既存バージョンからのアップグレード
ここでは、XenCenterまたはxe CLIを使用してCitrix Hypervisorにアップグレードする方法について説明します。リソースプールやスタンドアロンのCitrix Hypervisorサーバーを自動的(XenCenterの「プールのローリングアップグレードウィザード」を使用)にアップグレードしたり、手作業でアップグレードしたりする手順について説明します。
シトリックスでは以前のバージョンのCitrix HypervisorからCitrix Hypervisor 8.2への移行に使用できるアップグレードおよびアップデート機能を提供します。アップグレードまたはアップデート機能を使用すると、フルインストールプロセスを完了する必要なく、Citrix Hypervisor 8.2を適用することができます。Citrix Hypervisor 8.2にアップグレードまたはアップデートすると、既存の仮想マシン、ストレージリポジトリ、構成が保持されます。
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基本インストールISOでXenServer 7.1 Cumulative Update 2(LTSR)または7.0をCitrix Hypervisor 8.2にアップグレードできます。ここでは、Citrix Hypervisor 8.2にアップグレードする方法について説明します。
注:
XenServer 7.1または7.1 Cumulative Update 1からCitrix Hypervisor 8.2へのアップグレードはサポートされていません。アップグレードする前に、累積更新プログラムがCitrix Hypervisor 7.1に適用されていることを確認してください。
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[インストールISOのアップデート] を使用して、Citrix Hypervisor 8.2をCitrix Hypervisor 8.1またはCitrix Hypervisor 8.0へのアップデートとして適用できます。詳しくは、ホストのアップデートを参照してください。
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XenServerの他のすべてのバージョンでは、直接Citrix Hypervisor 8.2にアップグレードすることはできません。この場合、最初にCitrix Hypervisorをより新しいバージョンにアップグレードしてそのバージョンを8.2にアップグレードするか、基本インストールISOを使用してクリーンインストールを実行します。詳しくは、インストールを参照してください。
注:
以前のCitrix HypervisorまたはXenServerのインストールから仮想マシンを保持するには、仮想マシンをエクスポートし、それをCitrix Hypervisor 8.2のクリーンインストールにインポートします。Citrix HypervisorまたはXenServerのサポートされているバージョンからエクスポートされた仮想マシンは、Citrix Hypervisor 8.2にインポートできます。詳しくは、仮想マシンのインポートとエクスポートを参照してください。
アップグレードパスと互換性情報は、『Citrixアップグレードガイド』でも確認できます。
はじめに
アップグレードを開始する前に、次の情報を確認してください。アップグレードプロセスを確実に成功させるために必要な手順を実行します。
- Citrix Hypervisorサーバー特にCitrix Hypervisorサーバーのプールのアップグレードは、慎重に計画し、実行する必要があります。既存のデータが失われないように、次のいずれかを行います:
- アップグレードパスを慎重に決定します。
- XenCenterの「プールのローリングアップグレードウィザード」を使用します。また、インストーラの画面で必ずアップグレードオプションを選択してください。
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ホストのアップグレードにXenCenterを使用している場合は、XenCenterの最新のバージョンをCitrix Hypervisorダウンロードサイトからダウンロードしてインストールします。
たとえば、Citrix Hypervisor 8.2にアップグレードする場合は、Citrix Hypervisor 8.2用のXenCenterの最新バージョンを使用します 。以前のバージョンのXenCenterを使用した新しいバージョンのCitrix Hypervisorへのアップグレードはサポートされていません。
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手動によるアップグレード処理では、SANブート設定が保持されません。ISOまたはPXEを使用してアップグレードする場合は、
multipathd
が正しく設定されるように、後述のインストール手順に従う必要があります。詳しくは、SAN環境からの起動を参照してください。 -
休止スナップショットはサポートされなくなりました。休止スナップショットを作成する既存のスナップショットスケジュールがある場合、これらのスナップショットスケジュールはアップグレード後に失敗します。スナップショットの作成を継続するには、アップグレードを実行する前に既存のスケジュールを削除し、非休止スナップショットを作成する新しいスケジュールを作成します。
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従来のSSLモードはサポートされなくなりました。Citrix Hypervisorで最新バージョンにアップグレードする前に、プール内のすべてのホストでこのモードを無効にしてください。従来のSSLモードを無効にするには、アップグレードを開始する前にプールマスターで次のコマンドを実行します:
xe pool-disable-ssl-legacy uuid=<pool_uuid>
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vSwitch Controllerはサポートされなくなりました。Citrix Hypervisorで最新バージョンにアップグレードする前に、vSwitch Controllerをプールから切断してください。アップグレード後に、次の構成変更が行われます:
- サーバー間のプライベートネットワークが、単一サーバーのプライベートネットワークに戻ります。
- DVSCコンソールで行ったQoS(サービス品質)設定は適用されなくなりました。ネットワークレート制限は適用されなくなりました。
- ACL規則が削除されます。仮想マシンからのすべてのトラフィックが許可されます。
- ポートミラーリング(RSPAN)が無効になります。
更新またはアップグレード後に、vSwitch Controllerの前の状態がプール内に残っていることが明らかになった場合は、次のCLIコマンドを実行して、その状態を削除します:
xe pool-set-vswitch-controller address=
プールのローリングアップグレード
Citrix Hypervisorでは、プールのローリングアップグレードを実行できます。プールのローリングアップグレードでは、プールのサービスやリソースの提供を中断することなく、そのプール内のすべてのホストをアップグレードできます。このアップグレード方法では、同時に複数のCitrix Hypervisorサーバーがオフラインになることはありません。この間、アップグレード対象のホスト上で実行中の仮想マシンは自動的にほかのホスト上に移行されます。
注:
プールのローリングアップグレード中も仮想マシンの実行を続けるには、プールに共有ストレージが必要です。プールに共有ストレージがない場合、仮想マシンはライブマイグレーションができないため、アップグレード前に仮想マシンを停止する必要があります。
ストレージライブマイグレーションは、プールのローリングアップグレードではサポートされていません。
プールのローリングアップグレードは、XenCenterまたはxe CLIを使用して実行できます。XenCenterを使用している場合は、プールのローリングアップグレード(RPU)ウィザードの使用をお勧めします。このウィザードでは、アップグレードパスが自動的に構成され、アップグレード手順が順番に表示されます。xe CLIでは、まずアップグレードパスを決定して、実行中の仮想マシンをCitrix Hypervisorサーバー間でライブマイグレーションしながらプールのローリングアップグレードを手動で実行する必要があります。
プールのローリングアップグレードウィザードは、ライセンスを割り当てられたCitrix Hypervisorユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスできるユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorのライセンスをアップグレードまたは購入するには、シトリックスWebサイトにアクセスしてください。
重要:
SANブート環境では、プールのローリングアップグレードを実行しないでください。SANブート環境でのアップグレードについては、「SAN環境からの起動」を参照してください。
XenCenterのプールのローリングアップグレードウィザードを使用してCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする
プールのローリングアップグレード(RPU)ウィザードでは、Citrix Hypervisorサーバー、プールまたはスタンドアロンのホストをCitrix Hypervisorの最新バージョンにアップグレードできます。
[プールのローリングアップグレード]ウィザードでは、アップグレードパスが自動的に構成され、アップグレード手順が順番に表示されます。リソースプールでは、プールマスターが最初にアップグレードされ、ほかのホストが順番にアップグレードされます。アップグレードの前に、ウィザードによりいくつかの事前チェックが実行されます。これにより、高可用性などのプールレベルの機能が一時的に無効になっており、個々のホストでアップグレードの準備が完了しているかどうかが確認されます。ローリングアップグレードでは、プール内のホストが1台ずつオフラインになり、アップグレードがインストールされます。そのホスト上で実行中の仮想マシンは、自動的にほかのホスト上に移行されます。
プールのローリングアップグレードウィザードでは、新しいバージョンのCitrix Hypervisorにアップグレードするときに、利用可能なHotfixを自動的に適用することもできます。これにより、スタンドアロンのホストまたはプールを、最小限の再起動回数で最新の状態にすることができます。この機能を使用するには、アップグレードプロセス中にインターネットに接続する必要があります。
Citrix Hypervisor 8.2と共に発行されたXenCenterを使用して、サポート対象バージョンのCitrix HypervisorまたはXenServerからアップグレードする場合は、Hotfix自動適用機能を利用できます。
注:
XenCenterを使用したプールのローリングアップグレードは、ライセンスを割り当てられたCitrix Hypervisorのユーザー、またはCitrix Virtual Apps and Desktops利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスできるユーザーが使用できます。
このウィザードでは、アップグレードモードとして [手動モード] または [自動モード] を選択できます。
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手動モードでは、各ホスト上でCitrix Hypervisorインストーラーを順次手作業で実行して、ホストのシリアルコンソールに表示されるメッセージに従ってアップグレードします。アップグレードが開始されると、アップグレード対象の各ホストについて、XenCenterインストールメディアの挿入またはネットワークブートサーバーの指定を確認するメッセージがXenCenterに表示されます。
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自動モードでは、HTTP、NFS、またはFTPサーバー上のインストールファイルにより、プール内のすべてのホストが自動的にアップグレードされます。このモードでは、インストールメディアを挿入したり、ホストを再起動したり、各ホストのシリアルコンソールに表示されるメッセージに従って操作したりする必要はありません。この方法では、インストールメディアの内容をHTTP、NFS、またはFTPサーバー上にコピーしておく必要があります。
アップグレードの前に
アップグレードを行う前に、以下の準備を行います:
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Citrix Hypervisor 8.2用のXenCenterの最新バージョンをCitrix Hypervisor製品ダウンロードページからダウンロードしてインストールします。以前のバージョンのXenCenterを使用した新しいバージョンのCitrix Hypervisorへのアップグレードはサポートされていません。
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pool-dump-database
xe CLIコマンドを使用して、アップグレード前のプールをバックアップしておくことを強くお勧めします。詳しくは、コマンドラインインターフェイスを参照してください。これにより、仮想マシンデータを失うことなく、ローリングアップグレードを中断して元の状態に戻すことも可能になります。 -
各サーバーで、アップグレードに必要なメモリが使用可能であることを確認してください。
一般的に、プール内のホストの数をNとすると、プール内で実行されているすべての仮想マシンに十分な量のメモリが(N-1)台のホストで提供されなければなりません。このため、不要な仮想マシンをすべてサスペンド状態にしておくことをお勧めします。
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プールに実行されているvGPU対応仮想マシンがある場合、仮想マシンの実行中にプールを移行するための次の手順を完了してください:
- 使用しているGPUがアップグレード先のバージョンでサポートされていることを確認してください。
- 現在のバージョンのCitrix Hypervisorおよびアップグレード先のバージョンのCitrix Hypervisorの両方で使用できるNVidia GRIDドライバーを見つけます。可能であれば、入手可能な最新のドライバーを選択してください。
- 使用中のCitrix Hypervisorサーバーに新しいGRIDドライバーをインストールして、vGPU対応仮想マシンに一致するゲストドライバーをインストールします。
- アップグレード先のCitrix Hypervisorのバージョンに一致するバージョンのGRIDドライバーがあることも確認してください。プールのローリングアップグレードプロセスで、これらのドライバーをサプリメンタルパックとしてインストールするように求められます。
プールのローリングアップグレードウィザードでは、以下の項目がチェックされます。アップグレード前に、以下の項目を確認してください:
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プール内の各仮想マシンのCD/DVDドライブを空にします。
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高可用性を無効にします。
アップグレードプロセス
XenCenterプールのローリングアップグレードウィザードを使用してCitrix Hypervisorホストをアップグレードするには:
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プールのローリングアップグレードウィザードを開きます。これを行うには、[ツール] メニューの [プールのローリングアップグレード] を選択します。
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[はじめに] ページの注意事項を確認して、[次へ] をクリックします。
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アップグレードするリソースプールまたは個々のホストを選択して、[次へ] をクリックします。
- 次のいずれかのモードを選択します:
- 既存のHTTP、NFS、またはFTPサーバー上のインストールファイルを使った自動アップグレードを行う場合は [自動モード]
- USB/CD/DVDドライブのインストールメディアまたはネットワークブートサーバーを使った手動アップグレードを行う場合は [手動モード]
注:
[手動モード] を選択した場合、各ホスト上でCitrix Hypervisorインストーラを順次実行して、ホストのシリアルコンソールに表示されるメッセージに従ってアップグレードする必要があります。アップグレードが開始されると、アップグレード対象の各ホストについて、Citrix Hypervisorインストールメディアの挿入またはネットワークブートサーバーの指定を確認するメッセージがXenCenterに表示されます。
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新しいバージョンにアップグレードした後に、XenCenterで自動的に最小限のアップデート(Hotfix)をダウンロードしてインストールするかを選択します。アップデートを適用するオプションは、デフォルトで選択されています。ただし、アップデートをダウンロードしてインストールするには、インターネット接続が必要です。
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アップグレードモードを選択したら、[事前チェックの実行] をクリックします。
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事前チェックにより問題が見つかった場合は、適切な解決処置を行います。[すべて解決] をクリックすると、XenCenterにより問題の解決が試行されます。
すべての問題を解決したら、[次へ] をクリックします。
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Citrix Hypervisorインストールメディアを用意します。
[自動モード] を選択した場合は、ネットワーク上のインストールメディアに接続するための情報を入力します。ネットワークインストールファイルの場所として [HTTP]、[NFS] または [FTP] を選択して、URL、ユーザー名、およびパスワードを入力します。
メモ:
- [FTP]を選択する場合は、URLのファイルパスセクションにある先頭のスラッシュをエスケープしてください。 - HTTPまたはFTPサーバーにアクセスするための資格情報が必要な場合は、HTTPまたはFTPサーバーに関連付けられているユーザー名およびパスワードを入力します。Citrix Hypervisorプールに関連付けられているユーザー名とパスワードは入力しないでください。 - Citrix Hypervisor パッシブモードのみでFTPをサポートします。
[手動モード] を選択した場合は、表示されるアップグレードプランおよび手順を確認します。
[アップグレードの開始] をクリックします。
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アップグレードを開始すると、各ホストのアップグレードに必要な手順がウィザードに表示されます。この手順に従って、プールのすべてのホストをアップグレードおよびアップデートします。
vGPU対応仮想マシンがある場合、サプリメンタルパックを指定するオプションを選択する段階で、vGPU対応仮想マシンの一致するGRIDドライバーをアップロードします。アップグレード先のCitrix Hypervisorバージョンに対応したバージョンのドライバーをアップロードしてください。
注:
何らかの理由でアップグレードまたはアップデートプロセスが失敗した場合、プールのローリングプアップグレードウィザードはプロセスを停止します。これによって、[再試行] ボタンをクリックして問題を修正し、アップグレードまたはアップデートプロセスを再開できます。
- アップグレードが完了すると、[プールのローリングアップグレード]ウィザードにその結果が表示されます。[完了] をクリックしてウィザードを終了します。
xe CLIを使用してCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする
xe CLIを使用してプールをローリングアップグレードする場合は、慎重に計画する必要があります。以下の説明をよく読んでからアップグレードを始めてください。
アップグレードパスを計画する
以下の点に注意してください:
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仮想マシンは、Citrix Hypervisorの以前のバージョンを実行しているCitrix Hypervisorサーバーから同じバージョン以上を実行しているホストにのみ移行できます(たとえば、バージョン7.0からバージョン7.1 Cumulative Update 2またはバージョン7.1 Cumulative Update 2からバージョン8.2)。
アップグレード済みのホストから、アップグレード前のCitrix Hypervisorを実行しているホストに仮想マシンを移行することはできません(バージョン8.2からバージョン7.1 Cumulative Update 2への移行など)。仮想マシンを移行するための容量がCitrix Hypervisorサーバーにあることを確認してください。
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混在モード(Citrix Hypervisorの複数のバージョンが共存する状態)のプールを必要以上に継続運用することは極力避けるよう、強くお勧めします。ローリングアップグレード中のプールは、パフォーマンスが低下します。
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アップグレードの間、一部の制御機能は使用できなくなります。制御操作はしないでください。仮想マシンは通常どおり動作を続けますが、移行を除く主な仮想マシン操作(シャットダウン、コピー、エクスポートなど)を実行することは避けてください。特に、仮想ディスクの追加、削除、またはサイズ変更などのストレージ関連の操作を行うと、予期せぬ問題が発生することがあります。
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常にプールマスターを最初にアップグレードしてください。また、アップグレード時に、XenCenterでプールマスターを保守モードに切り替えないでください。プールマスターが保守モードになると、新しいプールマスターが選出されてしまいます。
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ホストをアップグレードしたら、アップグレードバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされているHotfixを適用してから仮想マシンを移行します。
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pool-dump-database
xe CLIコマンドを使用して、アップグレード前のプールをバックアップしておくことを強くお勧めします。詳しくは、コマンドラインインターフェイスを参照してください。これにより、仮想マシンデータを失うことなく、ローリングアップグレードを中断して元の状態に戻すことも可能になります。何らかの理由でローリングアップグレードを元に戻す必要が生じた場合、仮想マシンのシャットダウンが必要になることがあります。アップグレード済みのCitrix Hypervisorサーバーからアップグレード前のCitrix Hypervisorホストに仮想マシンを移行することはできないため、この操作が必要です。
プールをローリングアップグレードする前に
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XenCenterを使用する場合は、シトリックスのダウンロードサイトで入手できるXenCenterを最新バージョンにアップグレードする。最新バージョンのXenCenterを使用して、古いバージョンが動作するCitrix Hypervisorサーバーを管理することもできます。
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プール内の各仮想マシンのCD/DVDドライブを空にする。方法については、「単一Citrix Hypervisorサーバーをアップグレードする前に」を参照してください。
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高可用性を無効にします。
xe CLIを使用してプールのローリングアップグレードを実行する
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プールマスターを最初にアップグレードします。
host-disable
コマンドを使用して、プールマスターを無効にします。これにより、このホスト上で新しい仮想マシンが起動することを防ぎます。 -
プールマスター上で仮想マシンが実行されていないことを確認します。実行されている場合は、シャットダウンまたはサスペンド状態にするか、プール内のほかのホストに移行します。
仮想マシンを特定のホストに移行するには、
vm-migrate
コマンドを使用します。vm-migrate
コマンドでは、移行対象の仮想マシンおよび移行先ホストを指定できます。すべての仮想マシンをプール内のほかのホストにライブマイグレーションするには、
host-evacuate
コマンドを使用します。host-evacuate
コマンドでは、Citrix Hypervisorにより移行先ホストが決定されます。 -
プールマスターをシャットダウンします。
重要:
プールマスターのアップグレードが完了するまで、このホストに接続できなくなります。プールマスターをシャットダウンすると、プール内の他のホストが緊急モードに入ります。プールマスターへの接続が切断され、何回かの接続試行後も再接続できない場合に、そのプールのホストが緊急モードに切り替わります。仮想マシンはホストで引き続き緊急モードで実行されますが、制御操作はできません。
-
Citrix Hypervisorインストールメディア(USBまたはネットワーク上のインストールファイル)からプールマスターを起動します。Citrix Hypervisorのインストール手順に従って操作し、アップグレードの画面まで進めます。[Upgrade]を選択します。詳しくは、インストールを参照してください。
警告:
- 既存のデータが失われないように、必ずアップグレードオプションを選択してください。 - プールマスターのアップグレードが中断された場合、または何らかの理由でアップグレードに失敗した場合は、アップグレードを続行しないでください。プールマスターを再起動して、正常なバージョンに復元してください。
プールマスターが再起動するとほかのホストの緊急モードが終了し、しばらくして通常のサービスが復元されます。
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新しいバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされたHotfixをプールマスターに適用します。
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プールマスター上でシャットダウン状態またはサスペンド状態にしておいた仮想マシンを起動または再開します。また、ほかのホストに移行しておいた仮想マシンを必要に応じてプールマスターに戻します。
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計画したアップグレードパスで次のアップグレード対象になっているCitrix Hypervisorサーバーを選択し、そのホストを無効にします。
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そのホスト上で仮想マシンが実行されていないことを確認します。実行されている場合は、シャットダウンまたはサスペンド状態にするか、プール内のほかのホストに移行します。
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ホストをシャットダウンします。
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上記の手順4.のプールマスターと同様の手順で、ホストをアップグレードします。
注:
プールマスター以外のホストのアップグレードが中断された場合、またはアップグレードに失敗した場合は、ホストを復元する必要はありません。この場合、
host-forget
コマンドを実行してそのホストの接続を消去し、Citrix Hypervisorを再インストールしてください。その後で、pool-join
コマンドを使用してそのホストをプールに追加します。 -
新しいバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされたHotfixをホストに適用します。
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ホスト上でシャットダウン状態またはサスペンド状態にしておいた仮想マシンを起動または再開します。また、ほかのホストに移行しておいた仮想マシンを必要に応じて元のホストに戻します。
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プール内の残りのホストについて、手順6~10を繰り返します。
xe CLIを使用して単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする
単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする前に
スタンドアロンのCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする前に、そのホスト上で実行されている仮想マシンをシャットダウンまたはサスペンドする必要があります。仮想マシンをサスペンドする場合は、その仮想マシンのCD/DVDドライブを空にしておく必要があります。CD/DVDドライブにディスクが挿入されたまま仮想マシンを一時停止した場合、ホストのアップグレード後にその仮想マシンを再開できなくなることがあります。
仮想マシンのCD/DVDドライブを空にするとは、ISOイメージやCitrix Hypervisorサーバーの物理CD/DVDが仮想マシンにマウントされていない状態にすることです。また、Citrix Hypervisorサーバーの物理CD/DVDドライブに仮想マシンが接続されていないことを確認する必要があります。
xe CLIを使用して仮想マシンのCD/DVDドライブを空にするには:
-
CD/DVDドライブが空になっていない仮想マシンを特定します。これを行うには、次のコマンドを実行します:
xe vbd-list type=CD empty=false
これにより、以下のように、CD/DVDドライブが空でない仮想マシンの一覧が表示されます:
uuid ( RO) : abae3997-39af-2764-04a1-ffc501d132d9 vm-uuid ( RO): 340a8b49-866e-b27c-99d1-fb41457344d9 vm-name-label ( RO): VM02_DemoLinux vdi-uuid ( RO): a14b0345-b20a-4027-a233-7cbd1e005ede empty ( RO): false device ( RO): xvdd uuid ( RO) : ec174a21-452f-7fd8-c02b-86370fa0f654 vm-uuid ( RO): db80f319-016d-0e5f-d8db-3a6565256c71 vm-name-label ( RO): VM01_DemoLinux vdi-uuid ( RO): a14b0345-b20a-4027-a233-7cbd1e005ede empty ( RO): false device ( RO): xvdd
この一覧から、仮想マシンの
uuid
(最初の項目)を控えておきます。 -
次のコマンドを実行して、仮想マシンのCD/DVDドライブを空にします:
xe vbd-eject uuid=uuid
xe CLIを使用して単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードする
xe CLIを使用して単一のCitrix Hypervisorサーバーをアップグレードするには:
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次のコマンドを実行して、アップグレードするCitrix Hypervisorサーバーを無効にします:
xe host-disable host-selector=host_selector_value
無効にしたCitrix Hypervisorサーバー上では、仮想マシンの作成や起動ができなくなります。また、そのホスト上に仮想マシンを移行することもできません。
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xe vm-shutdown
またはxe vm-suspend
コマンドを実行して、アップグレードするホスト上で実行されている仮想マシンをシャットダウンまたは一時停止します。 -
xe host-shutdown
コマンドを実行して、ホストをシャットダウンします。 -
Citrix Hypervisorのインストール手順に従って操作し、アップグレードの画面まで進めます。[Upgrade]を選択します。詳しくは、インストールを参照してください。
警告:
既存のデータが失われないように、必ずアップグレードオプションを選択してください。
アップグレードインストールの場合、設定内容を再入力する必要はありません。アップグレードでは、新規インストールと同様の画面が表示されますが、いくつかの手順が省略され、既存のネットワーク設定やシステムの日時設定などは保持されます。
ホストが再起動してしばらくすると、通常のサービスが再開されます。
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新しいバージョンのCitrix Hypervisor用にリリースされたHotfixを適用します。
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シャットダウンまたはサスペンドした仮想マシンを起動または再開します。