ADC

セッションレス負荷分散仮想サーバーの構成

Citrix ADCアプライアンスは、負荷分散を実行するときに、クライアントとサーバー間のセッションを作成および管理します。セッション情報のメンテナンスにより、アプライアンスのリソースに大きな負荷がかかり、ダイレクトサーバリターン(DSR)セットアップや侵入検知システム(IDS)のロードバランシングなどのシナリオでは、セッションは必要ない場合があります。セッションが不要なときにセッションを作成しないようにするには、セッションレスロードバランシング用にアプライアンスの仮想サーバーを構成します。セッションレスロードバランシングでは、アプライアンスはパケット単位でロードバランシングを実行します。

セッションレスロードバランシングは、MAC ベースの転送モードまたは IP ベースの転送モードで動作します。

MAC ベースの転送では、トラフィックの転送先となるすべての物理サーバ上で、セッションレス仮想サーバの IP アドレスを指定する必要があります。

セッションレスロードバランシングの IP ベースの転送では、仮想サーバの IP アドレスとポートを物理サーバ上で指定する必要はありません。これは、この情報が転送されるパケットに含まれているためです。クライアントから物理サーバにパケットを転送する場合、アプライアンスはIPアドレスやポートなどのクライアントの詳細を変更せずに、宛先のIPアドレスとポートを追加します。

サポートされているセットアップ

Citrix ADC セッションレス負荷分散では、次のサービスタイプと負荷分散方式がサポートされています。

サービスタイプ

  • ANY(MAC ベースリダイレクション)
  • IP ベースのリダイレクション用の ANY、DNS、UDP

負荷分散方法

  • ラウンドロビン
  • 最小帯域幅
  • LRTM(最小応答時間方式)
  • 送信元 IP ハッシュ
  • 宛先 IP ハッシュ
  • 送信元 IP 宛先 IP ハッシュ
  • 送信元 IP 送信元ポートハッシュ
  • カスタムロード

制限事項

セッションレスロードバランシングには、次の制限があります。

  • アプライアンスは 2 アームモードで展開する必要があります。
  • サービスは、1 つの仮想サーバにのみバインドする必要があります。
  • セッションレスロードバランシングは、サービスグループではサポートされません。
  • セッションレスロードバランシングは、ドメインベースのサービス (DBS サービス) ではサポートされません。
  • IP モードでのセッションレスロードバランシングは、プライマリ仮想サーバへのバックアップとして構成されている仮想サーバではサポートされません。
  • スピルオーバーモードを有効にすることはできません。
  • セッションレス負荷分散仮想サーバーにバインドされているすべてのサービスについて、[Use Source IP (USIP)] オプションを有効にする必要があります。
  • ワイルドカード仮想サーバーまたはサービスの場合、宛先 IP アドレスは変更されません。

注:

  • セッションレスロードバランシング用に仮想サーバを設定する場合は、サポートされているロードバランシング方式を明示的に指定します。デフォルトの方法である [最小接続] は、セッションレスロードバランシングには使用できません。

  • 仮想サーバーでMACベースリダイレクトモードでセッションレス負荷分散を構成するには、Citrix ADCアプライアンスでMACベースの転送オプションを有効にする必要があります。

CLI を使用してセッションレス仮想サーバーを追加するには

コマンドプロンプトで次のコマンドを入力して、セッションレス仮想サーバーを追加し、構成を確認します。

add lb vserver <name>@ <serviceType> <IPAddress>@ <port> -m <redirectionMode> -sessionless <(ENABLED|DISABLED)> -lbMethod <load_balancing_method>  

show lb vserver <name>
<!--NeedCopy-->

例:

 add lb vserver sesslessv1 any 11.11.12.123 54 -sessionless ENABLED -lbMethod roundrobin -m ip
      Done
 show lb vserver sesslessv1
      sesslessv1 (11.11.12.123:54) - ANY Type: ADDRESS
      State: DOWN
      ...
      Effective State: DOWN
      Client Idle Timeout: 120 sec
      Down state flush: ENABLED
      ...
      Persistence: NONE
      Sessionless LB: ENABLED
      Connection Failover: DISABLED
      L2Conn: OFF
      1) Policy : cmp_text Priority:8680 Inherited
      2) Policy : cmp_nocmp_ie60 Priority:8690 Inherited
<!--NeedCopy-->

既存の仮想サーバーでセッションレス負荷分散を構成するには

コマンドプロンプトで入力します。

set lb vserver <name>@ -m <redirectionMode> -sessionless <(ENABLED|DISABLED)> -lbMethod <load_balancing_method>
<!--NeedCopy-->

set lb vserver sesslessv1 -m mac -sessionless ENABLED -lbmethod lrtm
  Done
<!--NeedCopy-->

-m MACオプションが有効になっている仮想サーバーにバインドされているサービスの場合は、非ユーザーモニターをバインドする必要があります。

GUI を使用してセッションレス仮想サーバーを構成するには

  1. Traffic Management > Load Balancing > Virtual Serversに移動します。
  2. 仮想サーバーを開き、[詳細設定] で [トラフィックの設定] をクリックし、[セッションレス負荷分散] を選択します。
セッションレス負荷分散仮想サーバーの構成