ワークロードバランスのトラブルシューティング
ここでは、ワークロードバランスの問題を解決するための手順について説明します。
注:
- ワークロードバランスは、Citrix Hypervisor Premium Editionのユーザー、またはCitrix Virtual Apps and DesktopsやCitrix DaaSの利用特典によりCitrix Hypervisorにアクセスできるユーザーが使用できます。Citrix Hypervisorのライセンスについて詳しくは、「ライセンス」を参照してください。Citrix Hypervisorライセンスをアップグレードまたは購入するには、Citrix Webサイトにアクセスしてください。
- ワークロードバランス8.2は、XenServer 7.1 CU2およびCitrix Hypervisor 8.2と互換性があります。
- XenServer 7.1 CU2ホストでワークロードバランス仮想アプライアンスの最新バージョンを実行するには、XenServer 7.1 CU2ホストにHotfix XS71ECU2040をインストールします。これにより、すべてのワークロードバランス機能を使用できます。
ワークロードバランス仮想アプライアンスの状態の確認
service workloadbalancing status
コマンドを実行します。詳しくは、「ワークロードバランスコマンド」を参照してください。
一般的なトラブルシューティングのヒント
-
まず、ワークロードバランスのログファイル(
LogFile.log
およびwlb_install_log.log
)を参照します。デフォルトでは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの以下の場所にログファイルが作成されます。/var/log/wlb
これらのログファイルでの詳細レベルは、
wlb.conf
ファイルを使用して設定できます。詳しくは、「ワークロードバランスログの詳細度の変更」を参照してください。 -
また、XenCenterの [ログ] タブに表示される情報も参照してください。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスのビルド番号を確認するには、その仮想アプライアンスがモニターしているプール内のホスト上で、次のコマンドを実行します:
xe pool-retrieve-wlb-diagnostics | more <!--NeedCopy-->
出力の上部に、ワークロードバランスのバージョン番号が表示されます。
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスでは、CentOSオペレーティングシステムが動作しています。この仮想アプライアンスでCPU、メモリ、またはディスク関連の問題が発生した場合は、
/var/log/*
にある標準Linuxログを使用して問題を分析できます。 -
Linuxの標準のデバッグコマンドおよびパフォーマンスチューニングコマンドを使用して、仮想アプライアンスの動作を理解します。たとえば、
top
、ps
、free
、sar
、およびnetstat
です。
エラーメッセージ
ワークロードバランス機能のエラーメッセージは、XenCenterのダイアログボックスや [ログ] タブに表示されます。
エラーメッセージが表示された場合は、XenCenterのイベントログを参照します。詳しくは、XenCenter製品ドキュメントを参照してください。
ワークロードバランスの資格情報入力時の問題
[WLBサーバーへの接続] ダイアログボックスで入力したワークロードバランス仮想マシンのユーザー名およびパスワードで接続できない場合は、以下の点を確認してください:
-
ワークロードバランス仮想アプライアンスがインポートされており、正しく設定されていることを確認します。また、すべてのサービスが実行されていることを確認します。
-
入力した資格情報が正しいことを確認します。[WLBサーバーへの接続] ダイアログボックスで、次の2つの資格情報が求められます:
-
WLBサーバーの資格情報:Citrix Hypervisorで、ワークロードバランスとの通信にこのアカウントが使用されます。(このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成します)。デフォルトのユーザー名は、
wlbuser
です。 -
Citrix Hypervisorの資格情報:このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスでCitrix Hypervisorプールへの接続に使用されます。このアカウントは、Citrix Hypervisorのプールマスター上で作成され、
pool-admin
またはpool-operator
の役割を持ちます。
-
WLBサーバーの資格情報:Citrix Hypervisorで、ワークロードバランスとの通信にこのアカウントが使用されます。(このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成します)。デフォルトのユーザー名は、
-
[アドレス] ボックスにはホスト名も入力できますが、ここにはワークロードバランス仮想アプライアンスの完全修飾ドメイン名を入力する必要があります。仮想アプライアンスをホストする物理サーバーのホスト名は入力しないでください。コンピューター名の入力に問題がある場合は、代わりにワークロードバランスアプライアンスのIPアドレスを使用してみてください。
-
ホストで正しいDNSサーバーが使用されていることと、Citrix Hypervisorサーバーで完全修飾ドメイン名を使ってワークロードバランス仮想アプライアンスに接続できることを確認します。この確認を行うには、Citrix Hypervisorサーバーから完全修飾ドメイン名を指定してpingコマンドを実行します。たとえば、Citrix Hypervisorサーバーのコンソールで次のコマンドを実行します:
ping wlb-vpx-1.mydomain.net <!--NeedCopy-->
ファイアウォールの問題
ワークロードバランス仮想アプライアンスがファイアウォールで隔たれており、ファイアウォールが正しく設定されていない場合は、次のエラーが表示されます:「ワークロードバランスサーバーへの接続中にエラーが発生しました:<プール名>。 [WLBの初期化] をクリックして接続設定を再初期化してください。」このメッセージは、ワークロードバランス仮想アプライアンスとの接続でほかの問題がある場合にも表示されます。
ワークロードバランス仮想アプライアンスとの間にあるファイアウォールで、ポート8012を開放します。
また、Citrix Hypervisorがワークロードバランスに接続するときのポート(デフォルトでは8012)が、ワークロードバランスの構成ウィザードで指定したものと同じである必要があります。
ワークロードバランスとの接続の消失
ワークロードバランスの構成および接続後に接続エラーが発生すると、資格情報が無効になることがあります。この問題を解決するには、以下を行います:
-
[WLBサーバーへの接続] ダイアログボックスに入力した資格情報と、以下の情報が一致していることを確認します:
-
WLBサーバーの資格情報:Citrix Hypervisorで、ワークロードバランスとの通信にこのアカウントが使用されます。(このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成します)。デフォルトのユーザー名は、
wlbuser
です。 -
Citrix Hypervisorの資格情報:このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスでCitrix Hypervisorプールへの接続に使用されます。このアカウントは、Citrix Hypervisorのプールマスター上で作成され、
pool-admin
またはpool-operator
の役割を持ちます。
-
WLBサーバーの資格情報:Citrix Hypervisorで、ワークロードバランスとの通信にこのアカウントが使用されます。(このアカウントは、ワークロードバランス仮想アプライアンスの設定時に作成します)。デフォルトのユーザー名は、
-
[WLBサーバーへの接続] ダイアログボックスに入力した、ワークロードバランス仮想アプライアンスのIPアドレスまたは完全修飾ドメイン名を確認します。
-
ワークロードバランス構成時に作成したユーザー名が、[WLBサーバーへの接続] ダイアログボックスに入力したものと一致していることを確認します。
ワークロードバランスの接続エラー
[WLB] タブの[ワークロードバランスの状態]に接続エラーが表示される場合は、そのプール上でワークロードバランスを再設定してください。
これを行うには、[WLB] タブの [接続] をクリックして、サーバーの資格情報を再入力します。
詳しくは、CTX231579「Troubleshooting Workload Balancing (WLB) issues when connecting via XenCenter」 を参照してください。
ワークロードバランスが停止する場合
ワークロードバランスが機能しない場合(設定に対する変更内容が保存されないなど)、ワークロードバランスのログファイルに以下のエラーメッセージが記録されていないかどうかを確認します:
dwmdatacolsvc.exe: Don't have a valid pool. Trying again in 10 minutes.
<!--NeedCopy-->
通常、このエラーはプール内の仮想マシンに何らかの問題があると発生します。仮想マシンに問題がある場合は、以下のような現象が見られます:
- Windows:Windows仮想マシンでブルースクリーンエラーが発生している。
- Linux:Linux仮想マシンのコンソールが応答不能になり、シャットダウンなどができない。
この問題の回避方法は次のとおりです。
-
仮想マシンの強制シャットダウンを実行します。これを行うには、以下のいずれかを実行します。
-
XenCenterで仮想マシンを選択して、[VM]メニューの[強制シャットダウン]を選択します。
-
forceパラメーターを
true
に設定してxeコマンドvm-shutdown
を実行します。たとえば、次のようになります:xe vm-shutdown force=true uuid=vm_uuid <!--NeedCopy-->
ホストのUUIDは、XenCenterの [全般] タブ、またはxeコマンド
host-list
の実行により確認できます。仮想マシンのUUIDは、仮想マシンの [全般] タブ、またはxeコマンドvm-list
の実行により確認できます。詳しくは、「コマンドラインインターフェイス」を参照してください。
-
-
クラッシュした仮想マシンのCitrix Hypervisorサーバーの
xsconsole
、またはXenCenterを使用して、そのホスト上のすべての仮想マシンをほかのホストに移行してから、コマンドxe-toolstack-restart
を実行します。
ワークロードバランスサーバーの変更時の問題
リソースプールのワークロードバランスで使用するワークロードバランス仮想アプライアンスを変更するときに、元の仮想アプライアンスから切断してから新しい仮想アプライアンスに接続する必要があります。これを行わないと、両方の仮想アプライアンスでプールのデータが収集されます。
この問題を解決するには、次のいずれかの操作を実行します:
- ワークロードバランス仮想アプライアンスをシャットダウンして削除する。
- ワークロードバランスサービスを手動で停止する(Analysis Engine、Data Collection Manager、Web Services Host)。
注:
pool-deconfigure-wlb
xeコマンドを使ってワークロードバランス仮想アプライアンスを切断したり、pool-initialize-wlb
xeコマンドを使ってほかの仮想アプライアンスを指定したりしないでください。