既存のアプリケーションプロファイルの自動移行
Profile Managementは、既存のアプリケーションプロファイルを自動的に移行できるソリューションを提供します。アプリケーションプロファイルには、AppDataフォルダー内のアプリケーションデータとHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE
のレジストリエントリの両方が含まれます。
この機能は、アプリケーションプロファイルを異なるオペレーティングシステム(OS)間で移行する場合に役立ちます。たとえば、OSをWindows 10バージョン1803からWindows 10バージョン1809にアップグレードするとします。この機能を有効にすると、Profile Managementは、各ユーザーの初回ログオン時に、既存のアプリケーション設定をWindows 10バージョン1809に自動的に移行します。その結果、AppDataフォルダー内のアプリケーションデータとHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE
のレジストリエントリが移行されます。ユーザーは、アプリケーションを再度構成する必要がなくなりました。
注:
ユーザーストアパスに変数
!CTX_OSNAME!
を含めてオペレーティングシステムの短い名前を指定する必要があります。
この機能は現在、Windows 10 1909以前、Windows Server 2019、Windows Server 2016、およびWindows Server 2012 R2をサポートしています。
この機能はデフォルトでは無効になっています。グループポリシーで有効にするには、次の手順を実行します:
- グループポリシー管理エディターを開きます。
- [ポリシー]>[管理用テンプレート:ポリシー定義(ADMXファイル)]>[Citrixコンポーネント]>[Profile Management]>[プロファイル制御] で、[既存のアプリケーションプロファイルの自動移行] ポリシーをダブルクリックします。
- [有効] を選択して [OK] をクリックします。
変更を適用するには、コマンドプロンプトからgpupdate /force
コマンドを実行します。すべてのセッションからログオフし、再度ログオンします。詳しくは、https://docs.microsoft.com/en-us/windows-server/administration/windows-commands/gpupdateを参照してください。
Citrix StudioでProfile Managementポリシーの構成も選択できます。このためには、次の手順を実行します:
- Citrix Studioの左側のペインで [ポリシー] をクリックします。
- [ポリシーの作成] ウィンドウで検索ボックスにポリシーを入力します。たとえば、「既存のアプリケーションプロファイルの自動移行」と入力します。
- [選択] をクリックして [既存のアプリケーションプロファイルの自動移行] ポリシーを開きます。
- [有効] を選択して [OK] をクリックします。
機能
Profile Managementは、ユーザーのログオン時にユーザーストアにユーザープロファイルがない場合、移行を実行します。移行の開始前に、移行するアプリケーションプロファイルを見つけます。これは自動検出によって行われます。以下を自動的に検出し、移行します:
-
%userprofile%\Local\Appdata\および%userprofile%\Roaming\Appdataにあるアプリケーション設定。現在のOSプラットフォーム情報を含む次のMicrosoftフォルダーは無視されます:
- %userprofile%\AppData\Local\Temp - %userprofile%\AppData\Local\Packages - %userprofile%\AppData\Local\TileDataLayer - %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Temp - %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Credentials - %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Windows - %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Windows\InputPersonalization - %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\Windows\Side bars - %userprofile%\AppData\Local\Microsoft\WindowsApps - %userprofile%\Appdata\Roaming\Microsoft\Credentials - %userprofile%\Appdata\Roaming\Microsoft\SystemCertificates - %userprofile%\Appdata\Roaming\Microsoft\Crypto - %userprofile%\Appdata\Roaming\Microsoft\Vault - %userprofile%\Appdata\Roaming\Microsoft\Windows
-
HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE
およびHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Wow6432Node
(HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Microsoft
およびHKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Classes
を除く)にあるレジストリキー
既存のアプリケーションプロファイルが複数ある場合、Profile Managementは、次の優先度に従って移行を実行します:
- 同じ種類のOSのプロファイルから移行します(シングルセッションOSからシングルセッションOSまたはマルチセッションOSからマルチセッションOS)。
- 同じWindows OSファミリのOSのプロファイルから移行します(Windows 10からWindows 10、Windows Server 2016からWindows Server 2016など)。
- 以前のOSのプロファイルから移行します(Windows 7からWindows 10、Windows Server 2012からWindows Server 2016など)。
- 最も近いOSのプロファイルから移行します。
注:
ユーザーストアパスに変数
!CTX_OSNAME!
を含めてオペレーティングシステムの短い名前を指定する必要があります。これによって、Profile Managementが既存のアプリケーションプロファイルを見つけることができます。
ユーザーストアのパスを\\fileserver\userstore\%username%\!CTX_OSNAME!!CTX_OSBITNESS!
のように構成し、OSはWindows 10バージョン1803 64ビット版 (Win10RS4x64)を使用しているとします。Profile Managementは、最初に以前のプロファイルフォルダーを見つけてから、次の順序でユーザーストアのアプリケーションプロファイルフォルダーに移行します:
- \fileserver\userstore\user1\Win10RS3x64
- \fileserver\userstore\user1\Win10RS2x64
- \fileserver\userstore\user1\Win10RS1x64
- \fileserver\userstore\user1\Win10x64
- \fileserver\userstore\user1\Win10RS5x64
- \fileserver\userstore\user1\Win10RS6x64
- \fileserver\userstore\user1\Win8x64
- \fileserver\userstore\user1\Win7x64
- \fileserver\userstore\user1\Win2016
- \fileserver\userstore\user1\Win2012R2
- \fileserver\userstore\user1\Win2012
- \fileserver\userstore\user1\Win2008
- \fileserver\userstore\user1\Win2019
どれも使用できない場合、Profile Managementは移行プロセスを終了し、エラーを返します。