Delivery Controller
Delivery Controllerは、ユーザーアクセスの管理や接続の仲介と最適化を行うためのサーバー側のコンポーネントです。また、Controllerは、デスクトップおよびサーバーイメージを作成するMachine Creation Serviceも提供します。
サイトには、1つ以上のControllerが必要です。1つめのControllerのインストール後、サイトを作成するとき、または後日、さらにControllerを追加できます。サイトに複数のControllerがあると、以下の2つの利点がもたらされます。
- 冗長性: ベストプラクティスとしては、実稼働サイトでは、常時2つ以上のControllerをそれぞれ異なる物理サーバー上に配置することをお勧めします。一方のControllerに障害が発生しても、他方のControllerで接続を管理し、サイトを制御できます。
- スケーラビリティ: サイトのアクティビティが増えるにつれ、Controller上のCPU使用量およびデータベースアクティビティも増加します。Controllerを追加すると、より多くのユーザーやより多くのアプリケーションやデスクトップ要求を処理できるようになり、制御処理全体を向上させることができます。
各Controllerは、サイトデータベースと直接通信を行います。複数のゾーンを持つサイトでは、各ゾーンに存在するControllerが、プライマリゾーンにあるサイトデータベースと通信します。
重要: サイトの構成後、コンピューター名やControllerのドメインメンバーシップを変更しないでください。
ControllerへのVDAの登録方法
VDAを使用するには、そのサイトのDelivery Controllerに登録(接続を確立)する必要があります。VDA登録について詳しくは、「Delivery ControllerによるVDA登録」を参照してください。
Controllerの追加、削除、または移動
Controllerの追加、削除、移動を行うには、データベースの記事に記載されているサーバーの役割とデータベースの役割の権限が必要です。
SQLクラスター化またはSQLミラー化インストールにおける、ノード上へのControllerのインストールはサポートされていません。
展開環境でデータベースのミラーリングを使用している場合は、以下の点について注意してください。
- Controllerを追加、削除、または移動する前に、プライマリデータベースとミラーデータベースの両方が実行中であることを確認してください。また、SQL Server Management Studioでスクリプトを使用している場合は、SQLCMDモードを有効にしてください。
- Controllerの追加、削除、または移動後にミラーリングを確認するには、PowerShellコマンドレットGet-configdbconnectionを実行し、ミラーに対する接続文字列でフェールオーバーパートナーが設定されているか確認します。
Controllerの追加、削除、または移動後の作業
- 自動更新が有効な場合は、VDAは90分以内に最新のController一覧を受信します。
- 自動更新が無効な場合は、すべてのVDAについてControllerポリシー設定またはListOfDDCsレジストリキーが更新されていることを確認してください。Controllerをほかのサイトに移動した後は、両方のサイト上でポリシー設定またはレジストリキーを更新する必要があります。
Controllerの追加
Controllerは、サイトの作成時、または後日、追加できます。以前のバージョンがインストールされたControllerをこのバージョンのサイトに追加することはできません。
- サポートされているオペレーティングシステムが稼動しているサーバーでインストーラーを実行します。Delivery Controllerコンポーネントと、必要なコアコンポーネントをすべてインストールします。インストールウィザードを完了します。
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サイトをまだ作成していない場合は、Studioを起動します。サイトの作成を促すメッセージが表示されます。[サイトの作成]ウィザードの[データベース]ページで[選択]ボタンをクリックし、追加するControllerがインストールされているサーバーのアドレスを追加します。
データベースの初期化スクリプトを生成する場合は、そのスクリプトを生成する前にControllerを追加してください。
- サイトの作成がすでに済んでいる場合は、Studioで、追加のControllerをインストールしたサーバーを指定します。[展開の変更] をクリックし、サイトのアドレスを入力します。
Controllerの削除
Controllerを削除すると、Citrixソフトウェアやそのほかのコンポーネントはアンインストールされませんが、データベースからそのControllerが削除されます。このため、このControllerでは接続の仲介やそのほかのタスクを実行できなくなります。削除したControllerを、後で元のサイトや別のサイトに追加することができます。サイトには最低1つのControllerが必要なため、Studioの一覧に表示される最後のControllerを削除することはできません。
サイトからController削除しても、データベースサーバーへのControllerログオンは削除されません。これは、同じマシン上のほかの製品のサービスで使用されるログオンが削除されるのを防ぐためです。ログオンが必要ない場合には、手動で削除する必要があります。ログオンの削除には、securityadminサーバーロール権限が必要です。
重要: サイトからControllerを削除するまでは、Active DirectoryでそのControllerを削除しないでください。
- Controllerが動作しており、1時間以内にそのControllerがStudioにロードされることを確認してください。削除するControllerがStudioにロードされたら、メッセージに従ってControllerをシャットダウンしてください。
- Studioのナビゲーションペインで [構成]>[Controller] の順に選択し、削除するControllerを選択します。
- [操作]ペインで [Controllerの削除] を選択します。適切なデータベースロールや権限がない場合は、Controllerを削除するためのスクリプトを生成できます。そのスクリプトの実行をデータベース管理者に依頼してください。
- データベースサーバーからControllerのマシンアカウントを削除しなければならない場合があります。これを行う前に、ほかのサービスがそのアカウントを使用していないことを確認してください。
Studioを使ってControllerを削除した後、実行中のタスクを適切に完了させるためにそのControllerへのトラフィックがしばらく残ることがあります。Controllerを即座に削除するには、Controllerがインストールされているサーバーをシャットダウンするか、Active Directoryからそのサーバーを削除することをお勧めします。その後で、サイト内のほかのControllerを再起動します。これにより、削除されたControllerとの通信が行われなくなります。
Controllerの別のゾーンへの移動
サイトに複数のゾーンが含まれている場合、Controllerを別のゾーンに移動できます。VDA登録やほかの操作に対するこの操作の影響については、ゾーンの記事を参照してください。
- Studioのナビゲーションペインで [構成]>[Controller] の順に選択し、移動するControllerを選択します。
- [操作]ペインで [移動] を選択します。
- Controllerの移動先ゾーンを指定します。
Controllerの別のサイトへの移動
このソフトウェアの以前のバージョンで作成されたサイトには、Controllerを移動できません。
- Controllerが現在配置されているサイト(移動元サイト)でStudioを開き、ナビゲーションペインで [構成]>[Controller] の順に選択し、移動するControllerを選択します。
- [操作]ペインで [Controllerの削除] を選択します。データベースに対する適切な役割や権限がない場合は、Controllerを削除するためのスクリプトを生成できます。そのスクリプトの実行をデータベース管理者など該当する権限を持つユーザーに依頼してください。サイトには最低1つのControllerが必要なため、Studioの一覧に表示される最後のControllerを削除することはできません。
- 移動するControllerでStudioを開き、確認メッセージに応じてサービスをリセットします。さらに、[既存のサイトへ参加]を選択して、移動先サイトのアドレスを入力します。
VDAから別のサイトへの移動
VDAがCitrix Provisioningを使ってプロビジョニングされた場合、または既存のイメージの場合は、アップグレード時、またはテストサイトで作成されたVDAイメージを実稼働サイトに移動させる場合に、VDAをほかのサイトに移動(サイト1からサイト2へ)できます。MCSはListOfDDCsの変更をサポートせずVDAはControllerへの登録をチェックするため、 Machine Creation Services(MCS)を使ってプロビジョニングされたVDAをあるサイトから別のサイトには移動できません。MCSを使ってプロビジョニングされるVDAは、作成されたサイトに割り当てられたListOfDDCsをチェックします。
VDAをほかのサイトに移動するにはインストーラーを使用するか、Citrixポリシーを使用します。
インストーラー
インストーラーを実行して、サイト2のControllerの完全修飾ドメイン名(DNSエントリ)を指定してこのControllerを追加します。
Controllerのポリシー設定を使用しない場合にのみ、インストーラーでControllerを指定してください。
グループポリシーエディター
次の例では、複数のVDAをほかのサイトに移動します。
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サイト1でポリシーを作成して以下のように設定し、そのポリシーをVDA移行を行うデリバリーグループに割り当てます。
- Controller:サイト2の1つまたは複数のControllerの完全修飾ドメイン名(DNSエントリ)を指定します。
- Controllerの自動更新を有効にする:[無効]に設定します。
- デリバリーグループの各VDAは、新しいポリシーの適用後90分以内にアラートを受信します。VDAは、受信したControllerの一覧を無視して(自動更新が無効なため)、ポリシーで指定されているサイト2のいずれかのControllerを選択します。
- VDAがサイト2のControllerへの登録に成功すると、サイト2のListOfDDCsおよびポリシー情報を受け取って、これにより自動更新が有効になります。サイト1での登録先のControllerがサイト2のControllerによって送信された一覧にはないため、サイト2の一覧のControllerのいずれかにVDAが再登録されます。これにより、VDAはサイト2からの情報に基づいて自動的に更新されます。