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インストールルーチンのないアプリケーションの移行

Jul 08, 2016

単にファイルをコンピューター上のフォルダーにコピーし、おそらくレジストリキーを追加したりそのほかの手動変更をしたりするだけで実行できるアプリケーションを移行する場合があるかもしれません。 AppDNAでは、アプリケーションの互換性への対応およびアプリケーションの移行全般を自動化することによって、オペレーティングシステムの移行と仮想化技術の導入に伴う時間を短縮し、費用とリスクを軽減することができます。

AppDNAは、インストールルーチンのないアプリケーションがオペレーティングシステムまたは仮想化技術と互換性があるかどうかの判断に役立つだけでなく、アプリケーションソースをキャプチャし、オプションで、管理対象のアプリケーションライブラリに追加できる、使用可能なインストールルーチンを作成することもできます。

AppDNAの外部で独自のインストーラーを簡単に作成できるとしても、AppDNAを使用すれば、アプリケーション管理のオーバーヘッド(費用、作業、要員)を削減することができます。 アプリケーションソースを互換性チェックの実行に必要な形式に変換するために既にAppDNAでキャプチャ処理を行っているので、より難しい作業に専門技能を集中できるように、サードパーティ製のアプリケーションパッケージ化および仮想化ソフトウェアを使用してインストールできる出力を作成するのが合理的です。

AppDNAでは、互換性分析と処理の自動化のためにアプリケーションDNAをインポートするため3つの方法でアプリケーションソースをキャプチャできます。 使用するオプションは、望ましい出力と、インストール/構成の担当者(上級ユーザー、開発者、パッケージ/シーケンス作成者)に応じて異なります。 以下の表に、各方法の使い方と使用例を示します。

AppDNAのキャプチャ機能説明使用例
Install Capture
  • 仮想マシン上のデスクトップアプリケーションを構成(ファイルのコピー、レジストリキーの作成、サービスの追加など)およびキャプチャします。この仮想マシンはAppDNAソフトウェアのインポート処理中に起動します。
  • .exeファイルの起動をサポートしますが、セットアップ実行可能ファイルがない場合は、notepad.exeやcmd.exeなど、プレースホルダーの実行可能ファイルをInstall Capture機能で参照することができます。 これにより、構成済みの仮想マシンをInstall Capture機能で起動してから、ファイルのコピー、レジストリキーの作成、サービスの追加などのためにユーザーがそのマシンを使用することができます。
  • AppDNAにインポートできる.msiファイルを作成します。 展開には使用できません。
  • AppDNAソフトウェア環境内で、AppDNAサーバーまたはAppDNAクライアントが構成されたマシンから実行します。
  • オプションで、アプリケーションを使用可能なインストーラーにパッケージ化したり、Microsoft App-Vを使用してシーケンス化したりできます。これらはAppDNAで自動化できることのほんの一部に過ぎません。
  • AppDNAは、Install Capture処理の一部として作成される.msiを自動的にインポートします。
  • ファイルセットをコピーするだけでは構成が完了せず、レジストリキーの作成、サービスの追加などが必要である。
  • MSIが作成されたら、AppDNAソフトウェアに自動的にインポートしたい。
  • 使用可能な出力(パッケージやシーケンス)の作成を自動化したい。
  • 管理者がアプリケーションのキャプチャを担当する。
セルフプロビジョニング
  • 仮想マシン上のデスクトップアプリケーションを構成(ファイルのコピー、レジストリキーの作成、サービスの追加など)およびキャプチャする、スタンドアロンのツールです。キャプチャしたアプリケーションは任意の種類(仮想、物理、またはVDI)のマシンを使用してAppDNAデータベースにインポートします。
  • .exeファイルの起動をサポートしますが、セットアップ実行可能ファイルがない場合は、notepad.exeやcmd.exeなど、プレースホルダーの実行可能ファイルをセルフプロビジョニング機能で参照することができます。 これにより、ファイルのコピー、レジストリキーの作成、サービスの追加などを行うための構成済みの仮想マシンをセルフプロビジョニングで起動できます。
  • AppDNAソフトウェア環境からは独立して実行します。
  • デフォルト設定では、AppDNAソフトウェアデータベースにインポートできる.msiを作成します。 展開には使用できません。
  • オプションで、アプリケーションを使用可能なインストーラーにパッケージ化したり、Microsoft App-Vを使用してシーケンス化したりできます。これらはAppDNAで自動化できることのほんの一部に過ぎません。
  • 作成される出力を共有の場所に配置して、管理者がその.msiをAppDNAソフトウェアデータベースにインポートおよび分析し、アプリケーションの互換性を判定することができます。
  • ファイルセットをコピーするだけでは構成が完了せず、レジストリキーの作成、サービスの追加などが必要である。
  • AppDNAソフトウェア環境とは無関係に、上級ユーザー、開発者、パッケージ/シーケンス作成者に、独自に構成およびキャプチャを実行させたい。
  • 使用可能な出力(パッケージやシーケンス)の作成を自動化したい。
MSI変換ツール
  • フォルダー内のアプリケーションソースのセットからMSIファイルを生成するための、代替メカニズムを提供するスタンドアロンのツールです。 本来は、WebアプリケーションのソースファイルをMSIに変換することを目的としていますが、任意のファイルに使用できます。
  • AppDNAソフトウェア環境からは独立して実行します。
  • 作成される出力を共有の場所に配置して、管理者がその.msiをAppDNAソフトウェアデータベースにインポートおよび分析し、アプリケーションの互換性を判定することができます。
  • キャプチャ対象がファイルのみである。
  • AppDNAソフトウェア環境の外部でキャプチャを実行したい。
  • 使用可能な出力(パッケージおよびシーケンス)を作成する必要はない。 AppDNAソフトウェア環境からは独立して実行します。

Install Captureの機能

このセクションでは、Install Captureを使用して、インストールルーチンがなく、手動構成が必要なアプリケーションをキャプチャする方法の一例について説明します。 以下の図は、AppDNAで実行される処理を示します。


Install Capture処理の図

注:これらの手順では、既存のAppDNA環境に統合可能な仮想マシンが構成済みであることを想定しています。

Install Captureを使用してアプリケーションをインポートするには:

  1. AppDNAのサイドバーから[Import & Analyze]>[Applications]の順に選択します。
  2. [Install Capture]タブをクリックします。
  3. [Install Capture]タブで、インポートする.exeファイルまたはそのほかのインストールファイルを選択します。
  4. [Browse]をクリックしてプレースホルダーの実行可能ファイルを選択します。

    仮想マシン上の指定パスに存在するものであれば、何でも使用できます。 この例ではcmd.exeを使用します。

    注:インストールルーチンがあるアプリケーションを選択する場合は、\\MyServer\MyApplications\MyApplication.exeのようなUNCパスを使用します。 指定するパスに、仮想マシンからアクセスできる必要があります。アクセスできなければインポートは失敗します。

ファイルを選択すると、それらのファイルが画面に表示されます。 以下の画面に示すように、ハードコードされているパスについて警告が表示されます。 cmd.exeが仮想マシン上の同じ場所に存在するため、これは問題ありません。



この例では、SnapshotというAppDNAソフトウェアのデフォルトの実行プロファイルを使用します。 ほかの処理の自動化に使用できるAppDNAソフトウェアのより高度な実行プロファイルについて詳しくは、「実行プロファイル」を参照してください。

注:Citrixは、Citrix AppDNA Extensions Podioサイトからダウンロードできる、実行プロファイルのライブラリも提供しています(ただしサポート対象外です)。 これらのエクステンションは、お客様が関心を持つ処理を自動化するためにカスタマイズされています。 エクステンションを入手するには、Podioアカウントを作成して、appdnafeedback@citrix.com宛てにサイトへのアクセスをリクエストします。

Snapshot実行プロファイルは主に次の3つの段階から構成されます。

  1. Before snapshot - 仮想マシンの状態を分析します。ファイルシステムとレジストリエントリのすべてが分析されます。
  2. Launch command - MSIではないアプリケーションインストーラーを実行します。 この例ではインストールルーチンがないため、cmd.exeを起動します。 cmd.exeが開いている間に、ファイルを追加するなど、アプリケーションのためにキャプチャする必要がある任意の操作を実行できます。
  3. After snapshot – インストールルーチンが完了したとき(この例ではcmd.exeウィンドウを閉じたとき)に、すべてのファイルシステムやレジストリエントリを含め、仮想マシンの状態を再度分析します。

Before snapshotとAfter snapshotにおける仮想マシンの状態の違いは、アプリケーションのインストールにより加えられた変更を表します。 キャプチャ処理でこの情報を使用して、AppDNAデータベースにインポートする.msiファイルを作成します。その後で仮想マシンをインストール前の状態にリセットします。 ツールバー右側の[Import]をクリックして、AppDNAデータベースにロードするためのアプリケーションDNAのキャプチャを開始します。

[Install Capture]タブでアプリケーションを選択して[Import]をクリックすると、[AppDNA Virtual Machine Remote Controls]ウィンドウが開きます。

発生する処理は実行プロファイルによって制御されます。 Snapshot実行プロファイルを使用する場合は、実行プロファイル「before snapshot」が仮想マシンで実行される最初のアクションです。


コマンドプロンプトウィンドウ内のSnapshot処理の出力

Before snapshotが完了するとインストールが実行されます。この例ではcmd.exeです。


コマンドプロンプトウィンドウ内のインストールの進行

アプリケーションに必要なすべての構成変更を完了するまで、cmd.exeを開いたままにしておきます。 cmd.exeがsetup.exeの代わりであることに留意してください。 インストールが完了するとAppDNA実行プロファイルスクリプトが次の段階に移るので、コマンドプロンプトウィンドウを閉じます。

以下の画面は、Icon Extractor 1.07フォルダーをネットワーク共有からC:\Program Filesにコピーした結果を示します。 フォルダーには必要なアプリケーションファイルが含まれています。


ウィンドウ内のフォルダーのコピー結果

また、[スタート]メニューに必要なショートカットを追加します。 このインストールルーチンのないアプリケーションには、ほかのファイルは不要です。 もちろん、サービス、環境変数、ODBCエントリなどの作成が必要なアプリケーションがあるかもしれません。


ウィンドウ内のショートカット出力

アプリケーションの構成が完了したら、コマンドプロンプトウィンドウを閉じます。 After snapshotが開始されます(Snapshot実行プロファイルの使用を前提としています)。


コマンドプロンプトウィンドウ内のAfter snapshotの出力

After snapshotが完了すると出力が指定のネットワーク共有にコピーされ、新しく作成されたMSIのデータベースへのロードが開始されます。 インポートが完了すると[AppDNA Virtual Machine Remote Controls]ウィンドウが閉じ、[Install Capture]タブにMSIインポート処理の進行状況が表示されます。


MSIインポートの進行状況

通常、進行状況バーは緑色で、インストーラーが成功の終了コードを戻したことを示します。 この例ではインストーラーを使用しなかったため、AppDNAは0以外の終了コードを受け取ります。その結果、進行状況バーは黄色になります。 警告を無視し、互換性をチェックするため、望ましいモジュールに対するアプリケーションの分析に進むことができます。 これを行うには、[Analyze]を今すぐか、後で分析するアプリケーションがそろったときにクリックします。


黄色の進行状況バーを伴うMSIインポート

分析により、AppDNA構成設定に定義されている出力先に、cmd.exeを名前に含むフォルダーが作成されます。 このフォルダーには、作成されたMSIと抽出されたソースファイルが含まれます。


ウィンドウ内のSnapshot結果

すぐに分析しない場合は、サイドバーから[Select]>[All Applications]の順にクリックします。 [Application List]画面をフィルターして、インポートしたばかりの項目のみを表示することができます。

この画面では、製品の実際の名前を反映するように名前を変更することができます。これを行うには、[Name]列の左の鉛筆アイコンをクリックします。


Snapshot処理後のアプリケーション一覧

分析をする準備ができたら、アプリケーションが選択されていることを確認して[Analyze]をクリックします。

セルフプロビジョニング機能

このセクションでは、スタンドアロンのセルフプロビジョニング機能を使用して、インストールルーチンがなく、手動構成が必要なアプリケーションをキャプチャする方法の一例について説明します。 以下の図は、AppDNAで実行される処理を示します。

この例では非接続モードを使用します。 このモードでは、セルフプロビジョニングクライアントとAppDNAクライアントは異なるネットワーク上にあり、同じネットワークファイル共有にアクセスできません。 AppDNAによりクライアント指示ファイルと実行プロファイルがパッケージ化され、管理者がこのパッケージをエンドユーザーに送信します。 次にエンドユーザーがセルフプロビジョニングクライアントの出力を、管理者に送信します。


セルフプロビジョニング処理のフローチャート

注:以下の手順は、AppDNAセルフプロビジョニングクライアントが構成済みであることを前提としています。

セルフプロビジョニングのためにアプリケーションを準備するには:

  1. AppDNAのサイドバーから[Import & Analyze]>[Applications]の順に選択します。
  2. [Self-Provisioning]タブをクリックします。
  3. キャプチャするインストールファイルを選択します。 Install Capture機能でのように、通常これは、UNCパスを使用して参照されるセットアップ実行可能ファイルです。

    この例ではインストールルーチンがないアプリケーションをキャプチャするので、cmd.exe(C:\Windows\System32\cmd.exe)を使用するように手動で構成する必要があります。

    ファイルを選択すると、それらのファイルが画面に表示されます。



    この例では、SnapshotというAppDNAソフトウェアのデフォルトの実行プロファイルを使用します。 ほかの処理の自動化に使用できるAppDNAソフトウェアのより高度な実行プロファイルについて詳しくは、「実行プロファイル」を参照してください。

    注:Citrixは、Citrix AppDNA Extensions Podioサイトからダウンロードできる、実行プロファイルのライブラリも提供しています(ただしサポート対象外です)。 これらのエクステンションは、お客様が関心を持つ処理を自動化するためにカスタマイズされています。 エクステンションを入手するには、Podioアカウントを作成して、appdnafeedback@citrix.com宛てにサイトへのアクセスをリクエストします。
    注:セルフプロビジョニング機能を使用するには、セルフプロビジョニング設定で出力パスを構成する必要があります。 [Self-Provisioning]タブのツールバーの[Configuration]をクリックし、[Self-Provisioning Settings]ページを開きます。
  4. 含めるアプリケーションを選択して[Publish]をクリックします。

    選択したアプリケーションの既存の状態が上書きされるという警告が表示されます。


    セルフプロビジョニングの上書きの警告

  5. [Yes]をクリックして確定します。

    選択した各アプリケーションのクライアント指示ファイルの詳細が画面に表示されます。



  6. クライアント指示ファイルの右側の[Export]をクリックして、セルフプロビジョニングクライアントを実行するエンドユーザー(上級ユーザーまたは開発者)に送信するパッケージを作成します。 [Export Self-Provisioning Package]ダイアログボックスが開きます。
    • Input file from client perspective – アプリケーションのインストールパッケージの名前と場所をセルフプロビジョニングクライアントマシンに対して相対的に指定します。
    • Folder where the capture results are to be stored – セルフプロビジョニングクライアントがアプリケーションキャプチャの出力を書き込むデフォルトの場所を指定します。 エンドユーザーは、アプリケーションのキャプチャ中に別の場所を指定できます。 これをセルフプロビジョニングクライアントマシンに対して相対的に指定したことを確認します。
    • Exported package path – セルフプロビジョニングクライアントを実行するエンドユーザーに送信するパッケージの名前と場所を指定します。

    次に、スタンドアロンのセルフプロビジョニングクライアントでセルフプロビジョニングを実行するユーザーに、エクスポートしたパッケージを送信します。

    エンドユーザーは、AppDNA Install Capture機能の処理と同様のキャプチャ処理を実行します。

    構成を実行するエンドユーザーはAppDNAセルフプロビジョニングクライアントをインストールする必要があります。 以下のインストーラーが、AppDNAのインストールフォルダーのToolsサブフォルダーにあります。

    Citrix AppDNA Self-Provisioning Client.msi

    Citrix AppDNA VM Configuration.msi

    作成したMSIは、[Import Applications]画面の[Direct Import]タブを使用してAppDNAにインポートできます。 詳しくは、「直接インポート」を参照してください。

MSI変換ツール

AppDNA MSI変換ツールはスタンドアロンのツールで、AppDNAの一部としてインストールされ、フォルダー内のアプリケーションのソースファイルセットからMSIファイルを生成する、代替策を提供します。 MSI変換ツールの本来の目的は、WebアプリケーションのソースファイルをMSIに変換してWebアプリケーションの互換性をチェックすることですが、このオプションは任意のファイルに使用できます。

注:AppDNAスタンドアロンWebキャプチャツールをインストールするには、インストーラー(Citrix AppDNA Web Application Capture.msi)が必要です。 これはAppDNAに付属しており、 AppDNAのインストール時にAppDNAインストールフォルダーのToolsサブフォルダーにコピーされます。

ここでは、スタンドアロンのWebアプリケーションソースMSI変換ツールを使用して、アプリケーションのソースファイルを含むフォルダーからMSIを生成する手順について説明します。

  1. Windowsの[スタート]ボタンをクリックし、[Citrix AppDNA]>[Web Application Source to MSI Converter]の順に選択します。
  2. 必要であれば、ツールバーの[Configure]をクリックしてオプションを変更します。

    これらのオプションおよび次の手順でのオプションについて詳しくは、「スタンドアロンのWebアプリケーションソースMSI変換ツール」を参照してください。

  3. [Select][Search for Folders]、または[Import List]をクリックして、変換するWebアプリケーションのソースファイルを含むフォルダーを選択します。

    選択したフォルダーがウィンドウに表示されます。

  4. MSIを作成するフォルダーを選択します。
  5. [Start]をクリックします。

MSI生成ツールの[Status]列に、処理が成功したかどうかが表示されます。 「Completed」は処理が正常終了したことを意味します。 処理が失敗した場合は、[Refresh]をクリックしてログを表示します。 ログには、問題のトラブルシューティングに使用できる情報が含まれています。

出力

スタンドアロンのWebアプリケーションソースMSI変換ツールの出力は、[Configuration]ダイアログボックスで指定したフォルダーに配置されます。 各アプリケーションの出力は、フォルダー名、日付、およびタイムスタンプに由来する名前の個別のフォルダーに格納されます。

これで、[Import Applications]画面の[Direct Import]タブを使用してAppDNAにMSIをインポートできます。 詳しくは、「直接インポート」を参照してください。