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ゾーン

Mar 25, 2016

展開がWANで接続された広範な場所に分散している場合、ネットワークの遅延と信頼性に関する問題が発生することがあります。 このような問題の影響を軽減するには、次の2つの方法があります。

  • それぞれに独自のSQL Serverサイトデータベースを持つ複数のサイトの展開

このオプションは、大規模な環境で推奨されます。 複数サイトは個別に管理され、各サイトに独自のSQL Serverサイトデータベースが必要です。 各サイトが個別のXenApp展開です。

  • 単一サイト内に複数のゾーンを構成します。

ゾーンを構成することにより、リモートのユーザーが、WANの大規模セグメントを経由する接続を必ずしも必要とせず、リソースに接続できるようにサポートできます。 ゾーンを使用することにより、単一のCitrix Studioコンソール、Citrix Director、およびサイトデータベースからの効果的なサイト管理が実現します。 これにより、リモートの場所への追加サイト(個別のデータベースを含む)の展開、それに要する人員の配置、ライセンス取得、および運用のコストが削減されます。

ゾーンは、あらゆる規模の展開で有用です。 ゾーンを使用して、アプリケーションおよびデスクトップとエンドユーザーの距離を縮めることにより、パフォーマンスを改善することができます。 1つのゾーンにおいて、1つまたは複数のControllerをローカルでインストールして冗長性と回復性を確保することができますが、これは必須ではありません。

このアーティクルを通じ、「ローカル」という用語は、対象となるゾーンを指しています。 たとえば、「VDAはローカルControllerに登録されます」という場合、VDAが存在するゾーンのControllerに登録されることを意味します。

このリリースでのゾーンは、XenApp Version 6.5以前と大きな違いはありませんが、同一ではありません。 たとえば、このゾーン実装では、データコレクターが存在しません。 サイトのすべてのControllerが、プライマリゾーンの1つのサイトデータベースと通信します。 また、このリリースではフェールオーバーおよび優先ゾーンの機能が異なります。

ゾーンの種類

1つのサイトには、必ず1つのプライマリゾーンがあります。 また、サイトにはオプションで1つまたは複数のサテライトゾーンを含めることもできます。 サテライトゾーンは、障害回復、地理的に離れたデータセンター、支社、クラウド、またはクラウドのアベイラビリティゾーンに使用できます。

プライマリゾーン

プライマリゾーンのデフォルト名は「プライマリ」です。これには、SQL Serverサイトデータベース(および使用している場合は高可用性SQL Server)、Studio、Director、Citrix StoreFront、Citrixライセンスサーバー、およびNetScaler Gatewayが含まれます。 サイトデータベースは、必ずプライマリゾーンに含まれている必要があります。

また、プライマリゾーンには、冗長性確保のために少なくとも2つのControllerが含まれている必要があります。また、データベースおよびインフラストラクチャと密結合されたアプリケーションを含む1つまたは複数のVDAが含まれる場合があります。

サテライトゾーン

サテライトゾーンには、1つまたは複数のVDAと、Controller、StoreFrontサーバー、およびNetScaler Gatewayサーバーが含まれます。 通常時には、サテライトゾーンのControllerはプライマリゾーンのデータベースと直接通信します。

特に大きなサテライトゾーンには、そのゾーンのマシンのプロビジョニングまたは保存(もしくはその両方)に使用されるハイパーバイザーも含まれる場合があります。 サテライトゾーンの構成時には、ハイパーバイザーまたはクラウドサービス接続をサテライトゾーンに関連付けることができます (この接続を使用するマシンカタログが同じゾーンに含まれていることを確認してください)。

それぞれのニーズと環境に応じて、1つのサイトに異なる種類のサテライトゾーンを含めることができます。 次の図は、1つのプライマリゾーンと、複数のサテライトゾーンの例を示しています。  

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  • プライマリゾーンには、2つのController、Studio、Director、StoreFront、ライセンスサーバー、サイトデータベース(および高可用性SQL Server展開)が含まれています。 また、プライマリゾーンには複数のVDAおよびNetScaler Gatewayも含まれています。
  • サテライトゾーン1 - VDA(Controllerあり)

サテライトゾーン1には、Controller、VDA、およびStoreFrontサーバーが含まれています。  このサテライトゾーンのVDAは、ローカルControllerに登録されます。 ローカルControllerは、プライマリゾーンのサイトデータベースおよびライセンスサーバーと通信します。

WANで障害が発生した場合、接続リース機能を使用して、サテライトゾーンのControllerがそのゾーンのVDAへの接続を引き続き仲介することができます。 このような展開は、オフィスを社内ネットワークに接続するWANリンクで障害が発生しても、作業者がローカルStoreFrontサイトおよびローカルControllerを使用してローカルリソースにアクセスするオフィスで効果的です。

  • サテライトゾーン2 - VDA(冗長Controllerあり)

サテライトゾーン2には2つのController、VDA、およびStoreFrontサーバーが含まれています。 この種類のゾーンは回復性が最も高く、WANとローカルControllerの1つで同時に障害が発生しても、それに耐えることができます。

VDAの登録とControllerのフェールオーバー

プライマリゾーンとサテライトゾーンを含み、VDAのバージョンが7.7以降のサイトでは、以下のルールが適用されます。

  • プライマリゾーンのVDAは、プライマリゾーンのControllerに登録されます。 プライマリゾーンのVDAでは、サテライトゾーンのControllerへの登録が試行されることはありません。
  • サテライトゾーンのVDAは、可能な場合はローカルControllerに登録されます (これが優先Controllerになります)。ローカルControllerを利用できない場合(ゾーンにローカルControllerがない場合、ローカルControllerで追加のVDA登録を受け入れられない場合、ローカルControllerで障害が発生している場合など)、VDAではプライマリゾーンのControllerへの登録が試行されます。 この場合、サテライトゾーンのControllerが再び利用可能になっても、VDAはプライマリゾーンで登録されたままになります。 サテライトゾーンのVDAでは、別のサテライトゾーンのControllerへの登録が試行されることはありません。
  • ControllerのVDA検出で自動更新が有効になっており、VDAのインストール時にControllerアドレスの一覧を指定した場合、初回登録では、(Controllerが含まれるゾーンに関係なく)その一覧からランダムにControllerが選択されます。 そのVDAが含まれるマシンが再起動された後、そのローカルゾーン内のControllerがVDA登録の優先Controllerになります。
  • サテライトゾーンのControllerで障害が発生した場合、可能であれば別のローカルControllerへのフェールオーバーが実行されます。 ローカルControllerを利用できない場合は、プライマリゾーンのControllerへのフェールオーバーが実行されます。
  • Controllerをゾーン内またはゾーン外に移動し、自動更新が有効である場合、両方のゾーンのVDAに対し、ローカルのControllerとプライマリゾーンのControllerを示す更新された一覧が送信されます。これにより、登録および接続の受け入れが可能なControllerがVDAで認識されます。
  • マシンカタログを別のゾーンに移動すると、そのカタログのVDAが、カタログを移動したゾーンのControllerに再登録されます (カタログの移動時には、関連するホスト接続も同じゾーンに移動してください)。
  • プライマリゾーンのControllerには、すべてのゾーンの接続リース機能データが保持されます。 サテライトゾーンのControllerには、そのゾーンおよびプライマリゾーンの接続リース機能データが保持されますが、ほかのサテライトゾーンのデータは保持されません。

Version 7.7よりも前のVDAバージョンが含まれるサイトでは、以下のルールが適用されます。

  • サテライトゾーンのVDAでは、そのローカルゾーンおよびプライマリゾーンのControllerからの要求が受け入れられます (Version 7.7以降のVDAでは、ほかのセカンダリゾーンからのController要求を受け入れることができます)。
  • サテライトゾーンのVDAは、プライマリゾーンまたはローカルゾーンのControllerにランダムに登録されます (Version 7.7以降のVDAでは、ローカルゾーンが優先されます)。

考慮事項、要件、およびベストプラクティス

  • ゾーンには、Controller、マシンカタログ、およびホスト接続を配置することができます。 マシンカタログでホスト接続が使用される場合、カタログと接続の両方が同じゾーンに含まれている必要があります。 
  • 実稼働サイトを作成してから、最初のマシンカタログおよびデリバリーグループを作成した場合、すべてのアイテムがプライマリゾーンに含まれます。初期セットアップを完了するまで、サテライトゾーンは作成できません  (空のサイトを作成した場合、プライマリゾーンには初期状態ではControllerのみが含まれています。サテライトゾーンは、マシンカタログおよびデリバリーグループの作成前または作成後に作成できます)。
  • 1つまたは複数のアイテムが含まれる最初のサテライトゾーンを作成する場合、サイトのそのほかすべてのアイテムはプライマリゾーンに残ります。
  • プライマリゾーンのデフォルト名は「プライマリ」です。この名前は変更できます。 Studio表示ではどのゾーンがプライマリゾーンかが示されますが、プライマリゾーンには容易に特定できる名前を使用するのがベストプラクティスです。 プライマリゾーンは再割り当てする(すなわち、別のゾーンをプライマリゾーンにする)ことができます。ただし、プライマリゾーンには必ずサイトデータベースと高可用性サーバーが含まれている必要があります。
  • サイトデータベースは、必ずプライマリゾーンに含まれている必要があります。
  • ゾーンを作成した後、アイテムをゾーン間で移動できます。 この柔軟性により、近くに配置することによって最適に機能する複数のアイテムを別々のゾーンに配置してしまう可能性があります。たとえば、マシンカタログを、カタログ内のマシンを作成する接続(ホスト)とは別のゾーンに移動すると、パフォーマンスが低下する可能性があります。 そのため、アイテムをゾーン間で移動する前に、意図しない影響が出る可能性を考慮してください。 カタログと、カタログで使用されるホスト接続は、同じゾーン内に保持します。
  • パフォーマンスを最適化するため、StudioとDirectorはプライマリゾーンのみにインストールします。 サテライトゾーンに追加のStudioインスタンスが必要な場合(Controllerが含まれるサテライトゾーンが、プライマリゾーンにアクセスできなくなった場合のフェールオーバーとして使用されている場合など)、Studioをローカル公開アプリケーションとして実行します。 DirectorはWebアプリケーションであるため、サテライトゾーンからもアクセスできます。
  • サテライトゾーンのNetScaler Gatewayはゾーン内の接続に使用できますが、ほかのゾーンまたは外部からそのゾーンへのユーザー接続に使用するのが理想的です。

ゾーンの作成と管理

すべての管理権限を実行できる管理者は、ゾーンの作成および管理に関するすべてのタスクを実行できます。 ただし、ゾーンを作成、編集、または削除できるカスタムの役割を作成することもできます。 アイテムをゾーン間で移動するために、ゾーン関連の権限(ゾーン読み取り権限を除く)は必要ありません。ただし、移動するアイテムの編集権限は必要になります。 たとえば、マシンカタログをゾーン間で移動するには、そのマシンカタログの編集権限が必要です。 詳しくは、「委任管理」を参照してください。

Provisioning Servicesを使用する場合:このリリースで提供されるProvisioning Servicesコンソールではゾーンが認識されないため、Studioを使用して、サテライトゾーンに配置するマシンカタログを作成することをお勧めします。 Studioウィザードを使用してカタログを作成し、適切なサテライトゾーンを指定します。 その後、Provisioning Servicesコンソールを使用して、そのカタログのマシンをプロビジョニングします (Provisioning Servicesウィザードを使用してカタログを作成した場合、カタログはプライマリゾーンに配置されます。後でサテライトゾーンに移動するにはStudioを使用する必要があります)。

ゾーンの作成

  1. Studioのナビゲーションペインで[構成]>[ゾーン]の順に選択します。
  2. [操作]ペインの[ゾーンの作成]を選択します。
  3. ゾーンの名前と説明(オプション)を入力します。 名前はサイト内で一意にする必要があります。
  4. 新しいゾーンに配置するアイテムを選択します。 選択できるアイテムの一覧では、フィルターまたは検索を実行できます。 また、アイテムを選択せずに空のゾーンを作成することもできます。
  5. [Save]をクリックします。

もう1つの方法として、Studioで1つまたは複数のアイテムを選択してから、[操作]ペインの[ゾーンの作成]を選択することもできます。

ゾーンの名前または説明の変更

  1. Studioのナビゲーションペインで[構成]>[ゾーン]の順に選択します。
  2. ゾーンを選択し、[操作]ペインの[ゾーンの編集]を選択します。
  3. ゾーンの名前または説明(もしくはその両方)を変更します。 プライマリゾーンの名前を変更する場合、そのゾーンをプライマリゾーンとして容易に特定できるようにしてください。
  4. [OK]または[適用]をクリックします。

アイテムのゾーン間移動

  1. Studioのナビゲーションペインで[構成]>[ゾーン]の順に選択します。
  2. 1つまたは複数のアイテムを選択します。
  3. アイテムを移動先ゾーンにドラッグするか、または[操作]ペインで[アイテムを移動]を選択してから移動先ゾーンを指定します。

選択したアイテムが確認メッセージで一覧にされ、それらすべてのアイテムを移動するかどうかが確認されます。

注意:マシンカタログでハイパーバイザーまたはクラウドサービスへのホスト接続が使用される場合、カタログと接続の両方が同じゾーンに含まれている必要があります。  同じゾーンに含まれていない場合、パフォーマンスが低下する可能性があります。 どちらかのアイテムを移動したら、もう1つのアイテムも移動してください。

ゾーンの削除

ゾーンは、削除する前に空にする必要があります。 プライマリゾーンは削除できません。

  1. Studioのナビゲーションペインで[構成]>[ゾーン]の順に選択します。
  2. ゾーンを選択します。
  3. [操作]ペインの[ゾーンの削除]を選択します。 ゾーンが空ではない(アイテムが含まれている)場合、それらのアイテムの移動先ゾーンを選択するよう指示するメッセージが表示されます。
  4. 削除を確認します。

ゾーンの指定が含まれるそのほかの操作

サテライトゾーンを少なくとも1つ既に作成している場合、ホストの接続時またはマシンカタログの作成時(サイト作成時を除く)に、アイテムの割り当て先ゾーンを指定できます。

ほとんどの場合、プライマリゾーンがデフォルトで指定されます。 Machine Creation Servicesを使用してマシンカタログを作成する場合、ホスト接続に対して構成されたゾーンが自動的に選択されます。

サイトにサテライトゾーンが含まれていない場合は、プライマリゾーンとして処理され、ゾーン選択ボックスは表示されません。