Profile Managementの使用シナリオ
Citrix Profile Managementを導入して、アプリケーションをユーザーにどのように配信するのか、またはユーザーがどこにいるのかかかわらず、異なるシナリオにおいてユーザーを管理できます。例として次のようなシナリオがあります:
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アプリケーションを公開しているCitrix Virtual Apps
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デスクトップを公開しているCitrix Virtual Apps
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分離環境にアプリケーションをストリーム配信するCitrix Virtual Apps
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Citrix Virtual Desktopsにストリーム配信されたアプリケーション
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Citrix Virtual Desktopsにインストールされたアプリケーション
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物理デスクトップにストリーム配信されたアプリケーション
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物理デスクトップにローカルでインストールされたアプリケーション
このようなシナリオについて、Citrixで一般的に使用されるユースケースは次のとおりです:
- マルチセッション - ユーザーは複数のCitrix Virtual Appsサーバーのサイロにアクセスすることにより、複数のセッションを開きます。ただし、アプリケーション分離とサーバー上へのストリーム配信が、サーバーのサイロへの代替えとなります。このトピックでは、このシナリオについて詳しく説明します。
- 「最終書き込み優先」と移動プロファイルの一貫性の問題 - 移動プロファイルへの最後の書き込みですべての設定が保存されます。したがって、複数のセッションが開いていて暫定的な変更が行われた場合、移動プロファイルに正しいデータが保持されないことがあります。また、ネットワーク、ストレージ、またはそのほかの問題により、設定がプロファイルに正しく書き込まれない場合があります。このトピックでは、このシナリオについて詳しく説明します。
- サイズの大きなプロファイルとログオン速度 - ユーザープロファイルのサイズが膨張すると、手に負えないほど大きくなり、ストレージや管理上の問題をもたらす可能性があります。通常ログオン時に、Windowsはネットワーク上のユーザーのプロファイル全体をローカルユーザーデバイスにコピーします。プロファイルサイズが大きくなり過ぎると、ユーザーのログオンにかかる時間が長くなります。
マルチセッション
特に大規模環境では、ユーザーが複数のセッションを開いて、同じサーバーファームや複数のサーバーファームにある異なるCitrix Virtual Appsサーバーでホストされる異なるアプリケーションにアクセスする必要があることもあります。可能な場合は、単一のサーバーから単一のセッションでユーザーがすべてのアプリケーションにアクセスできるよう、アプリケーションの分離やストリーム配信を考慮して同じCitrix Virtual Appsサーバー上にアプリケーションを配置します。ただし、事業単位が特定のサーバーを制御したり、アプリケーションをストリーム配信できなかったりする場合には、これを実行できないことがあります。
ユーザーが複数のCitrix Virtual Appsサーバーのアプリケーションにアクセスする必要があると判断した場合は、プロファイルに対する影響を確認する必要があります。
次の図は、複数のセッションがある場合にアプリケーション設定がなくなる可能性があることを示しています。
たとえば、ユーザー1がアプリケーションA、アプリケーションB、およびアプリケーションCにアクセスする必要があり、サーバー1、サーバー8、およびサーバー12にそれぞれルーティングされるとします。各アプリケーションにログオンすると、ユーザー1のターミナルサービス移動プロファイルが各サーバー上に読み込まれ、フォルダーが各セッションに対してリダイレクトされます。ユーザー1がサーバー1のアプリケーションAにログオンすると、ユーザー1は設定1を変更してセッションをログオフします。次に、ユーザー1はほかの2つのアプリケーションでの作業を終えて、ログオフします。
ログオフすると、途中の変更ではなく、最後に閉じられたセッション内の設定が保持されるため、サーバー1上のセッション内で行ったユーザー1による変更は上書きされます。次の日にユーザー1がアプリケーションAにログオンすると、このアプリケーションに対して行った変更はなくなってしまっています。
Profile Managementは、一般的にこのような事態が発生するのを防ぐことができます。Profile Managementはセッション中に変更された特定の設定のみをライトバックします。ほかの未変更の設定はすべてそのまま保持されます。このため、競合が発生するとすれば、ユーザー1がほかのセッション内で設定1を変更した場合にのみです。ただし、ほとんどの場合においては最後に追加した変更が保持されることが期待されるため、Profile Managementがこのシナリオで使用されることとなります。
「最終書き込み優先」および移動プロファイルの整合性の問題
このシナリオはこのトピックの最初のシナリオと類似しています。「最終書き込み優先」問題はさまざまな問題を抱えており、アクセスするデバイス数の増加に従ってユーザー操作性が悪化する可能性があります。
移動プロファイルは、リダイレクトされたフォルダーを除きすべてのプロファイルデータを保持するため、ユーザープロファイルが非常に大きくなる可能性があります。プロファイルをダウンロードする必要があるため、ユーザーのログオンに時間がかかるだけではなく、ログオフ時の書き込みフェーズにおける潜在的な非整合性の問題が大きくなることにもなります。
Profile Managementにより、特定のデータをユーザープロファイルから除外して、ユーザープロファイルのサイズを最小限のままで維持できます。プロファイルへは相違のみが書き込まれるため、ログオフの書き込みフェーズに含まれるデータはより少なく、早くなります。Profile Managementは、一時データに対してプロファイルを使用し、アプリケーションの終了時にプロファイルをクリーンアップしないアプリケーションに対して有用です。