Citrix Cloudを介したAzure Active Directoryでの認証
Endpoint Managementでは、Citrix Cloudを介したAzure Active Directory(Azure AD)の資格情報による認証をサポートしています。この認証方法は、Citrix WorkspaceアプリまたはCitrix Secure Hubを介してMDMに登録するユーザーのみが利用できます。Endpoint ManagementでWorkspaceが有効になっている場合、ユーザーはCitrix Workspaceアプリからリソースにアクセスします。Citrix WorkspaceとCitrix Endpoint Managementの統合を有効にしない場合、ユーザーはSecure Hubからリソースにアクセスします。
MAMに登録しているデバイスは、Azure AD資格情報を使用してCitrix Cloud経由で認証できません。Secure HubをMDM+MAMで使用するには、Endpoint ManagementでMAM登録にCitrix Gatewayを使用するよう構成します。詳しくは、「Citrix GatewayとEndpoint Management」を参照してください。
Endpoint Managementは、Citrix CloudサービスであるCitrix IDを使用して、Azure Active Directoryへのフェデレーションを行います。Azure Active Directoryに直接接続するのではなく、Citrix IDプロバイダーを使用することをお勧めします。
Endpoint Managementは、次のプラットフォームでAzure ADによる認証をサポートしています:
- Apple Business ManagerまたはApple School Managerに登録されていないiOSおよびmacOSデバイス
- Apple Business Managerに登録されているiOSおよびmacOSデバイス
- Android Enterpriseデバイス(プレビュー)、BYOD(Bring Your Own Device)および完全管理モード用
Citrix Cloudを介したAzure ADによる認証には、次の制限があります:
- Endpoint Managementローカルアカウントでは使用できません。
- 登録招待状のAzure ADによる認証をサポートしていません。登録URLを含む登録招待状をユーザーに送信する場合は、ユーザーはAzure ADの代わりにLDAPを使用して認証します。
前提条件
- Azure Active Directoryユーザーの資格情報
- Active Directoryのユーザーグループは、Azure Active Directoryのユーザーグループと一致する必要があります。
- Active Directoryのユーザー名とメールアドレスは、Azure Active Directoryのものと一致する必要があります。
- ディレクトリサービスの同期のためにCitrix Cloud ConnectorがインストールされたCitrix Cloudアカウント
- Citrix Gateway。完全なシングルサインオンエクスペリエンスを実現するには、証明書ベースの認証を有効にすることをCitrixではお勧めします。モバイルアプリケーション管理(MAM:Mobile Application Management)登録のために、Citrix GatewayでLDAP認証を使用する場合、登録中にエンドユーザーには二重認証プロンプトが表示されます。詳しくは、「クライアント証明書、または証明書とドメイン認証の組み合わせ」を参照してください。
- Endpoint ManagementでWorkspaceが有効になっていない場合はSecure Hub。
- Endpoint ManagementでWorkspaceが有効になっている場合はCitrix Workspaceアプリ。Citrix Workspace統合を有効にする方法について詳しくは、「ワークスペースの構成」を参照してください。
- Android Enterpriseの登録プロファイルで、[ユーザーにデバイス管理の許否を許可] を [オフ] にする必要があります。ユーザーがデバイス管理を拒否した場合、登録の際にIDプロバイダーを使用して認証することができなくなります。詳しくは、「登録セキュリティ」を参照してください。
この機能は、Workspaceを有効にしているかどうかに関係なく構成できます。
Endpoint ManagementでWorkspaceが有効になっている場合の構成
Endpoint ManagementをCitrix Workspaceと統合する場合、Citrix Cloudを介してAzure ADで認証を構成する一般的な手順は次のとおりです:
- Azure ADをIDプロバイダーとして使用するようにCitrix Cloudを構成する。
- Citrix Workspaceの認証方法としてAzure ADを構成する。
Endpoint ManagementでWorkspaceが有効になっていない場合の構成
Citrix WorkspaceがEndpoint Managementで有効になっていない場合、Citrix Cloudを介してAzure ADで認証を構成する一般的な手順は次のとおりです:
- Azure ADをIDプロバイダーとして使用するようにCitrix Cloudを構成する。
- Citrix IDをEndpoint ManagementのIDPタイプとして構成する
この構成後、ドメインに参加しているSecure Hubユーザーは、Secure Hubを使用してAzure AD資格情報でサインオンできます。Secure Hubでは、MAMデバイスのクライアント証明書認証を使用します。
Azure Active DirectoryをIDプロバイダーとして使用するようにCitrix Cloudを構成する
Citrix WorkspaceアプリとSecure Hubで使用するためにこのサービスをセットアップするには、Citrix CloudでAzure Active Directoryを構成します。
-
https://citrix.cloud.comでCitrix Cloudアカウントにサインインします。
-
Citrix Cloudメニューから [IDおよびアクセス管理] ページに移動し、Azure Active Directoryに接続します。
-
管理者のサインインURLを入力し、[接続] をクリックします。
-
サインインすると、Azure Active DirectoryアカウントがCitrix Cloudに接続されます。[IDおよびアクセス管理]>[認証] ページに、Citrix CloudアカウントとAzure ADアカウントへのサインインに使用するアカウントが表示されます。
-
Citrix WorkspaceアプリよびSecure Hubを介して登録するユーザーのAzure ADによる認証を有効にするには、[ワークスペース構成]>[認証] で、[Azure Active Directory] を選択します。構成が完了したら、Citrix WorkspaceアプリおよびSecure Hubからユーザーデバイスを登録できます。
Citrix IDをEndpoint ManagementのIDPタイプとして構成する
この構成は、Secure Hubを介して登録するユーザーにのみ適用されます。Citrix CloudでAzure Active Directoryを構成したら、次のようにEndpoint Managementを構成します。
-
Endpoint Managementコンソールで [設定]>[IDプロバイダー(IDP)] に移動し、[追加] をクリックします。
-
[IDプロバイダー(IDP)] ページで、次の項目を構成します:
- IDP名: 作成するIDP接続を識別できる一意の名前を入力します。
- IDPの種類: [Citrix IDプラットフォーム] を選択します。
- 認証ドメイン: [Azure Active Directory] を選択します。このドメインは、Citrix Cloudの [ワークスペース構成]>[認証] ページのIDプロバイダードメインに対応しています。
-
[次へ] をクリックします。[IDPクレームの使用状況] ページで、次の項目を構成します:
- ユーザー識別子の種類: このフィールドは、デフォルトでは [userPrincipalName] に設定されています。オンプレミスのActive DirectoryとAzure Active Directoryの両方で、すべてのユーザーが同じ識別子で構成されていることを確認してください。Endpoint Managementは、この識別子を使用して、IDプロバイダーのユーザーをオンプレミスのActive Directoryユーザーにマップします。
- ユーザー識別子の文字列: このフィールドは自動入力されます。
-
[次へ] を選択して [概要] ページを確認し、[保存] をクリックします。
これで、Secure Hubユーザー、Endpoint Managementコンソール、Self Help PortalユーザーがAzure Active Directoryの資格情報を使用してサインインできるようになります。
Secure Hubの認証フロー
Endpoint Managementは次のフローにより、Secure Hubを介して登録されたデバイス上のIDプロバイダーとしてAzure ADを使用してユーザーを認証します:
- Secure Hubを起動します。
- Secure Hubが認証要求をCitrix IDに渡し、Citrix IDがこの要求をAzure Active Directoryに渡します。
- ユーザーは、Azure Active Directoryのユーザー名とパスワードを入力します。
- Azure Active Directoryがユーザーを検証し、Citrix IDにコードを送信します。
- Citrix IDがコードをSecure Hubに送信し、Secure HubがコードをEndpoint Managementサーバーに送信します。
- Endpoint Managementがコードとシークレットを使用してIDトークンを取得し、IDトークンに含まれるユーザー情報を検証します。Endpoint ManagementはセッションIDを返送します。