパスワード)を入力します。ワークロードバランスは、この情報を使用してCitrix Hypervisorのリソースプールのサーバーに接続します。
-
[Citrix Hypervisorの資格情報]セクションで、プールにアクセスするためのユーザー名とパスワードを入力します。ワークロードバランスは、この情報を使用してCitrix Hypervisorのリソースプールのサーバーに接続します。
現在ログイン中のCitrix Hypervisorと同じ資格情報を使用するには、[現在のXenCenterの資格情報を使用する]チェックボックスをオンにします。
ワークロードバランスのIPアドレスの変更
ワークロードバランスのIPアドレスを変更するには、以下の手順に従います。
-
ワークロードバランスサービスを停止します。これを行うには、ワークロードバランス仮想アプライアンス上で
service workloadbalancing stop
コマンドを実行します。 -
ワークロードバランスのIPアドレスを変更します。これを行うには、仮想アプライアンス上で
ifconfig
コマンドを実行します。 -
ワークロードバランスを有効にして、新しいIPアドレスを指定します。
-
ワークロードバランスサービスを起動します。これを行うには、ワークロードバランス仮想アプライアンス上で
service workloadbalancing start
コマンドを実行します。
ワークロードバランスの停止
ワークロードバランスはプールレベルで構成されるため、プールの管理を停止する場合は、次のいずれかの操作を行う必要があります:
-
ワークロードバランスを一時停止する:ワークロードバランス機能を一時停止すると、そのプールに対する推奨項目がXenCenterに表示されなくなります。ワークロードバランス機能を短期間停止して、再度設定することなくプールの管理を再開させる場合は、ワークロードバランスを一時停止します。ワークロードバランスを一時停止すると、再開するまでそのプールからのデータ収集が停止します。
-
プールをワークロードバランス仮想アプライアンスから切断する:プールをワークロードバランス仮想アプライアンスから切断すると、可能な場合、ワークロードバランスデータベースからそのプールに関するデータが削除されます。さらに、これによりそのプールからのデータ収集が停止します。
-
XenCenterの[リソース]ペインで、ワークロードバランス機能を無効化するリソースプールを選択します。
-
[WLB]タブで[一時停止]をクリックします。ワークロードバランスが一時停止状態であることを示すメッセージが[WLB]タブに表示されます。
ヒント:
監視を再開するには、[WLB]タブの[再開]ボタンをクリックします。
-
XenCenterの[インフラストラクチャ]ペインで、ワークロードバランス機能を停止するリソースプールを選択します。
-
[インフラストラクチャ]メニューの [ワークロードバランスサーバーの切断] を選択します。[ワークロードバランスサーバーの切断] ダイアログボックスが開きます。
-
[切断]をクリックします。これにより、ワークロードバランスによるプールの監視が完全に停止します。
ヒント:
ワークロードバランス仮想アプライアンスから切断した後でこの機能を再度有効にするには、ワークロードバランス仮想アプライアンスに再接続する必要があります。詳しくは、ワークロードバランス仮想アプライアンスへの接続を参照してください。
ワークロードバランスが有効なときの保守モード
ワークロードバランスが有効なリソースプールでは、物理ホストを保守モードに切り替えると、Citrix Hypervisorはそのホスト上で実行されているすべての仮想マシンを自動的にほかの適切なホストに移行します。Citrix Hypervisorは、仮想マシンの移行先ホストを、ワークロードバランスが最適化モードとパフォーマンスしきい値の設定、およびパフォーマンス測定値に基づいて計算した推奨項目により決定します。
移行先ホストが使用できない状態である場合は、[保守モードへの切り替え]ダイアログボックスに「ここをクリックしてVMを一時停止します」というメッセージが表示されます。この場合、十分なリソースを持つホストがないため、ワークロードバランスでは推奨再配置先が提示されません。管理者は、仮想マシンを一時停止するか、保守モードを終了してほかのホスト上のワークロードを軽減する(仮想マシンを一時停止するなど)などの処置を行います。その後、[保守モードへの切り替え]ダイアログボックスを再表示すると、移行に適したホストがワークロードバランスに表示されることがあります。
注:
ワークロードバランスが有効なリソースプールでホストを保守モードにすると、[保守モードへの切り替え]ウィザードに「ワークロードバランスが有効」と表示されます。
ワークロードバランスが有効なときに保守モードに切り替えるには:
-
XenCenterの[リソース]ペインで、オフラインにする物理ホストを選択します。[サーバー]メニューの[保守モードへの切り替え]を選択します。
-
[保守モードへの切り替え]ダイアログボックスで、[保守モードへの切り替え]をクリックします。これにより、そのホスト上で実行中のすべての仮想マシンが、最適化モードとパフォーマンスしきい値の設定、およびパフォーマンス測定値に基づいて決定される最適なホストに自動的に移行されます。
ホストを保守モードから切り替えるには、目的のホストを右クリックして、[保守モードからの切り替え] を選択します。これにより、Citrix Hypervisorはそのホストで実行されていたすべての仮想マシンを自動的に復元します。
ワークロードバランス仮想アプライアンスのディスクサイズの変更
ここでは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの仮想ディスクのサイズを変更する方法について説明します。以下の手順を行うには、まずワークロードバランス仮想アプライアンスをシャットダウンしてください。この間、ワークロードバランス機能は停止します。
警告:
この手順を行う前に、仮想アプライアンスのスナップショットを作成しておくことをお勧めします。これらの手順を誤って実行すると、ワークロードバランス仮想アプライアンスが破損する可能性があります。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスをシャットダウンします。
XenCenterの[リソース]ペインで、ワークロードバランス仮想アプライアンスを選択します。
-
[ストレージ]タブをクリックします。
-
一覧で[vdi_xvda]ディスクを選択し、[プロパティ]をクリックします。
-
[vdi_xvdaプロパティ]ダイアログボックスで[サイズと場所]を選択します。
-
サイズを変更して、[OK]をクリックします。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスを起動して、ログインします。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンス上で、次のコマンドを実行します。
resize2fs /dev/xvda
注:
resize2fs
ツールがインストールされていない場合は、インターネット接続を確認してから、次のコマンドを使用してインストールしてください:yum install -y --enablerepo=base,updates --disablerepo=citrix-* e2fsprogs
インターネットに接続できない場合。
-
https://centos.pkgs.org/7/centos-x86_64/からダウンロードします。
libss-1.42.9-7.el7.i686.rpm
e2fsprogs-libs-1.42.9-7.el7.x86_64.rpm
e2fsprogs-1.42.9-7.el7.x86_64.rpm
-
SCPまたは適切なツールで、WLB仮想マシンにこれらをアップロードします。
-
WLB仮想マシンで次のコマンドを実行します。
rpm -ivh libss-\*.rpm e2fsprogs-\*.rpm
これで、
resize2fs
ツールがインストールされました。 -
df –h
コマンドを実行して、ディスクサイズが変更されたことを確認します。
ワークロードバランス仮想アプライアンスの削除
ワークロードバランス仮想アプライアンスを削除する場合、XenCenterで仮想マシンを削除するときと同じ方法を使用することをお勧めします。
ワークロードバランス仮想アプライアンスを削除すると、ワークロードバランスデータベース(PostgreSQLデータベース)も削除されます。このデータを保存する場合は、ワークロードバランス仮想アプライアンスを削除する前にデータベースを移行しておく必要があります。
ワークロードバランスデータベースの管理
ワークロードバランスデータベースは、PostgreSQLデータベースです。PostgreSQLは、オープンソースのリレーショナルデータベースの1つです。PostgreSQLに関するドキュメントは、インターネット上を検索して入手できます。
以下の手順は、データベース管理者およびデータベース管理タスクを理解しているPostgreSQLユーザーを対象にしています。PostgreSQLについて詳しくない場合、このデータベースソフトウェアについて理解してから以下の手順を実行することをお勧めします。
デフォルトのPostgreSQLユーザー名はpostgresです。このアカウントのパスワードは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に指定したものです。
保持できる履歴データの量は、ワークロードバランスに割り当てられている仮想ディスクのサイズ(と、必要な最小ディスク容量により決定されます。デフォルトで割り当てられている仮想ディスクのサイズは20GBです。詳しくは、データベースグルーミングのパラメーターを参照してください。
保持される履歴データを増やす(たとえば、プール監査記録レポートを有効にする場合)には、以下のいずれかを行います:
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスに割り当てられている仮想ディスクのサイズを増やします。これを行うには、仮想アプライアンスをインポートした後で、ワークロードバランスのディスクサイズの変更で説明されている手順に従います。
-
データベースへのリモートクライアントアクセスを有効にして、サードパーティ製データベース管理ツールを使用してデータの複製バックアップコピーが定期的に作成されるように設定します。
また、データベースのグルーミングを設定して、データにより消費されるディスク領域を制御することもできます。
データベースへのアクセス
ワークロードバランス仮想アプライアンスでは、ファイアウォールが設定されています。このため、データベースにアクセスできるようにするには、postgresqlサーバーポートをiptablesに追加する必要があります。
ワークロードバランス仮想アプライアンスのコンソールで、次のコマンドを実行します。
iptables -A INPUT -i eth0 -p tcp -m tcp --dport 5432 -m \
state --state NEW,ESTABLISHED -j ACCEPT
(任意)仮想アプライアンスを再起動してもこの設定が適用されるようにするには、次のコマンドを実行します:
iptables-save > /etc/sysconfig/potables
データベースグルーミングの制御
ワークロードバランスデータベースでは、ワークロードバランスの動作に必要な空きディスク容量が足りなくなると、古いものからデータが自動的に削除されます。ワークロードバランスに必要な空き容量(最小ディスク容量)は、デフォルトで1,024MBに設定されています。
wlb.confファイルを編集することで、ワークロードバランスデータベースのグルーミングをカスタマイズできます。
ワークロードバランス仮想アプライアンスの仮想ディスクに十分な空き容量がなくなると、履歴データのグルーミングが自動的に実行されます。このときのプロセスは、以下のとおりです:
-
ワークロードバランスデータコレクターは、事前に定義されたグルーミング間隔で、グルーミングが必要かどうかをチェックします。データベースデータの増大により、ディスクの空き容量がワークロードバランスの最小ディスク容量より少なくなると、グルーミングが必要になります。最小ディスク容量は、
GroomingRequiredMinimumDiskSizeInMB
により設定します。グルーミング間隔は、
GroomingIntervalInHour
で変更できます。デフォルトでは、1時間ごとに空き容量がチェックされます。 -
グルーミングが必要になると、最も古い日付(デフォルトで1日分。GroomingDBDataTrimDaysパラメータで設定)のデータが削除されます。削除後、ワークロードバランスの動作に必要な最小ディスク容量が確保されたかどうかがチェックされます。
-
最初のグルーミングで最小ディスク容量が確保されない場合、
GroomingIntervalInHour
のグルーミング間隔を待たずにGroomingRetryCounter
で指定された回数までグルーミングが繰り返されます。 -
最初のグルーミングで十分なディスク容量が確保された場合は、
GroomingIntervalInHour
で指定されたグルーミング間隔の後、手順1.に戻ります。 -
GroomingRetryCounter
で指定された回数のグルーミングで十分なディスク容量が確保されなくても、GroomingIntervalInHour
で指定されたグルーミング間隔の後、手順1.に戻ります。
データベースグルーミングのパラメーター
wlb.conf
ファイルには、データベースのグルーミングを制御するための、以下に示す5つのパラメーターがあります。
-
GroomingIntervalInHour
。グルーミングが必要かどうかをチェックする間隔を制御します。この間隔 は、1時間単位で指定します。たとえば、「1」を指定すると、1時間に1回の頻度でチェックされます。「2」を指定すると、2時間に1回の頻度でチェックされます。 -
GroomingRetryCounter
。グルーミングにより最小ディスク容量が確保されない場合に、自動的に繰り返されるグルーミングの回数を制御します。 -
GroomingDBDataTrimDays
。グルーミング時に削除されるデータの日数を制御します。デフォルト値は1日です。 -
GroomingDBTimeoutInMinute
。グルーミングクエリのタイムアウトを分単位で制御します。ここで指定した時間内にグルーミングクエリが完了しない場合、そのタスクはキャンセルされます。デフォルトでは0が指定されており、タイムアウトによるキャンセルは発生しません。 -
GroomingRequiredMinimumDiskSizeInMB
。ワークロードバランス仮想アプライアンスの動作に必要な最小空きディスク容量を制御します。データの増大により、仮想ディスクの空き容量がこの値(最小ディスク容量)に達すると、データベースのグルーミングが開始されます。デフォルト値は2,048MBです。
これらのパラメーターの編集については、ワークロードバランス設定ファイルの編集を参照してください。
データベースパスワードの変更
wlb.conf
ファイルを編集してワークロードバランスデータベースのパスワードを変更することもできますが、wlbconfig
コマンドを使用することをお勧めしています。詳しくは、ワークロードバランス設定オプションの変更を参照してください。
データベースデータのアーカイブ
古い履歴データが削除されないようにするために、必要に応じてデータベースからデータをコピーしてアーカイブできます。これを行うには、以下のタスクを行います。
-
データベースで、クライアント認証を有効にします。
-
任意のPostgreSQLデータベース管理ツールを使用して、アーカイブをセットアップします。
データベースに対するクライアント認証を有効にします
ワークロードバランス仮想アプライアンスのコンソールからデータベースに直接アクセスすることもできますが、PostgreSQLデータベース管理ツールを使用することもできます。データベース管理ツールをダウンロードして、ワークロードバランス仮想アプライアンス上のデータベースに接続できるシステムにインストールします。たとえば、XenCenterを実行するのと同じコンピューターなどにインストールします。
データベースへのリモートクライアント認証を有効にする前に、以下を行います。
-
データベース設定ファイル(pg_hba.confとpostgresql.conf)を編集して、接続を許可します。
-
ワークロードバランスサービスを停止し、データベースを再起動してから、ワークロードバランスサービスを起動します。
-
データベース管理ツールで、データベースのIPアドレス(つまりワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレス)およびデータベースパスワードを設定します。
データベース設定ファイルの編集
データベースでクライアント認証を有効にするには、ワークロードバランス仮想アプライアンス上の2つのファイル(pg_hba.confファイルとpostgresql.confファイル)を変更する必要があります。
pg_hba.confファイルを編集するには:
-
pg_hba.confファイルを変更します。ワークロードバランス仮想アプライアンスのコンソールで、viなどのテキストエディタを使ってpg_hba.confファイルを開きます。たとえば、次のようになります:
vi /var/lib/pgsql/9.0/data/pg_hba.conf
-
IPv4が使用されるネットワークでは、接続元コンピューターのIPアドレスをpg_hba.confファイルの以下のセクションに追加します。たとえば、次のようになります:
#IPv4 local connections
行の下に、以下の行を入力します:- TYPE: host
- DATABASE: all
- USER: all
- CIDR-ADDRESS: 0.0.0.0/0
- METHOD: trust
-
CIDR-ADDRESS
フィールドには実際のIPアドレスを入力します。注:
「0.0.0.0/0」の個所を編集して、実際のIPアドレスの最終オクテットの部分を「0/24」に変更したものを入力できます。末尾の「24」はサブネットマスクで、そのサブネットマスク内のIPアドレスからの接続のみが許可されます。
Method
フィールドに「trust
」と入力すると、パスワードを入力しなくても認証されるようになります。パスワードが要求されるようにするには、Method
フィールドに「password
」と入力します。 -
IPv6が使用されるネットワークでは、接続元コンピューターのIPアドレスをpg_hba.confファイルの以下のセクションに追加します。たとえば、次のようになります:
#IPv6 local connections
行の下に、以下の内容を入力します:- TYPE: host
- DATABASE: all
- USER: all
-
CIDR-ADDRESS:
::0/0
- METHOD: trust
CIDR-ADDRESS
フィールドには実際のIPv6アドレスを入力します。この例のように「::0/0
」と入力すると、任意のIPv6アドレスからデータベースに接続できるようになります。 -
ファイルを保存してテキストエディタを終了します。
-
データベースを再起動して変更を適用します。次のコマンドを実行します。
service postgresql-9.0 restart
postgresql.confファイルを編集するには:
-
postgresql.confファイルを変更します。ワークロードバランス仮想アプライアンスのコンソールで、viなどのテキストエディタを使ってpostgresql.confファイルを開きます。たとえば、次のようになります:
vi /var/lib/pgsql/9.0/data/postgresql.conf
-
このファイルでは、ローカルホストだけではなく、すべてのポートからの接続が許可されるように設定します。たとえば、次のようになります:
-
以下の行を見つけます。
# listen_addresses='localhost'
-
この行のコメントを解除(
#
を削除)して、次のように変更します:listen_addresses='*'
-
-
ファイルを保存してテキストエディタを終了します。
-
データベースを再起動して変更を適用します。次のコマンドを実行します。
service postgresql-9.0 restart
データベース保守時間の変更
デフォルトでは、日常的なデータベースのメンテナンスが毎日午前12:05(GMT)(00:05)に自動的に実行されます。この間、データの収集は続行されますが、データの記録に遅延が生じることがあります。また、この間もXenCenterでワークロードバランスのユーザーインターフェイスを使用でき、推奨項目も生成されます。
注:
ワークロードバランスの損失を回避するには、以下の手順に従ってください:
- メンテナンスウィンドウ中に、ワークロードバランスサーバーが再起動します。これと同時に仮想マシンを再起動しないよう注意してください。
- 今回とは別に、プール内のすべての仮想マシンを再起動するときは、ワークロードバランスサーバーを再起動しないでください。
この保守により、未使用のディスク領域が解放され、データベースが再インデックス化されます。この処理は、6~8分で完了します。ただし、大規模なリソースプールでは、ワークロードバランスでの検出処理に応じて保守に時間がかかることがあります。
この保守時間は、運用する場所のタイムゾーンに合わせて変更することができます。たとえば、デフォルトの設定では、日本標準時(JST)の午前9:05に保守が実行されてしまいます。また、夏時間を採用している地域では、その移行を考慮した保守時間を設定できます。
保守時間を変更するには:
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスのコンソールで、任意のディレクトリから次のコマンドを実行します。
crontab -e
次の行が表示されます。
05 0 * * * /opt/vpx/wlb/wlbmaintenance.sh
「
05 0
」という値は、ワークロードバランスが保守を実行する時刻(05分過ぎ、0時の)を示します(アスタリスク(*)はこのジョブを実行する日、月、年です。このフィールドを編集しないでください)。05 0
は、毎日グリニッジ標準時(GMT)の午前0:05に保守が実行されることを意味します。この設定は、ニューヨークに住んでいる場合、冬の間は午後7:05、夏の間は午後8:05に保守が実行されることを意味します。重要:
3つのアスタリスク(*)で示される日、月、および年を変更しないでください。データベースの保守は毎日実行する必要があります。
-
保守の実行時刻を、GMTで入力します。たとえば、深夜0時に保守を実行するには、以下のように変更します。
タイムゾーン | UTCとの時差 | ローカルの午前0:05に保守を実行する場合 | 夏時間 |
---|---|---|---|
米国太平洋標準時(PST、カリフォルニア州など) | UTC-08 | 05 8 | 05 7 |
日本標準時(JST) | UTC+09 | 05 15 | - |
中国標準時(CST) | UTC+08 | 04 15 | - |
- ファイルを保存してテキストエディタを終了します。
ワークロードバランスのカスタマイズ
ワークロードバランス機能では、以下のカスタマイズが可能です。
-
スクリプト用のコマンドライン:ワークロードバランスコマンドを参照してください。
-
ホスト電源投入スクリプトのサポート:ホスト電源投入スクリプトを使用してワークロードバランスの機能を間接的にカスタマイズすることもできます。
ワークロードバランスのアップグレード
ワークロードバランスのオンラインでのアップグレードは、セキュリティ上の理由で廃止されました。yum repoによるアップグレードはできなくなりました。最新バージョンのワークロードバランスへのアップグレードは、https://www.citrix.com/downloads/citrix-hypervisor/product-software/から最新のWLB VPXをダウンロードしインポートしてください。
ワークロードバランスのトラブルシューティング
ここでは、ワークロードバランスの問題を解決するための手順について説明します。
一般的なトラブルシューティングのヒント
-
まず、ワークロードバランスのログファイル(LogFile.logおよびwlb_install_log.log)を参照します。デフォルトでは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの以下の場所にログファイルが作成されます。
- /var/log/wlb
-
また、XenCenterの[ログ]タブに表示される情報も参照してください。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスのビルド番号を確認するには、その仮想アプライアンスが監視しているリソースプールのホスト上で、次のコマンドを実行します:
xe pool-retrieve-wlb-diagnostics | more
出力の上部に、ワークロードバランスのバージョン番号が表示されます。
エラーメッセージ
ワークロードバランス機能のエラーメッセージは、XenCenterのダイアログボックスや[ログ]タブに表示されます。
エラーメッセージが表示された場合は、XenCenterのイベントログを参照します。詳しくは、『XenCenterドキュメント』を参照してください。
ワークロードバランスの資格情報入力時の問題
[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスで入力したワークロードバランス仮想マシンのユーザー名およびパスワードで接続できない場合は、以下の点を確認してください:
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスがインポートされており、正しく設定されていることを確認します。また、すべてのサービスが実行されていることを確認します。詳しくは、「[
wlb-start
](#wlb-start)」を参照してください。 -
入力した資格情報が正しいことを確認します。デフォルトの資格情報は、『ワークロードバランスクイックスタートガイド』に記載されています。
-
[アドレス]ボックスにはホスト名も入力できますが、ここにはワークロードバランス仮想アプライアンスの完全修飾ドメイン名(Fully Qualified Domain Name:FQDN)を入力する必要があります。仮想アプライアンスをホストする物理サーバーのホスト名は入力しないでください。たとえば、
yourcomputername
などです。コンピューター名の入力に問題がある場合は、代わりにワークロードバランスアプライアンスのIPアドレスを使用してみてください。 -
ホストで正しいDNSサーバーが使用されていることと、Citrix HypervisorサーバーでFQDNを使ってワークロードバランス仮想アプライアンスに接続できることを確認します。この確認を行うには、Citrix HypervisorサーバーからFQDNを指定してpingコマンドを実行します。たとえば、Citrix Hypervisorサーバーコンソールで次のコマンドを実行します:
ping wlb-vpx-1.mydomain.net
ファイアウォールの問題
ワークロードバランス仮想アプライアンスがファイアウォールで隔たれており、ファイアウォールが正しく設定されていない場合、「ワークロードバランスサーバーへの接続中にエラーが発生しました。<プール名>。[WLBの初期化]をクリックして接続設定を再初期化してください」というエラーメッセージが表示されます。このメッセージは、ワークロードバランス仮想アプライアンスとの接続でほかの問題がある場合にも表示されます。
解決方法:
ワークロードバランス仮想アプライアンスとの間にあるファイアウォールで、ポート8012を開放します。
また、Citrix Hypervisorがワークロードバランスに接続するときのポート(デフォルトで8012)が、ワークロードバランスの設定ウィザードで指定したものと同じである必要があります。
ワークロードバランスとの接続の消失
ワークロードバランスの構成および接続後に接続エラーが発生すると、資格情報が無効になることがあります。この問題を解決するには、以下を行います:
-
[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスに入力した資格情報と、以下の情報が一致していることを確認します。
-
ワークロードバランスの設定ウィザードで指定した資格情報
-
Citrix Hypervisor(プールマスター)の資格情報
-
-
[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスに入力した、ワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレスまたはFQDNを確認します。
-
ワークロードバランス構成時に作成したユーザー名が、[WLBサーバーへの接続]ダイアログボックスに入力したものと一致していることを確認します。
ワークロードバランスの接続エラー
[WLB]タブの[ワークロードバランスの状態]に接続エラーが表示される場合は、リソースプールのワークロードバランスを再設定してください。
これを行うには、[WLB]タブの[接続]をクリックして、サーバーの資格情報を再入力します。
ワークロードバランスが停止する場合
ワークロードバランスが機能しない場合(設定に対する変更内容が保存されないなど)、ワークロードバランスのログファイルに以下のエラーメッセージが記録されていないかどうかを確認します:
dwmdatacolsvc.exe: Don't have a valid pool. Trying again in 10 minutes.
原因:
通常、このエラーはプール内の仮想マシンに何らかの問題があると発生します。仮想マシンに問題がある場合は、以下のような現象が見られます:
- Windows:Windows仮想マシンでブルースクリーンエラーが発生している。
- Linux:Linux仮想マシンのコンソールが応答不能になり、シャットダウンなどができない。
回避方法:
-
仮想マシンの強制シャットダウンを実行します。これを行うには、以下のいずれかを実行します。
-
XenCenterで仮想マシンを選択して、[VM]メニューの[強制シャットダウン]を選択します。
-
vm-shutdown
xeコマンドにforce=trueを指定して実行します(『Citrix Hypervisor管理者ガイド』を参照)。たとえば、次のようになります:xe vm-shutdown force=true uuid=vm_uuid
ホストのUUIDは、XenCenterの[全般]タブ、または
host-list
xeコマンドを実行して確認できます。仮想マシンのUUIDは、仮想マシンの[全般]タブ、またはvm-list
xeコマンドを実行して確認できます。詳しくは、コマンドラインインターフェイスを参照してください。
-
-
クラッシュした仮想マシンのCitrix Hypervisorサーバーの
xsconsole
、またはXenCenterを使用して、そのホスト上のすべての仮想マシンを他のホストに移行してから、xe-toolstack-restart
コマンドを実行します。
ワークロードバランスサーバーの変更時の問題
リソースプールのワークロードバランスで使用するワークロードバランス仮想アプライアンスを変更するときに、元の仮想アプライアンスから切断してから新しい仮想アプライアンスに接続する必要があります。これを行わないと、両方の仮想アプライアンスでプールのデータが収集されます。
この問題を解決するには、次のいずれかの操作を実行します:
- ワークロードバランス仮想アプライアンスをシャットダウンして削除する。
- ワークロードバランスサービスを手動で停止する(Analysis Engine、Data Collection Manager、Web Services Host)。
注:
pool-deconfigure-wlb
xeコマンドを使ってワークロードバランス仮想アプライアンスを切断したり、pool-initialize-wlb
xeコマンドを使ってほかの仮想アプライアンスを指定したりしないでください。
ワークロードバランスコマンド
ここでは、各ワークロードバランスコマンドの機能と、指定可能なパラメーター、構文などについて説明します。これらのコマンドは、Citrix Hypervisorサーバーやコンソールからワークロードバランスを制御したり、Citrix Hypervisorサーバーでワークロードバランス設定するときに使用します。ここでは、サービスコマンドについても説明します。
以下のサービスコマンドは、ワークロードバランス仮想アプライアンス上で実行します。このためには、ワークロードバランス仮想アプライアンスに接続する必要があります。
ワークロードバランス仮想アプライアンスへのログイン
サービスコマンドを実行したりwlb.confファイルを編集したりするには、ワークロードバランス仮想アプライアンスにログインする必要があります。このためには、ユーザー名とパスワードを入力する必要があります。仮想アプライアンスにユーザーアカウントを追加していない場合は、ルートユーザーアカウントでログインします。使用するアカウントは、(ワークロードバランスとリソースプールを接続する前に)[ワークロードバランスの設定]ウィザードで指定したものになります。または、XenCenterの[コンソール]タブからログインすることもできます。
ワークロードバランス仮想アプライアンスにログインするには:
-
name-of-your-WLB-VPXログインプロンプトに、アカウントのユーザー名を入力します。次の例の
wlb-vpx-pos-pool
には、ワークロードバランス仮想アプライアンスの名前を入力します:wlb-vpx-pos-pool login: root
-
パスワードプロンプトに、アカウントのパスワードを入力します:
wlb-vpx-pos-pool login: root
注:
ワークロードバランス仮想アプライアンスからログオフするには、コマンドプロンプトで「
logout
」と入力します。
wlb restart
wlb restart
コマンドをワークロードバランス仮想アプライアンスの任意の場所で実行すると、Workload Balancing Data Collectionサービス、Web Serviceサービス、Data Analysisサービスが停止され再起動されます。
wlb start
wlb start
コマンドをワークロードバランス仮想アプライアンスの任意の場所で実行すると、Workload Balancing Data Collectionサービス、Web Serviceサービス、Data Analysisサービスが開始されます。
wlb stop
wlb stop
コマンドをワークロードバランス仮想アプライアンスの任意の場所で実行すると、Workload Balancing Data Collectionサービス、Web Serviceサービス、Data Analysisサービスが停止されます。
wlb status
wlb status
コマンドをワークロードバランス仮想アプライアンスの任意の場所で実行すると、ワークロードバランスサーバーの状態が確認されます。このコマンドを実行すると、3つのワークロードバランスサービス(Web Service、Data Collection Service、Data Analysis Service)のステータスが表示されます。
ワークロードバランス設定オプションの変更
データベース設定オプションやウェブサービス設定オプションなど、ワークロードバランス設定の多くはwlb.confファイルに記録されています。このwlb.confファイルが、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定ファイルとなります。
頻繁に使用されるオプションを簡単に変更できるよう、wlb config
コマンドが用意されています。ワークロードバランス仮想アプライアンス上でwlb config
コマンドを実行すると、ワークロードバランスのユーザーアカウント名の変更、パスワードの変更、PostgreSQLパスワードの変更を行うことができます。このコマンドを実行すると、ワークロードバランスサービスが再起動します。
wlb configコマンドを実行するには:
-
コマンドプロンプトから次のコマンドを実行します:
wlb config
この画面には、ワークロードバランスのユーザー名とパスワード、およびPostgreSQLのパスワードを変更するための一連の質問が表示されます。これらの質問に従って変更を行います。
重要:
wlb.confファイルに値を入力する場合は、必ず入念に確認してください:ワークロードバランスではwlb.confファイルの値の検証は行われません。このため、指定したパラメーターが所定の範囲にない場合でも、エラーログは生成されません。
ワークロードバランス設定ファイルの編集
ワークロードバランスの設定オプションは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの/opt/vpx/wlbディレクトリに保存されているwlb.confファイルを編集することで変更できます。通常は、Citrix担当者からの指示がある場合のみ変更するようにしてください。ただし、必要に応じて変更可能な設定カテゴリが3つあります:
-
ワークロードバランスのアカウント名とパスワード:これらの資格情報は、
wlb config
コマンドを実行して簡単に変更できます。 -
データベースパスワード:この値は、wlb.confファイルで変更できます。ただし、
wlb config
を使用すればwlb.confファイルが更新され自動でデータベースのパスワードが変更されるため、こちらのコマンドを使用することをお勧めします。代わりにwlb.confファイルを変更する場合は、クエリを実行して新しいパスワードでデータベースを更新する必要があります。 - データベースグルーミングのパラメーター:このファイルでは、データベースのグルーミングパラメーター(データベースのグルーミング間隔など)を変更できます。方法についてはデータベースの管理に関するセクションの手順を参照してください。ただし、変更する場合は注意することをお勧めします。
現時点では、wlb.confファイルの上記以外の設定については、Citrix担当者から特別な指示がない限りデフォルトのままにすることが推奨されます。
wlb.confファイルを編集するには:
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ワークロードバランス仮想アプライアンスのコマンドプロンプトから次のコマンドを実行します(例としてVIを使用):
vi /opt/vpx/wlb/wlb.conf
画面上に、さまざまな設定オプションが表示されます。
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設定オプションを変更して、エディタを終了します。
wlb.confファイルの編集後にワークロードバランスサービスを再起動する必要はありません。変更内容は、エディタを閉じるとすぐに反映されます。
重要:
wlb.confファイルに値を入力する場合は、必ず入念に確認してください:ワークロードバランスではwlb.confファイルの値の検証は行われません。このため、指定したパラメーターが所定の範囲にない場合でも、エラーログは生成されません。
ワークロードバランスログの詳細度の変更
ワークロードバランスログには、分析エンジン、データベース、監査ログに対する操作など、ワークロードバランス仮想アプライアンスで発生したイベントの一覧が記録されます。このログファイルは次の場所にあります:/var/log/wlb/LogFile.log。
必要に応じて、ワークロードバランスログが提供する詳細レベルを上げることができます。これを行うには、次の場所にあるワークロードバランス設定ファイル(wlb.conf)の「Trace flags」セクションを編集します:/opt/vpx/wlb/wlb.conf. 各トレースについて、「1」または「true」と入力するとログ記録が有効化され、「0」または「false」と入力すると無効化されます。たとえば、分析エンジンのログ記録を有効にするには次のように入力します:
AnalEngTrace=1
Citrixテクニカルサポートに問題を報告する場合や、トラブルシューティングを行う場合には、ログ記録の詳細度を上げることをお勧めします。
ログオプション | トレースフラグ | メリットまたは用途 |
---|---|---|
分析エンジントレース | AnalEngTrace |
分析エンジンの計算の詳細を記録します。分析エンジンの決定内容を確認し、ワークロードバランスで推奨項目が生成されない理由を把握できます。 |
データベーストレース | DatabaseTrace |
データベースの読み取り/書き込みの詳細を記録します。このトレースを有効にすると、ログファイルのサイズが急激に増加します。 |
データ収集トレース | DataCollectionTrace |
メトリックの取得処理を記録します。この値から、ワークロードバランスで取得され、データストアに保存された測定値を確認できます。このトレースを有効にすると、ログファイルのサイズが急激に増加します。 |
データ圧縮トレース | DataCompactionTrace |
メトリックデータの圧縮にかかった時間がミリ秒単位で記録されます。 |
データイベントトレース | DataEventTrace |
ワークロードバランスがXenServerから取得したイベントの詳細を記録します。 |
データグルーミングトレース | DataGroomingTrace |
データベースグルーミングの詳細を記録します。 |
データメトリックトレース | DataMetricsTrace |
メトリックデータの解析の詳細を記録します。このトレースを有効にすると、ログファイルのサイズが急激に増加します。 |
キュー管理トレース | QueueManagementTrace |
データ収集におけるキュー管理プロセスの詳細を記録します(内部使用向けのオプションです)。 |
データ保存トレース | DataSaveTrace |
データベースに保存されているリソースプールの詳細を記録します。 |
ホストスコア付けトレース | ScoreHostTrace |
ワークロードバランスでのホストのスコア付けの詳細を記録します。このトレースには、仮想マシンの移行先に最適なサーバーの評価を計算するときにワークロードバランスが生成したスコアが示されます。 |
監査ログトレース | AuditLogTrace |
監査ログデータの記録処理および書き込み処理が記録されます(このオプションは内部専用であり、監査ログに記録される情報は記録されません)。このトレースを有効にすると、ログファイルのサイズが急激に増加します。 |
スケジュールタスクトレース | ScheduledTaskTrace |
スケジュールされたタスクの詳細を記録します。たとえば、モード変更スケジュールが機能しない場合に、このトレースから原因を探ることができます。 |
Webサービストレース | WlbWebServiceTrace |
Webサービスインターフェイスとの通信の詳細を記録します。 |