SNMPの監視
XenMobile ServerでSNMP監視を有効にすると、監視システムがXenMobileノード上の情報をクエリして取得できるようになります。クエリでは、プロセッサ負荷、負荷平均、メモリ使用状況、接続性などのパラメーターを使用します。認証および暗号化の仕様など、SNMP v3について詳しくは、RFC 3414の公式のSNMPドキュメントを参照してください。
注:
SNMP v3の監視は、XenMobile Server 10.8以降でサポートされています。
SCOM(System Center Operations Manager)などのSNMP監視をサポートするさまざまな監視アプリケーションを使用できます。SCOMの構成について詳しくは、Citrix Support Knowledge Centerの記事を参照してください。
前提条件
次のTCPポートを構成します。
- ポート161(UDP): UDPプロトコルを使用するSNMPトラフィックに使用されます。接続元はSNMPマネージャーで、接続先はXenMobileです。
- ポート162(UDP): XenMobileからSNMPマネージャーにSNMPトラップ通知を送信するために使用されます。接続元はXenMobileで、接続先はSNMPマネージャーです。
XenMobileのポート構成について詳しくは、「ポート要件」を参照してください。
SNMPを含むオンプレミスのXenMobile環境のアーキテクチャ図については、「オンプレミス環境のリファレンスアーキテクチャ」を参照してください。
SNMPを設定する一般的な手順は次のとおりです。
- ユーザーの追加: ユーザーは、トラップの受信とXenMobile Serverの監視権限を継承します。
- SNMPマネージャーを追加してトラップを受信: トラップとは、XenMobileノードがユーザー定義の最大しきい値を超えたときにXenMobileによって生成される通知です。
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XenMobileと対話するようにSNMPマネージャを設定: XenMobile Serverは特定の管理情報ベース(MIB)を使用して処理を実行します。MIBは、XenMobileコンソールの [設定]>[SNMPの構成] ページからダウンロードします。次にMIBインポーターを使用して、MIBをSNMPマネージャーにインポートします。
注:
すべてのSNMPマネージャーには、固有のMIBインポーターがあります。
- トラップの有効化: XenMobileコンソールでトラップを有効にし、環境に応じて間隔としきい値を定義します。
- サードパーティのSNMPマネージャ内のトラップを表示する: トラップを表示するには、SNMPマネージャを確認します。一部のマネージャーでは、マネージャーの外部で通知を有効にする設定が可能です。電子メールなどに通知が表示されるように構成できます。
XenMobileから次のトラップを生成できます。
トラップ名: プロセッサ負荷
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.2.1.25.3.3.1.2
- 説明: ユーザー定義の間隔でシステムのCPU負荷を監視します。負荷がカスタムしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: 1分間の負荷平均
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.2021.10.1.5.1
- 説明: ユーザー定義の間隔で1分間の平均システム負荷を監視します。負荷平均がカスタムしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: 5分間の負荷平均
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.2021.10.1.5.2
- 説明: ユーザー定義の間隔で5分間の平均システム負荷を監視します。負荷平均がカスタムしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: 15分間の負荷平均
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.2021.10.1.5.3
- 説明: ユーザー定義の間隔で15分間の平均システム負荷を監視します。負荷平均がカスタムしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: 使用可能なメモリの合計
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.2021.4.11
- 説明: ユーザー定義の間隔で使用可能なメモリを監視します。平均メモリがカスタムしきい値を下回る場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。注:使用可能なメモリの合計には、RAMメモリとスワップメモリ(仮想メモリ)の両方が含まれます。スワップメモリの合計を取得するには、SNMP OID .1.3.6.1.4.1.2021.4.3を使用してクエリできます。使用可能なスワップメモリを取得するには、SNMP OID .1.3.6.1.4.1.2021.4.4を使用してクエリできます。
トラップ名: 使用ディスクストレージ合計
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.2021.9.1.9.1
- 説明: ユーザー定義の間隔でシステムディスク記憶域を監視します。ディスク記憶域がカスタムしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Javaヒープメモリ使用状況
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.2.4.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でXenMobileのJava仮想マシン(JVM)のヒープメモリの使用状況を監視します。使用量がカスタムしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Javaメタスペース使用状況
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.2.5.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でXenMobileのJavaメタスペースの使用状況を監視します。使用量がしきい値を超える場合、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: LDAPの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.1.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でLDAPサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: DNSの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.2.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でDNSサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Googleストアサーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.3.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でGoogleストアサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Windowsタブレットストアの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.5.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でWindowsタブレットストアサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
説明: Windowsセキュリティトークンサーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.6.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でWindowsセキュリティトークンストアサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Windows通知サーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.7.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でWindows通知サーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Appleプッシュ通知サーバー(APNs)の接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.8.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でAPNsとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Appleフィードバックサーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.9.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でAppleフィードバックサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Apple Storeサーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.10.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でApple StoreサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: XenMobileデータベースの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.11.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でXenMobileデータベースとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Firebase Cloud Messagingサーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.12.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でFirebase Cloud MessagingサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Citrixライセンスサーバーの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.13.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でCitrixライセンスサーバーとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: Citrix Gatewayの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.15.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でCitrix GatewayとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: XenMobileノード間の接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.16.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でXenMobileクラスターノード間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
トラップ名: XenMobile Tomcatノードサービスの接続性
- 監視オブジェクトID(OID): .1.3.6.1.4.1.3845.5.1.1.18.17.0
- 説明: ユーザー定義の間隔でXenMobile TomcatノードサービスとXenMobileノードとの間の接続を監視します。接続に失敗すると、XenMobileはSNMPトラップを生成します。
サーバーのパフォーマンスを最大にするためにSNMPのしきい値を設定するときは、次の点に注意してください。
- 呼び出しの頻度
- 収集されるトラップデータとしきい値のチェック
- ノード間通信のメカニズム
- 接続チェックの頻度
- チェック中に失敗した場合のタイムアウト
SNMPユーザーを追加するには
SNMPユーザーはSNMPマネージャーとやり取りし、トラップを受信します。
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XenMobileコンソールで、右上の歯車アイコンをクリックします。[設定] ページが開きます。
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[監視] の下の [SNMPの構成] をクリックします。[SNMPの構成] ページが開きます。
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[SNMP監視ユーザー] の下の [追加] をクリックします。
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[SNMP監視ユーザーの追加] ダイアログボックスで、次の設定を構成します。
ユーザー名: SNMPマネージャーへのログオンに使用するユーザー名。英数字、アンダースコア、ハイフンは使用できますが、ユーザー名にスペースやその他の特殊文字は使用できません。
注:
ユーザー名「xmsmonitor」を追加することはできません。これは、XenMobileが内部で使用するために予約されているからです。
認証プロトコル:
- SHA(推奨)
- MD5
認証パスワード: 8〜18文字のパスワードを入力します。英数字と特殊文字を含めることができます。
プライバシープロトコル:
- DES
- AES 128(推奨)
プライバシーパスワード: 8〜18文字のパスワードを入力します。英数字と特殊文字を含めることができます。
SNMPマネージャーを追加するには
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[SNMPマネージャー] の下の [追加] をクリックします。
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[SNMPマネージャーの追加] ダイアログボックスで、次の設定を構成します。
サーバーIPアドレス: SNMPマネージャーのIPアドレスを入力します。
ポート: 必要に応じてポート番号を変更します。デフォルトは162です。
SNMPユーザー名: マネージャーにアクセスできるユーザーの名前を選択します。
SNMPトラップを有効にして構成するには
環境に適したトラップ設定を決定するには、「スケーラビリティとパフォーマンス」を参照してください。たとえば、XenMobileの負荷平均を1分間監視するには、[1分間の負荷平均]を有効にして、しきい値を指定します。XenMobile Serverの1分間の負荷平均が、指定したしきい値を超えた場合、構成済みのSNMPマネージャーでトラップを受信します。
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個々のトラップを有効にするには、次のいずれかを実行します。
- パラメーターの横にあるチェックボックスをオンにし、[有効化] をクリックします。
- 一覧のすべてのトラップを有効にするには、上部のチェックボックスをオンにして、[有効化] をクリックします。
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トラップを編集するには、パラメーターを選択して、[編集] をクリックします。
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[SNMPトラップの詳細の編集] ダイアログボックスでは、個々のトラップのしきい値を編集できます。
トラップ名: トラップの名前。このフィールドは編集できません。
間隔(秒): 許容範囲は60〜86400(24時間)です。
しきい値: 次のトラップのしきい値のみを変更できます。
- プロセッサ負荷
- 1分間の負荷平均
- 5分間の負荷平均
- 15分間の負荷平均
- 使用可能なメモリの合計
- 使用ディスクストレージ合計
- Javaヒープメモリ使用状況
- Javaメタスペース使用状況
状態: [オン] を選択すると、トラップのSNMP監視が有効になります。[オフ] を選択すると、監視が無効になります。
SNMPを使用してXenMobileを監視する方法の詳細については、「ブログ投稿」を参照してください。