Microsoft System Center Virtual Machine Manager仮想化環境
Hyper-VとMicrosoft System Center Virtual Machine Manager(VMM)を使用して仮想マシンを提供する場合は、このトピックのガイダンスに従ってください。
このリリースは、「システム要件」に記載されたVMMバージョンをサポートします。
Provisioning ServicesおよびMachine Creation Servicesを使用して、次のものをプロビジョニングできます:
- 第1世代デスクトップまたはサーバーOSのVM
- 第2世代Windows Server 2012 R2、Windows Server 2016、Windows 10 VM(Secure Bootあり、またはなし)
VMMのアップグレード
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VMM 2012からVMM 2012 SP1またはVMM 2012 R2へのアップグレード
VMMおよびHyper-Vホストの要件については、https://docs.microsoft.com/en-us/previous-versions/system-center/system-center-2012-R2/gg610649(v=sc.12)?redirectedfrom=MSDNを参照してください。VMMコンソールの要件については、https://docs.microsoft.com/en-us/previous-versions/system-center/system-center-2012-R2/gg610640(v=sc.12)?redirectedfrom=MSDNを参照してください。
Hyper-Vの混在クラスターはサポートされません。混在クラスターとは、Hyper-V 2008とHyper-V 2012が混在するものなどを指します。
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VMM 2008 R2からVMM 2012 SP1へのアップグレード
VMM 2008 R2を使用するXenDesktop 5.6をアップグレードする場合は、XenDesktopのダウンタイムを避けるため、次の順序でアップグレードしてください。
- VMM 5.6をXenDesktop 2012にアップグレードします(これにより、XenDesktop 5.6とVMM 2012が動作することになります)。
- XenDesktopをアップグレードします(これにより、アップグレードされたXenDesktopとVMM 2012が動作することになります)。
- VMM 2012をVMM 2012 SP1にアップグレードします(これにより、アップグレードされたXenDesktopとVMM 2012 SP1が動作することになります)。
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VMM 2012 SP1からVMM 2012 R2へのアップグレード
VMM 2012 SP1を使用するXenDesktopまたはXenApp 7.xをアップグレードする場合は、ダウンタイムを避けるため、次の順序でアップグレードしてください。
- XenDesktopまたはXenAppをアップグレードします(これにより、アップグレードされたXenDesktopまたはXenAppとVMM 2012 SP1が動作することになります)。
- VMM 2012 SP1をVMM 2012 R2にアップグレードします(これにより、アップグレードされたXenDesktopまたはXenAppとVMM 2012 R2が動作することになります)。
インストールと構成の概要
重要:
すべてのDelivery ControllerがVMMサーバーと同じフォレストに含まれている必要があります。
- ハイパーバイザーをインストールして構成します。
- サーバー上にMicrosoft Hyper-V ServerおよびVMMをインストールします。
- すべてのControllerにSystem Center Virtual Machine Managerコンソールをインストールします。コンソールのバージョンは管理サーバーと同じバージョンにする必要があります。古いコンソールを管理サーバーに接続することはできますが、バージョンが異なる場合、VDAのプロビジョニングは失敗します。
- 次のアカウント情報を確認します。
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Studioでホストを指定するために使用するアカウントは、VMM管理者またはそのHyper-VマシンのVMM委任管理者である必要があります。このアカウントにVMMの委任管理者の役割のみがある場合は、ホストの作成時にストレージデータがStudioの一覧に表示されません。
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Studio統合に使用されるユーザーアカウントは、仮想マシンのライフサイクル管理(仮想マシンの作成、更新、および削除など)を実行できるように、各Hyper-Vサーバー上のAdministratorsローカルセキュリティグループのメンバーでもある必要があります。 注: Hyper-Vが動作するサーバー上にControllerをインストールすることはサポートされていません。
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- マスターVMを作成します。
- マスター仮想マシンにVirtual Delivery Agentをインストールします。このとき、デスクトップを最適化するオプションを選択してください。これにより、パフォーマンスが向上します。
- バックアップのため、マスター仮想マシンのスナップショットを作成します。
- 仮想デスクトップを作成します。MCSを使用して仮想マシンを作成する場合、サイトまたは接続の作成時に次の手順に従います。
- ホストの種類として[Microsoft仮想化]を選択します。
- アドレスとして、ホストサーバーの完全修飾ドメイン名を入力します。
- 新しいVMを作成する権限を持つ、先にセットアップした管理者アカウントの資格情報を入力します。
- [ホスト詳細]ダイアログボックスで、仮想マシンの作成時に使用するクラスターまたはスタンドアロンホストを選択します。 重要:単一Hyper-Vホストによる展開でも、クラスターまたはスタンドアロンホストを参照して選択します。
SMB 3ファイル共有のMCS
SMB 3ファイル共有の仮想マシンストレージ上でMCSを使用して作成されたマシンカタログの場合、ControllerのHCL(Hypervisor Communications Library)からの呼び出しをSMBストレージに適切に接続できるよう、資格情報が以下の要件を満たしていることを確認する必要があります。
- VMMのユーザー資格情報には、SMBストレージに対する完全な読み取りおよび書き込みアクセス権限が必要です。
- 仮想マシンのライフサイクルイベント中のストレージ仮想ディスク操作では、Hyper-Vサーバーを介してVMMのユーザー資格情報が使用されます。
Windows Server 2012のHyper-VとVMM 2012 SP1でSMBをストレージとして使用する場合は、Controllerから各Hyper-VマシンへのCredSSP(Authentication Credential Security Support Provider)を有効にしてください。詳しくは、CTX137465を参照してください。
標準のPowerShell V3リモートセッションを使用すると、HCLはCredSSPを使ってHyper-Vマシンへの接続を開きます。この機能では、Kerberosで暗号化されたユーザーの資格情報がHyper-Vマシンに渡され、この資格情報(この場合はVMMユーザーの資格情報)を使用してリモートのHyper-Vマシン上のセッション内でPowerShellコマンドが実行されます。これにより、ストレージに対する通信コマンドが正しく動作します。
以下のタスクでは、HCLからHyper-Vマシンに送信されてSMB 3.0ストレージ上で動作するPowerShellスクリプトを使用します。
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マスターイメージの統合 - マスターイメージにより、新しいMCSプロビジョニングスキーム(マシンカタログ)が作成されます。作成された新しいディスクから新しい仮想マシンを作成できるようにマスター仮想マシンを複製およびフラット化(および元のマスター仮想マシンの依存関係を削除)します。
root\virtualization\v2名前空間でConvertVirtualHardDiskを実行します。
例:
$ims = Get-WmiObject -class $class -namespace "root\virtualization\v2"; $result = $ims.ConvertVirtualHardDisk($diskName, $vhdastext) $result
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差分ディスクの作成 - マスターイメージを統合して作成されたマスターイメージから、差分ディスクを作成します。この差分ディスクは、新しい仮想マシンに接続されます。
root\virtualization\v2名前空間でCreateVirtualHardDiskを実行します。
例:
$ims = Get-WmiObject -class $class -namespace "root\virtualization\v2"; $result = $ims.CreateVirtualHardDisk($vhdastext); $result
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IDディスクのアップロード - HCLでは、IDディスクをSMBストレージに直接アップロードすることはできません。そのため、Hyper-VマシンがIDディスクをストレージにアップロードしてコピーする必要があります。Hyper-VマシンはControllerからディスクを読み取れないため、HCLはHyper-Vマシンを介してIDディスクをコピーしておく必要があります。
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HCLは管理者共有を介してIDディスクをHyper-Vマシンにアップロードします。
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PowerShellリモートセッションで実行されるPowerShellスクリプトにより、Hyper-VマシンがIDディスクをSMBストレージにコピーします。Hyper-Vマシン上にフォルダーが作成され、(リモートPowerShell接続を介して)そのフォルダーに対する権限がVMMユーザーのみにロックされます。
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HCLが管理者共有からファイルを削除します。
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HCLがHyper-VマシンへのIDディスクのアップロードを完了すると、リモートPowerShellセッションによってIDディスクはSMBストレージにコピーされ、Hyper-Vマシンから削除されます。
IDディスクフォルダーが削除された場合は再作成され、再使用できるようになります。
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IDディスクのダウンロード - アップロードの場合と同様に、IDディスクがHyper-VマシンからHCLに渡されます。次の処理により、Hyper-Vサーバー上にVMMユーザー権限のみを持つフォルダーが作成されます(存在しない場合)。
- PowerShell V3リモートセッションで実行されるPowerShellスクリプトにより、Hyper-VマシンがSMBストレージからローカルのHyper-VストレージにIDディスクをコピーします。
- HCLがHyper-Vマシンの管理者共有からIDディスクをメモリ内に読み取ります。
- HCLが管理者共有からファイルを削除します。
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Personal vDiskの作成 - 管理者がPersonal vDiskマシンカタログで仮想マシンを作成する場合、空のディスク(Personal vDisk)を作成する必要があります。
空のディスクを作成する呼び出しでは、ストレージへの直接アクセスが不要です。メインまたはオペレーティングシステムディスクとは異なるストレージ上にPersonal vDiskがある場合は、リモートPowerShellを使って作成元の仮想マシンと同じ名前のディレクトリにPersonal vDiskを作成します。CSVまたはLocalStorageに対しては、リモートPowerShellを使用しないでください。空のディスクを作成する前にディレクトリを作成しておくと、VMMコマンドエラーを避けることができます。
Hyper-Vマシンから、ストレージ上でmkdirを実行します。