ワークロードバランス

Citrix Hypervisorのコンポーネントであるワークロードバランスは、以下の機能を提供する仮想アプライアンスとしてパッケージ化されています。

  • Citrix Hypervisor環境内の仮想マシンのパフォーマンスに関するレポートを作成する。

  • リソースの負荷状況を評価して、仮想マシンの最適な再配置先ホストを検出する。

注:

  • ワークロードバランス機能は、Citrix Hypervisor Enterprise Editionユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops権限によりCitrix Hypervisorにアクセスするユーザーが使用できます。
  • ワークロードバランス8.0は、サポートされているすべてのバージョンのCitrix HypervisorおよびXenServerと互換性があります。

ワークロードバランスによる仮想マシンワークロードの再配置を行わない場合でも、この機能によりワークロードレポートを生成して、リソースプールの管理に役立てることができます。ワークロードバランスによるワークロードの再配置では、以下の処理が行われます。

  • 仮想マシンワークロードをCitrix Hypervisorのリソースプール内のホスト間で分散させる。

  • 仮想マシンを起動するときに、最適なサーバーを決定する。

  • シャットダウンした仮想マシンの再開に最適なホストを決定する。

  • ホストに障害が発生した場合の仮想マシンの移行先を決定する。

  • ホストを保守モードに切り替えたり保守モードから切り替えたりする場合の仮想マシンの移行先を決定する。

ワークロードバランスによるワークロードの最適化は、自動的に実行されるようにしたり、管理者が選択的に実行できるようにしたりできます。また、特定のスケジュールに従ってホストの電源が自動的に切断されるように設定することもできます(夜間の使用電力を抑える場合など)。

ワークロードバランスは、プール内の仮想マシンの使用状況を評価します。ホストのパフォーマンスがしきい値を超えている場合、ワークロードバランスは仮想マシンをプール内の低負荷ホストに再配置します。仮想マシンを移行することで、各ホストでのリソース負荷を分散させます。

ワークロードバランスでは、最適化の目標として、リソースのパフォーマンスの向上、または仮想マシンの密度の最大化(1台のホスト上で最大数の仮想マシンを実行すること)を選択できます。これらの最適化モードは、特定のスケジュールに従って自動的に切り替えることも、常に同じモードにしておくこともできます。また、各リソースのメトリック(CPU、ネットワーク、ディスク、メモリ)のしきい値および重要度を調節して、環境に適した最適化が行われるように設定できます。

リソースプールの能力を評価するには、ワークロードバランスの履歴レポートを参照して、リソースプールやホストのヘルス状態、最適化や仮想マシンのパフォーマンス、および仮想マシンの移行履歴を確認します。

ワークロードに関するレポート

ワークロードバランスではパフォーマンスのデータが記録されるため、仮想環境について、ワークロードレポートと呼ばれるレポートを生成することができます。

このワークロードレポートには、リソースプールやホストの状態、監査、最適化、および仮想マシンの再配置(移行)履歴に関する情報が記述されます。また、仮想マシンの使用状況を示すチャージバックレポートを生成して、コストの評価と割り当てに役立てることもできます。

ワークロードレポートを生成するために、ワークロードバランスの推奨項目や仮想マシンの再配置を設定する必要はありません。ただし、ワークロードバランスコンポーネントを設定する必要があります。リソース負荷(限界しきい値)は、プール内のホストのパフォーマンスが低下するときの値に設定するのが理想的です。

詳しくは、「ワークロードレポートの生成」を参照してください。

ワークロードバランスの基本概念

仮想マシンを実行すると、物理ホスト上のリソース(CPU、メモリ、ネットワーク読み取り、ネットワーク書き込み、ディスク読み取り、およびディスク書き込み)が消費されます。仮想マシンのワークロードによっては、同じホスト上のほかの仮想マシンよりも多くのCPUリソースが消費されます。ワークロードは、仮想マシン上で実行するアプリケーションやトランザクションで決まります。当然のことながら、使用可能なリソースの量は、ホスト上のすべての仮想マシンで消費されるリソースの総量の分だけ減少します。

ワークロードバランスでは、仮想マシンおよび物理ホストのリソースパフォーマンスデータが収集され、データベースに格納されます。これらのデータと管理者による設定に基づいて、リソースプールを最適化するために仮想マシンをどのホストに再配置(移行)するかが計算され、推奨項目として提示されます。

最適化とは、目標に合わせてホストを「改善」することです:ワークロードバランスで生成される推奨項目により、リソースプールのパフォーマンスまたは密度を改善できる、プール内での仮想マシンの再配置案が示されます。ワークロードバランスは、次の最終目標に合わせて推奨項目を生成します:プール内の仮想マシン間のバランスをとる。ワークロードバランスによる最適化とは、これらの推奨項目を適用する操作を指します。

ワークロードバランスでは、以下のいずれかの最適化モードを選択できます。

  • パフォーマンス:サーバー上の物理リソース(CPU、メモリ、ネットワーク、およびディスク)の使用効率を最適化します。ワークロードバランスでパフォーマンスの最適化を選択すると、各仮想マシンが使用できるリソースの量が最大になるように再配置の推奨項目が作成されます。

  • 密度:ホスト上の仮想マシンの数を最適化します。ワークロードバランスで密度の最適化を選択すると、リソースプール内で稼働するサーバーの数を最小化するように仮想マシンが配置されます。これにより、各仮想マシンで適切な計算能力を確保できます。

ワークロードバランスは、高可用性の設定とは競合しません。Citrixはこれらの機能を併用できるように設計しました。

リソースプールの要件

ワークロードバランスでリソースプールのワークロードを管理するには、各ホストがlive migrationによるライブマイグレーションをサポートしている必要があります。つまり、以下の要件を満たしている必要があります。

  • リモートの共有ストレージ

  • 類似したプロセッサ構成

  • ギガビットイーサネット

これらの要件を満たさないホストでは、ワークロードバランスによる仮想マシンの移行ができません。