XenDesktopセットアップウィザードを使用して仮想デスクトップを仮想マシンに展開する
Provisioning Services XenDesktopセットアップウィザード(XDSW)では、Provisioning Servicesのストリーム配信vDiskを使用して、Personal vDiskを使用するデバイスや仮想マシンに仮想デスクトップを展開できます。
重要
通信を容易にするために、PVSサーバーがストレージデバイスに直接アクセスできるようにする必要があります。HDDのBDMでプロビジョニングできるように、PVSユーザーには、ストレージデバイスへの読み取り\書き込みアクセス権限が必要です。
このウィザードを使用して、以下の作業を行います:
- 既存のマシンテンプレートを使用して、XenDesktop環境の以下のハイパーバイザー上に仮想マシンを作成する。
- XenServer
- ESX(V-Centerを使用)
- Hyper-V(SCVMMを使用。SCVMMサーバーにプロビジョニングする場合、第1世代仮想マシン用に最初の従来型NICおよび2番目のシンセティックNICのネットワーク構成がウィザードにより変更されます)詳しくは、「SCVMM」を参照してください。
- Nutanix Acropolis(スナップショット使用)。詳しくは、「Nutanix Acropolisの要件」を参照してください。
- XenDesktopカタログ名に一致する新規または既存のProvisioning Servicesデバイスコレクションで、Provisioning Servicesターゲットデバイスを作成する。
- デバイスコレクション内の仮想マシンに標準イメージのvDiskを割り当てる。
- 選択したActive Directory OUにターゲットを追加する。
- XenDesktopカタログに仮想デスクトップを追加する。
注
XenDesktopセットアップウィザードでプロビジョニングされた第2世代仮想マシンの場合、BDMパーティションはドライブ文字でFAT形式でフォーマットされます。その結果、PVSプライベートイメージのWindowsによって新しいパーティションが認識されます。たとえば、書き込みキャッシュディスクとBDMパーティションを使用するRDS PVSイメージでは、プライベートイメージモードで2つのパーティションが表示されます。
Linuxストリーミング機能を使用する場合は、XenDesktopセットアップウィザードに追加された新しい手順を確認してください。SOAPサーバーを介してLinuxターゲットでvDiskのイメージを作成できるようにするには、SOAP SSL証明書を追加する必要があります。詳しくは、「インストール」を参照してください。
ESXのアクセス許可
ESX 5.5では、最低でも以下の権限が必要です。
- データストア権限
- 領域の割り当て
- データストアの参照
- 低レベルのファイル操作
- ネットワーク権限
- ネットワークの割り当て
- リソース権限
- 仮想マシンのリソースプールへの割り当て
- システム権限 - vCenterで役割(ロール)を作成すると、以下の3つの権限が自動的に追加されます。
- 匿名
- 読み取り
- 表示
- タスク権限
- タスクの作成
- 仮想マシン/構成
- 既存ディスクの追加
- 新規ディスクの追加
- 詳細設定
- CPUカウントの変更
- リソースの変更
- メモリ
- デバイス設定の変更
- ディスクの削除
- 設定
- 仮想マシン/相互作用
- パワーオフ
- パワーオン
- リセット
- 一時停止
- 仮想マシン/インベントリ
- 新規作成
- 既存のものから作成
- 削除
- 登録
- 仮想マシン/プロビジョニング
- 仮想マシンのクローン作成
- テンプレートのクローン作成
- ディスクアクセスの許可
- 仮想マシンのダウンロードの許可
- 仮想マシンファイルのアップロードの許可
- テンプレートのデプロイ
- グローバル
- カスタム属性の管理
- カスタム属性の設定
注
これよりも古いバージョンのESXでも、同じ権限が必要になる場合があります。
書き込みキャッシュについての考慮事項
プロビジョニングにかかる時間を最短化するために、テンプレートにアタッチされたすべてのハードディスクがXenDesktopセットアップウィザードにより廃棄されます。
vDiskが標準イメージモードであり、サーバー上でのキャッシュが設定されている場合、ウィザードによりディスクレスの仮想マシンがプロビジョニングされます。また、サーバー上でのキャッシュが設定されている場合、プロビジョニングされた仮想マシンは自動的には起動しません。
vDiskが標準イメージモードであり、ローカルハードディスクでのキャッシュが設定されている場合、ウィザードにより、書き込みキャッシュドライブ(デフォルトのサイズは6GBで種類はdynamic)を備えた仮想マシンがプロビジョニングされます。書き込みキャッシュドライブをフォーマットするために、これらの仮想マシンはサーバー上でキャッシュのある標準イメージモードで自動的に起動します。フォーマットが完了すると、仮想マシンは自動的にシャットダウンし、XenDesktopで必要に応じて仮想マシンを起動できる状態になります。
書き込みキャッシュがハイパーバイザーのローカルストレージに格納される場合、XenDesktopセットアップウィザードを介した展開の構成はハイパーバイザーによって異なります。
- XenServerでは、仮想マシンは複数のローカルストレージリソースに展開されます。ストレージなしでテンプレートを作成します(ネットワークブート)。
- ESXおよびHyper-Vでは、ハイパーバイザーのローカルストレージを使用している場合はCitrix Virtual Apps and Desktopsセットアップウィザード仮想マシンをプロビジョニングできません。
重要
ストレージデバイスに割り当てる名前を指定する場合、コンマは使用しないでください。ストレージデバイスに割り当てられた名前は、XenDesktopで保存されコンマで区切られます。たとえば、Storage 1, Storage 2, Storage 3のようになります。「Storage1,East」のようにストレージ名にコンマが含まれると、PVSは誤って2つの別々のストレージデバイスであると認識します。
仮想ディスクの種類
XenDesktopセットアップウィザードを介してプロビジョニングされた仮想マシンには、Provisioning Servicesのローカル書き込みキャッシュで使用するための新しいディスクが作成され、アタッチされます。作成される仮想ディスクのデフォルトの種類は次のとおりです。
- XenServer:使用されるストレージリポジトリに応じて、fixedまたはdynamic
- SCVMM 2012 SP1:dynamic
- SCVMM 2012:fixed
- ESX:thin-provisioned
SCVMMおよびESXの場合、Provisioning Servicesで作成される書き込みキャッシュディスクのデフォルトの種類をレジストリキーで上書きできます。これはXenServerには当てはまりません。強制的にfixed(ESXではeager-zeroed thick)が使用されるようにするには、以下の設定を行います。
[HKEY_CURRENT_USER\Software\Citrix\ProvisioningServices\VdiWizard]
“OVERRIDE_VM_WRITE_CACHE_DISK_TO_FIXED”=”true”
このキーをfalseに設定すると、強制的にdynamicが使用されます。デフォルトの動作に戻すには、キーを削除します。
ウィザードの実行
Provisioning Servicesコンソールから直接、またはリモートコンソールからウィザードを実行します。
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コンソールツリーでサイトを右クリックして、[XenDesktopセットアップウィザード]を選択します。[XenDesktopセットアップ]ウィザードが開きます。
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[次へ] をクリックしてセットアップを開始します。
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[XenDesktopホスト]ページで、接続および構成するXenDesktopホストのアドレスを入力します。前回指定したXenDesktopコントローラーの名前またはIPアドレスはローカルマシンのレジストリにキャッシュされ、次回のウィザード実行時に表示されます。
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XenDesktopホストを選択します。クラスターを選択すると、クラスターを構成する各ホスト上に仮想マシンが均等に配分されます。
注:XenServer 5.5 Update 2の仮想化設定は表示されません。これらの設定は、XenDesktopで[手動で仮想マシンを作成する]オプションを使用して、ホスト接続として追加されます。このため、ネットワークやストレージの場所を指定できず、XenDesktopセットアップウィザードには表示されません。
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ホストの資格情報(ユーザー名およびパスワード)を指定します。
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テンプレートの一覧で、選択したホストで使用するテンプレートを選択します。以前のバージョンのVDAを使用する場合、またはWindows Vistaを使用して作成されたテンプレートを使用する場合は、チェックボックスをオンにします。有効なテンプレートには動的なMACアドレスまたは値を伴う静的なアドレスが必要です(00:00:00:00:00:00は有効なMACアドレスではありません)。
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複数のネットワークを使用できる仮想化設定では、ネットワークを選択するためのページが開きます。
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仮想マシンのコレクションに割り当てる単一の標準イメージモードvDiskを選択します。
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新しいカタログを作成するか、前リリースの既存のカタログを使用します(VDA 5.6をインストールしたWindows Vista、またはWindows 7)。使用できるオプションは、選択したカタログオプションによって異なります。
- 新しいカタログを作成する場合は、カタログの名前および説明を入力します。以下の種類のマシンを選択できます。
- Windowsクライアントオペレーティングシステム:ユーザーにパーソナルデスクトップやデスクトップオペレーティングシステムのアプリケーションを配信する場合に適しています。ユーザーによる変更内容をPersonal vDisk上に保存するオプションを選択できます。
- Windowsサーバーオペレーティングシステム:標準化したマシンやアプリケーションを使用する大規模展開環境で、サーバー上でホストされる共有デスクトップを配信する場合に適しています。
- vGPUはデスクトップオペレーティングシステムでのみサポートされることに注意してください。
- ドロップダウンメニューから既存のカタログを選択した場合は、そのカタログの説明、マシンや割り当ての種類、およびユーザーデータ(存在する場合)が表示されます。
- 新しいカタログを作成する場合は、カタログの名前および説明を入力します。以下の種類のマシンを選択できます。
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仮想マシンの基本設定を選択します。設定内容は、マシンオペレーティングシステムの種類、およびユーザーによる変更内容をセッション終了時に破棄するかどうかにより異なります。
- ユーザーにランダムに割り当てられ、Personal vDiskを使用しないWindowsクライアントまたはWindowsサーバーマシンでは、以下の設定を行います:
- 作成する仮想マシンの数(デフォルトは1)。
- vCPUの数(デフォルトはテンプレートでの設定値)。
- 動的メモリが構成されたテンプレートでは、最小メモリおよび最大メモリの2つの追加設定が必要。
- ローカル書き込みキャッシュディスク(デフォルトは6GB)。
- 起動モード:PXE起動(PXE Serviceの実行が必須)。BDMディスク(起動デバイスマネージャーファイル用のパーティションが作成される)。
- ユーザーにランダムまたは静的に割り当てられるWindowsクライアントマシンで、セッション終了時にユーザーによる変更内容が各ユーザー用のPersonal vDiskおよび仮想マシン(静的に割り当てられる場合)では、上記a.の項目に加えて以下の設定を行います。
- Personal vDiskのサイズ(デフォルトは10GB)。Personal vDiskからターゲットデバイスを起動すると、vDiskのオペレーティングシステムのパーティション(デフォルトではC:\)に、Personal vDiskの実際のサイズではなくPersonal vDiskに割り当てられた領域のサイズが表示されます。
- Personal vDiskのドライブ文字(デフォルトはP)。ターゲットデバイス上でPersonal vDiskに割り当てられるドライブ文字です。指定可能な文字の範囲はEからU、およびWからZです。
- ユーザーにランダムに割り当てられ、Personal vDiskを使用しないWindowsクライアントまたはWindowsサーバーマシンでは、以下の設定を行います:
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Active Directoryコンピューターアカウントの追加方法を選択します。
- 新しいアカウントを作成する
- 既存のアカウントをインポートする
表示されるページは、選択するActive Directoryコンピューターアカウントの追加方法によって異なります。
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新しいアカウントを作成する:Active Directory管理者は、Active Directoryアカウントの作成または変更に必要な権限をProvisioning Servicesコンソールユーザーに委任して、コンピューターアカウントのパスワードを管理できるようにする必要があります。
- [ドメイン] ボックスの一覧から適切なドメインを選択し、そのドメインに対して表示される組織単位から1つ選択します。現在のユーザーのドメインと組織単位がデフォルトで設定されます。
- [アカウント名前付けスキーム] ボックスにマシンの名前付けオプションを入力します。少なくとも1つ番号記号(#)を含む有効な名前付けスキームを、15文字以内で入力します。さらに、指定した名前付けスキーム内の番号記号を動的に置き換える数字または文字を選択します。この数字または文字は、仮想マシンが作成されるたびに1つずつ増加します。
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既存のアカウントをインポートするには:
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[参照] をクリックしてインポートする適切な組織単位を参照するか、[インポート] をクリックして、次の形式の既存の.CSVファイルをインポートします。
Name,Type,Description,
PVSPC01,Computer,,
[必要]ボックスには、前のページで指定した仮想マシンの数が表示されます。[追加済み]ボックスには、一覧内のエントリ数が表示されます。XenDesktopのマシン名、Provisioning Servicesのデバイス名、またはハイパーバイザーの仮想マシン名として既に使用されている名前のコンピューターアカウントをインポートすると、そのアカウントは無効になり一覧に表示されません。Active Directoryの構造に多数のオブジェクトやコンテナが含まれていたり、多数のコンピューターアカウントをインポートしたりする場合は、インポートに時間がかかる可能性があります。インポートされた各アカウントが、Provisioning Services、XenDesktop、およびインポート先のハイパーバイザーに既存ではないことを検証する必要があるためです。この場合、インポート処理が完了するまで砂時計のアイコンで示されます。
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すべての構成内容を確認します。その後で、すべてのホストに対して以下の構成処理が順番に行われます。
- XenDesktopカタログが作成されます(該当する場合)。
- マシンテンプレートを使用してホストのハイパーバイザー上に仮想マシンが作成されます。
- 指定した場合は、BDMパーティションが作成されます。
- カタログの種類が[ストリーム配信(Personal vDiskあり)]である場合は、Personal vDiskが作成され、仮想マシンに割り当てられます。
- 指定したサイズの書き込みキャッシュディスクが作成されます。
- Provisioning Servicesターゲットデバイスが作成され、選択したvDiskがそれらのデバイスに割り当てられます。
- 選択したProvisioning Servicesコレクションにターゲットデバイスが追加されます。
- 仮想マシンがXenDesktopカタログに追加されます。
- 作成された書き込みキャッシュディスクをフォーマットするために各仮想マシンが起動されます。
構成処理を途中でキャンセルした場合は、以下の項目を手作業で削除する必要があります。
- XenDesktopマシン(割り当てたカタログから)
- 作成されたActive Directoryコンピューターアカウント
- 新しく作成したXenDesktopカタログ
- 選択したデバイスコレクションに作成したProvisioning Servicesターゲットデバイス
- 選択したホストハイパーバイザーに作成された仮想マシン
vDiskを更新して、Personal vDiskを使用するターゲットデバイスに再割り当てすることができます。ただし、基本ディスクのオペレーティングシステムは同一である必要があり、マシンSIDが設定されている必要があります。このためには、基本イメージのvDiskをコピーして、新しいProvisioning Servicesソフトウェアおよびドライバーをインストールして、それをターゲットデバイスに再割り当てします。vDiskを再割り当てするには、コンソールでvDiskプロパティの[vDiskの割り当て]ダイアログボックスを使用します。
Nutanix Acropolisの要件
Nutanix AcropolisでProvisioning Servicesを使用するには、以下が必要です。
- PVSにインストールされたNutanix Acropolisハイパーバイザープラグイン。
- Acropolisハイパーバイザー(AHV)に接続されたXenDesktopホスト。
- Nutanix Acropolisプラットフォームバージョン5.1.1以降。
ヒント
コンテナを選択するには、AHV固有プロビジョニングが必要です。
Nutanix Acropolisハイパーバイザーを使用する時の重要な注意事項
Nutanixを使用する場合、以下を考慮してください。
- XenDesktopセットアップウィザードのみがサポートされ、 ストリーム配信仮想マシンウィザードはサポートされません。
- Acropolisハイパーバイザーは、VMのテンプレートではなくスナップショットを使用します。
- Nutanix Acropolisハイパーバイザーは、プロビジョニングでハードディスクを削除しないため、スナップショットにハードディスクを接続しないことをお勧めします。
- BDM ISOから起動するマシンを展開するには、ISOをスナップショットにマウントする必要があります。プロビジョニングされた仮想マシンは、PXEブートを使用するよう設定され、仮想光学式ドライブから起動できるよう手動で変更する必要があります。
- PXEブートの場合、コマンドラインオプションを使用して、仮想マシンの起動順でイメージ作成前にネットワークを設定する必要があります。
注
Nutanix Acropolisハイパーバイザーを構成、使用する方法について詳しくは、Nutanix社のドキュメントポータルを参照してください。
SCVMMの要件
以下に注意してください:
- vGPU対応のVMをHyper-V上でプロビジョニングすることはできません。