Citrix VM Toolsのインストール
Citrix VM Toolsには従来型デバイスエミュレーションのようなオーバーヘッドがなく、高パフォーマンスのI/Oサービスが提供されます。
Windows向けCitrix VM Tools
Windows向けCitrix VM Toolsは、I/Oドライバー(準仮想化ドライバーまたはPVドライバーともいいます)と管理エージェントで構成されています。
I/Oドライバーにはストレージ、ネットワークドライバー、および低レベル管理インターフェイスが含まれています。準仮想化ドライバーは、エミュレートされたドライバーに置き換わり、WindowsとCitrix Hypervisorソフトウェア間の高速トランスポートを提供します。Windowsオペレーティングシステムのインストール時、Citrix Hypervisorは従来型デバイスエミュレーションを使用して、標準IDEコントローラーと標準ネットワークカードを仮想マシンに提供します。このエミュレーションでは、組み込みドライバーを使ってWindowsをインストールできますが、コントローラードライバーのエミュレーションに内在するオーバーヘッドによりパフォーマンスが低下します。
管理エージェント(ゲストエージェントともいいます)は、高レベルの仮想マシン管理機能を備えており、XenCenterにすべての機能を提供します。
Citrix HypervisorダウンロードページからWindows向けCitrix VM Toolsのインストーラーを取得します。
Windows向けCitrix VM Toolsのバージョンは、Citrix Hypervisorのバージョンとは関係なく更新されます。ツールの最新バージョンについて詳しくは、Windows向けCitrix VM Toolsのアップデート を参照してください。
仮想マシンが完全にサポートされる構成となるように、また、xe CLIまたはXenCenterを使用できるように、各Windows仮想マシンにWindows向けCitrix VM Toolsをインストールします。仮想マシンは、Windows向けCitrix VM Toolsがなくても機能しますが、I/Oドライバーがインストールされていないとパフォーマンスが低下します。次の操作を実行するには、Windows仮想マシンにWindows向けCitrix VM Toolsをインストールします:
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仮想マシンを正しくシャットダウン、再起動、または一時停止する
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XenCenterで仮想マシンのパフォーマンスデータを表示する
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実行中の仮想マシンを移行する(ライブマイグレーションまたはストレージライブマイグレーションを使用)
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メモリを含んだスナップショット(チェックポイント)を作成したり、スナップショットを復元したりする
詳しくは、「Windows向けCitrix VM Toolsのインストール」を参照してください。
Linux向けCitrix VM Tools
Linux向けCitrix VM Toolsには、仮想マシンに関する追加情報をホストに提供するゲストエージェントが含まれています。
Citrix HypervisorダウンロードページからLinux向けCitrix VM Toolsのインストーラーを取得します。
以下の操作を実行するには、Linux仮想マシンにLinux向けCitrix VM Toolsをインストールします:
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XenCenterで仮想マシンのパフォーマンスデータを表示する
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実行中のLinux仮想マシン上のvCPU数の調整
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動的メモリ制御の有効化
詳しくは、「Linux向けCitrix VM Toolsのインストール」を参照してください。
重要:
仮想マシンの実行時にサポートされている構成を使用するには、Citrix VMツールをインストールしてください。Windows仮想マシンは、Citrix VM Toolsがなくても機能しますが、I/Oドライバーがインストールされていないと、パフォーマンスが低下します。 これらのドライバーを使用しないWindows仮想マシンの実行は、サポート対象外です。一部の機能(物理ホスト間のライブリロケーションなど)は、I/Oドライバーがインストールされてアクティブな状態でのみ使用できます。
仮想マシンの仮想化の状態を確認する
XenCenterでは、仮想マシンの [全般] タブに仮想マシンの仮想化の状態が表示されます。Citrix VM Tools(I/Oドライバーおよび管理エージェント)がインストールされているかどうか、および仮想マシンがWindows Updateからアップデートを受け取ってインストールできるかどうかを確認できます。以下のセクションでは、XenCenterで表示されるメッセージを示します:
I/Oが最適化されました(最適化されていません) - I/Oドライバーが仮想マシンにインストールされているかどうかを表示します。
管理エージェントがインストール済み(インストールされていない) :管理エージェントの最新バージョンが仮想マシンにインストールされているかどうかを表示します。
Windows Updateからのアップデート受信が可能(Windows Updateからのアップデート受信が不可能) - 仮想マシンがWindows UpdateからI/Oドライバーを受け取ることができるかどうかを示します。
I/Oドライバーおよび管理エージェントをインストール - 仮想マシンにI/Oドライバーと管理エージェントがインストールされていないことを示します。
注:
サーバーまたはプールに多数の仮想マシンがある場合、リソースペインでサーバーまたはプールを選択し、[検索] タブを選択します。[保存済みの検索] 一覧から、[Citrix VM Toolsがインストールされていない仮想マシン] を選択します。この検索により、Citrix VM Toolsがインストールされていない仮想マシンの一覧が表示されます。
Citrix VM Toolsのアップデート
Citrix Hypervisorでは、よりシンプルなメカニズムを搭載し、Windows仮想マシンのI/Oドライバー(PVドライバー)と管理エージェントを自動的にアップデートします。このメカニズムにより、アップデートが利用可能になると、Hotfixを待たずにアップデートをインストールできます。
仮想マシンの [全般] タブの [仮想化の状態] では、仮想マシンがWindows Updateからアップデートを受け取ることができるかどうかを指定します。Windows UpdateからI/Oドライバーのアップデートを受け取るメカニズムは、デフォルトではオンになっています。Windows UpdateからI/Oドライバーのアップデートを受け取らない場合は、仮想マシンでWindows Updateを無効にするか、グループポリシーを指定します。
重要:
現在8.2.x.x以前のドライバーを使用していて、管理エージェントMSIファイルを使用して最新バージョンのドライバーに更新する場合は、これらのドライバーをインストールする前に、デバイスマネージャーを使用してVMから8.2.x.xドライバーをアンインストールする必要があります。この手順を完了しないと、MSIのインストールプロセスは失敗します。
要求されたすべての仮想マシンの再起動が、更新の一部として完了したことを確認してください。複数回の再起動が必要になる場合があります。要求された再起動がすべて完了していないと、予期しない動作が発生する可能性があります。
I/Oドライバーのアップデート
新しく作成したWindows仮想マシンをCitrix HypervisorまたはXenServer 7.0以降で実行している場合、以下の条件を満たしていれば、Microsoft Windows UpdateからI/Oドライバーのアップデートを自動的に取得できます:
- Citrix Hypervisor Premium Editionを実行している、またはCitrix Virtual Apps and DesktopsやCitrix DaaSの利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスできる
- Citrix HypervisorまたはXenServer 7.0以降と動作するXenCenterを使用してWindows仮想マシンを作成している
- 仮想マシンでWindows Updateが有効になっている
- インターネットにアクセスできる、またはWSUSプロキシサーバーに接続できる
注:
ユーザーは、管理エージェントの自動アップデートメカニズムでI/Oドライバーのアップデートを自動的に受信することもできます。詳しくは、「管理エージェントのアップデート」を参照してください。
管理エージェントのアップデート
Citrix Hypervisorでは、新しいWindows仮想マシンおよび既存のWindows仮想マシンの両方で、管理エージェントを自動的にアップデートできます。Citrix Hypervisorは、デフォルトで管理エージェントの自動アップデートを許可します。ただし、管理エージェントが自動的にI/Oドライバーをアップデートすることは許可しません。Citrix VM Toolsのインストール中、管理エージェントのアップデート設定をカスタマイズできます。詳しくは、「Windows向けCitrix VM Toolsのインストール」を参照してください。管理エージェントの自動アップデートはシームレスに行われ、仮想マシンを再起動しません。仮想マシンの再起動が必要な場合、XenCenterから必要な操作を通知されます。
管理エージェントを自動的にアップデートするには:
- Premium Editionを実行している、またはCitrix Virtual Apps and DesktopsやCitrix DaaSの利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスできることが必要
- Citrix HypervisorまたはXenServer 7.0以降と動作するCitrix VM Toolsがインストールされていることが必要
- Windows仮想マシンがインターネットに接続できることが必要
重要:
- Windows UpdateからI/Oドライバーを受け取る機能と、管理エージェント機能の自動アップデートは、Citrix Hypervisor Premium Editionユーザーが使用できます。この機能は、Citrix Virtual Apps and DesktopsやCitrix DaaSの利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。
Citrix Hypervisor 8.1以前に含まれるCitrix VM Tools
Citrix Hypervisor 8.1以前を実行するCitrix Hypervisorサーバーには、サーバーのインストールの一部としてCitrix VM Toolsが含まれています。このようなサーバーの場合、XenCenterでは、XenCenterユーザーインターフェイス内からCitrix VM Toolsのインストールを開始することができます。
Citrix VM Toolsのインストール(Windows仮想マシン)
重要:
Citrix VM Toolsをインストールするときに、仮想マシンのCD/DVDドライブにあるメディアはイジェクトされます。CDからオペレーティングシステムをインストールしている間など、仮想マシンのCD/DVDドライブが使用中の場合は、Citrix VM Toolsをインストールしないでください。
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リソースペインで仮想マシンを右クリックし、ショートカットメニューの [Citrix VM Toolsのインストール] を選択します。または、[VM]メニューの [Citrix VM Toolsのインストール] を選択します。
または
仮想マシンの [全般] タブで、[I/Oドライバーと管理エージェントのインストール] を選択します。
注:
仮想マシンにCitrix VM Toolsをインストールすると、I/Oドライバー(PVドライバー)と管理エージェントの両方がインストールされます。
- 仮想マシンのCD/DVDドライブで自動実行が有効になっている場合は、しばらくすると自動的にインストールが開始されます。プロセスによってI/Oドライバーと管理エージェントがインストールされます。仮想マシンを最適化状態にするかどうかを確認するメッセージが表示されたら、仮想マシンを再起動します。
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自動実行が無効になっている場合は、Citrix VM Toolsインストーラーによってインストールオプションが表示されます。[Citrix VM Toolsのインストール] をクリックして、インストールを続行します。この操作により、仮想マシンのCD/DVDドライブにCitrix VM Tools ISO(guest-tools.iso)がマウントされます。
メッセージが表示されたら、以下のオプションからいずれかを選択してCitrix VM Tools ISOで行う処理を指定します:
[Setup.exeを実行] をクリックしてCitrix VM Toolsのインストールを開始します。この操作により、Citrix Hypervisor Windows Management Agent Setupウィザードが開きます。ウィザードの指示に従って、仮想マシンを最適化状態にし、インストールプロセスを完了するために必要なアクションを実行します。
注:
この方法でCitrix VM Toolsをインストールすると、管理エージェントは自動的にアップデートを取得するよう構成されます。ただし、管理エージェントアップデートのメカニズムにより、I/Oドライバーはアップデートされません。これはデフォルトの動作です。
または、次のいずれかを行います:
- [フォルダーを開いてファイルを表示] をクリックして、CDドライブからSetup.exeを実行します。このオプションにより、Citrix Hypervisor Windows Management Agent Setupウィザードが開き、Citrix VM Toolsのインストールと管理エージェントのアップデート設定をカスタマイズできます。
- ウィザードの手順に従って、ライセンス契約書に同意し、保存先フォルダーを選択します。
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[Installation and Updates Settings] ページで設定をカスタマイズします。Citrix Hypervisor Windows Management Agent Setupウィザードは、デフォルト設定を表示します。デフォルトでは、以下の操作ができます:
- I/Oドライバーをインストールする
- 管理エージェントの自動アップデートを許可する
- 管理エージェントが自動的にI/Oドライバーをアップデートすることを許可しない
- Citrixに匿名の使用状況情報を送信する
管理エージェントの自動アップデートを許可しない場合は、[管理エージェントが自動的にI/Oドライバーをアップデートすることを許可しない] を選択します。
管理エージェントでI/Oドライバーを自動的にアップデートする場合は、[Allow automatic I/O driver updates by the management agent] を選択します。
注:
Windows UpdateメカニズムによるI/Oドライバーのアップデートを選択する場合は、管理エージェントによるI/Oドライバーの自動アップデートを許可しないでください。
匿名の使用状況情報をCitrixと共有しない場合は、[匿名の使用状況情報をCitrixに送信する] チェックボックスをオフにします。Citrixに送信される情報には、アップデートを要求する仮想マシンのUUIDが含まれます。それ以外の仮想マシンに関する情報は収集されず、Citrixに送信されることもありません。
- [次へ]、[インストール] の順にクリックしてインストールプロセスを開始します。
- メッセージが表示されたら、Citrix VM Toolsインストールプロセスの完了に必要な操作を実行し、[完了] をクリックしてセットアップウィザードを終了します。
注:
- I/Oドライバーと管理エージェントを多数のWindows仮想マシンにインストールする場合、適切なMSIインストールツールを使用して、
managementagentx86.msi
またはmanagementagentx64.msi
をインストールします。これらのファイルはCitrix VM Tools ISOに収録されています。- Windows Updateからアップデートを受け取ることができるWindows仮想マシンには、I/Oドライバーが自動的にインストールされます。ただし、Citrix VM Toolsパッケージをインストールして管理エージェントをインストールし、サポートされている構成を保持することをお勧めします。
Citrix VM Toolsのインストール(Linux仮想マシン)
- リソースペインで仮想マシンを右クリックし、ショートカットメニューの [Citrix VM Toolsのインストール] をクリックします。または、[VM]メニューの[Citrix VM Toolsのインストール]を選択します。
- 確認のメッセージが表示されるので、[Citrix VM Toolsのインストール] をクリックします。これにより仮想マシンのコンソールが開きます。
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ルートユーザーとして、イメージを仮想マシンにマウントします。
mount -o ro,exec /dev/disk/by-label/Citrix\x20VM\x20Tools /mnt <!--NeedCopy-->
注:
イメージのマウントに失敗した場合は、次のコマンドでイメージを特定できます。
blkid -t LABEL="Citrix VM Tools"
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ルートユーザーとして次のインストールスクリプトを実行します:
/mnt/Linux/install.sh <!--NeedCopy-->
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次のコマンドを実行して、イメージをゲストからアンマウントします。
umount /mnt <!--NeedCopy-->
- カーネルがアップグレードされている場合、または仮想マシンが以前のバージョンからアップグレードされている場合は、ここで仮想マシンを再起動します。
Linux仮想マシンにマウントするCD-ROMドライブおよびISOイメージは、/dev/cdrom
ではなく/dev/xvdd
(またはUbuntuでは/dev/sdd
)と表示されます。この表記は、真のCD-ROMデバイスではなく、通常のデバイスであるためです。XenCenterでCDをイジェクトすると、このデバイスは仮想マシンからホットアンプラグされ、表示されなくなります。一方、Windows仮想マシンではLinuxの場合と異なり、CDは空の状態で仮想マシン内に残ります。